空き家ジャーナル


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実家の売却のベストタイミングは?税金についても徹底解説

更新日:2023年10月12日

実家の売却手続きは、人生の中でまたとない、とっても大きな決断です。
不動産市場や法的手続きの知識がない場合、この手続きは非常に複雑かもしれません。
しかし適切な情報と指導を受けることで、実家の売却手続きをスムーズに進めることができます。

たまに、「実家を相続前に売却するのが良いのか、それとも売却してから相続した方がいいのか最適解はあるのでしょうか?」というご質問をいただきます。
今回は、そのアンサーと、実家の売却手続きに関する流れや注意点について解説していきます!

【節税効果は?】実家の売却は相続前・相続後どちらがベスト?
どちらが有利かはケースバイケースで一概には言えません。

しかし、譲渡所得税がかかるケースは相続前の売却を検討するべきです。
相続後に売却した方が良いケースは、遺産総額が基礎控除【3000万円+(600万円×法定相続人)】を上回る場合に、相続する際に相続税がかかる可能性があるため、売却して現金として保有しておくより、不動産のまま保有しておくことで小規模宅地等の特例を活用して相続税の軽減を図ることができる可能性がございます。

相続前に売却する場合

空き家ジャーナルでもすこしご紹介したことがある「居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除の特例」がポイントです。

不動産を売ると「所得税」「住民税」がかかりますが、いずれも、儲けがでた場合に限ります。

例えば4000万円で購入した物件が7000万円で売れた場合、3000万円の儲けがでるかと思います。
この儲け分である3000万円が「譲渡所得」といいます。

譲渡所得には20%の所得税と住民税が課税され、例に挙げた3000万円の儲けの20%=600万円を税金として支払うことになります。ただこちらは儲けが出た場合のみで、出ていなければ支払う必要はありません。

親が実家を売って売却益が出ると所得税がかかる

実家に住んでいる親が自分でその家を売る場合、売却によって発生した譲渡所得(売却益)への課税があります。
譲渡所得は給与所得などの税と分けられ、税率がかかり、所得税と住民税が課せられます。

売却したお金を現金で持っていると相続税が加算される

逆に親の自宅が値下がりして、不動産を購入した時の金額よりも売った時の金額が低かった場合、譲渡損失(売却損)が発生したことになります。
この場合は売った年のほかの所得と相殺し(損益通算)し、所得税や住民税を減らすことも可能です。

譲渡損失は、売った自宅の所有期間が5年を超えるなど一定の条件を満たすと、売った翌年から最長3年間の所得と譲渡損失を繰り越して控除できる特例もあります。
譲渡損失が大きければ、最大で4年分の所得税や住民税がゼロになる可能性もあるのです!

3000万円の特別控除とは?

ポイントとしてご紹介した「3000万円の特別控除」という特例ですが、
もし売却する不動産を自宅として使用していた場合に使うことができます。
不動産を売却したことによる儲けを、3000万円分なかったことにしてくれる制度です。

注意点として、「自宅として使っていた不動産」であり、アパートなどの投資用不動産や、別荘もダメなのです。

3000万円の特別控除の申請に必要な書類

特別控除の申請時に必要となる書類はこちらです。

・確定申告書
・譲渡所得の内訳書
・住民票の写し
・戸籍の附票
・譲渡した土地・建物の全部事項証明書
・売却時の書類の写し
・取得時の書類の写し

何が必要なのかなど、不動産会社にも相談できます。
東京空き家相談協会 相談員への相談、または紹介手数料ナシで空き家に強い不動産会社にスピーディに手続き~売却までお繋ぎすることも可能ですので、お気軽にお問合せください!

 

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または以下からご相談ください!
電話番号➡ 03-6258-0496
メール➡ message@tokyo-akiya.info

 

平成27年の税制改正で空き家の自宅にも特例が使えるように

この特例は、従来まで、相続発生後に空き家となった自宅にはなかなか使えませんでした。
なぜなら、あくまで持ち主が自宅として使用していた不動産という条件があるからです。

しかし、平成27年の税制改正により、相続後に空き家となった自宅を売却する時にも活用できるようになりました。
このことにより、相続後に売却しようとしたものの特例を使えずに泣き寝入りする方も減ったのかなと嬉しい気持ちです。

しかし、特例を使うための条件は、相続前と相続後でハードルが違うのです…。

3000万円の特別控除 特例を使うための条件①相続前

まず、相続前に自宅を売却する場合は、以下の条件で3000万円の特別控除の特例を受けることができます。

・確定申告をすること
・売った家屋や敷地等について、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと
・自分が住んでいる物件を売却するか、以前住んでいた物件の場合には、住まなくなってから3年を経った日を含む年の12月31日までに売却すること
・売り手と買い手が、親子や夫婦、自分の経営する法人などの特殊な関係がないこと
など

条件について詳細を確認(クリックで国税庁HPへ移動)

 

相続前は、比較的クリアしやすそうな条件が揃っています。
しかし、ここからが問題。
相続後に空き家となっている自宅の場合どのような条件なのでしょうか?

3000万円の特別控除 特例を使うための条件②相続後

以下が条件となります。

・昭和56年5月31日以前に建築された物件であること
・相続開始時に亡くなった人が1人で住んでいたこと
・一定の耐震基準になるようにリフォームするか、建物を取り壊して売却すること
・売却代金が1億円以下になること
など

 

つまり、昭和56年6月31日以降に建築された物件は3000万円の特別控除を使うことができません
国土交通省では、昭和56年以前に建築された建物=建築基準法に定める耐震基準が強化される前の、いわゆる「旧耐震基準」によって建築され、耐震性が不十分なものが多く存在しているといわれています。

つまり、条件の中では「旧耐震基準の建物から、今の耐震基準にリフォームするか、建物を取り壊してから売却する」ことがあるように、旧耐震基準の建物を減らす目的もあるとみられますね。

住宅・建築物の耐震化について(クリックで国土交通省のHPに移動)

10年超所有していれば軽減税率の特例も併用可能!

自宅を売却した場合に要件を満たせば、通常の税率よりも低く譲渡所得税を計算することができます。
これを「軽減税率の特例」といい、これまでに説明した3000万円の特別控除の特例と併用することができます。

3000万円の特別控除の特例の場合は所有期間の長さに関わらず使うことができますが、軽減税率の特例は、”売却した年の1月1日に所有期間が10年を超えている”という条件が加わります。

税率は、譲渡所得6000万円以下の部分は14.21%(所得税10%、復興特別所得税0.21%、住民税4%)、6000万円を超える部分については通常の税率20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)となります。

相続前に売却する場合は家族信託がおすすめ!

もし実家の所有者であるお父さんが認知症になり、施設に入ってもらい実家の売却を検討するとしたら…。
所有者であるお父様が認知症になってしまった場合、適切な手続きが進められず、売却ができないという状況になってしまいます。

それを防ぐために、いざという時に家族が実家を含めて財産の管理・処分ができるよう家族信託をしておくことをおすすめします。

認知症・生前対策は大切!家族信託とは?

家族信託とは、要約すると、資産を所有している人(所有者)が家族や近親者など信頼できる人(受託者)に信託契約や遺言により、その資産から利益を得る人(受益者)のために信託の目的に沿った形で資産・運用を可能にする権利を与える(所有権を移転する)ことです。

家族信託せずに所有者が認知症になってしまった場合、銀行口座などが凍結したり、物件の売却を進めるのが困難になってしまうケースに陥る方も多くいらっしゃいます。

当協会でも、すでに所有者が認知症になり施設に入所した後に空き家売却のご相談をいただき、裁判所での後見人制度を使用することになったケースもちらほらありました。

まさに備えあれば憂いなしという言葉通りの制度です。

ちなみに、司法書士と対応業務が似ている部分の多い行政書士では登記手続きができないため、不動産を含む家族信託では司法書士に相談するのが良いでしょう。

 

東京空き家相談協会では家族信託についてもご相談を受け付けており、提携している司法書士へ即日ご案内しております。
きもちよく実家・空き家の売却を進めるためにはこのようにプロに相談するのが一番です。お問合せお待ちしております!

 

お問合せフォームはこちら

または以下からご相談ください!
電話番号➡ 03-6258-0496
メール➡ message@tokyo-akiya.info

相続後に売却する場合

では、相続後に売却する場合は、どのような違いがあるのでしょうか?
前述したように、相続前に売却するよりも条件は厳しくなりますが、3000万円の特別控除の特例を使える場合はあります。

また、以下のように小規模宅地等の特例が相続税に大きく影響するケースもございます。

相続が発生し相続税を算定するときは、実家の土地の評価に小規模宅地等の特例が使えるかどうかも税額に大きく影響されます。

小規模宅地等の特例とは?

親の自宅だった土地について330㎡を限度に相続税の評価額が80%減額されるというものです。特例が適用されると相続税が大きく減額されるケースが多いのですが、相続直前に親と子が同居していたことが前提のひとつとなります。

しかし、取得費加算の特例との兼ね合いに注意が必要となります。
取得費加算の特例とは、相続した実家を売却する際に、その実家の相続にかかった相続税を取得費として譲渡所得から控除できるというものです。

小規模宅地等の特例で相続税が減額されると、その実家を売る時に譲渡所得税が増えてしまう場合もあるため、どちらの特例を選ぶのが得かは、試算してみましょう。

まとめ

売却時にかかる税金負担は、できるだけ避けたいですよね。
今後、実家の売却を考えた時に、「居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除の特例」をポイントとして考えてみましょう。

東京空き家相談協会は、相談者様にとって負担なくベストなご提案ができるよう親身なヒアリングを心掛けています。
また、専門スタッフ同席のもと物件の現地調査や売却査定など、無料でスピーディに行なっておりますので、もし実家や所有している空き家について誰かに相談したくなった時は、お気軽にご連絡ください!

 

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何から話せばいいか分からない方でも大歓迎!

この記事を書いた人

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一般社団法人東京空き家相談協会

小峰千波

学生時代からまちづくりに関心があり、地元をはじめとした地域活性化活動や環境経営に携わっていた。 故郷の過疎化を感じ、人が生きやすく集いやすい環境づくりがしたいと感じ、 現在は一般社団法人東京空き家相談協会の相談員として、ご相談者様に寄り添ったサポート活動をしている。 自然と動物が好きです。