実家を相続した、空き家になる予定など様々な背景から実家の片付け(残置物撤去)が必要となります。
なるべく自分たちで進めたいものの、実家から遠方にお住まいの方など実家での作業がそううまくいかない方も多くいらっしゃいます。
放置したまま実家に残る親が亡くなり、片付けが進まずに管理不全空き家に…とならぬよう、これから実家の片付けをする方、またはすでに実家が空き家となった方どちらにとっても予習できるような内容になっています。
実家の片付けに取り組むためのスムーズな手順やコツ
今回はスムーズに実家の片付けを行なうための手順やコツを5つのポイントにまとめてご紹介します。
実家片付けのコツ①帰省前から準備をしておく
あらかじめ、ごみの分別方法や処分場所、受付時間など調べておきましょう。
また、ガムテープや軍手、段ボールなど片付けに必要な道具を、同じ場所にまとめて準備しておくことでスムーズに作業を進められます。
実家片付けのコツ②処分する私物の基準を設け、思い出を整理する
例えば「3年使っていないから不要」など、いるもの・いらないものの基準をつけておくと、
「まだ必要かもしれない」とたくさん保管してしまうことも減ります。
もし使っていなかったとしても、物一つひとつに思い出があるので、物と思い出を整理できるよう判断しましょう。
実家片付けのコツ③安全な避難経路の確保を心掛ける
例えば通路に物が多く残っていたり、そのことでドアが閉まっている場合、防犯・防災面など何かあった場合逃げられないなどのリスクが高まります。
この点は親に実家の片付けを提案する際にも有効です。
- もし地震が起きた時に、寝室の頭上に物がたくさんあったら?
- 物が多く空き家に見えることから、放火や犯罪の温床になってしまったら?
- 階段に物が積まれている場合、間違えて物を踏んでしまったら?
など、実家に危険な場所が増えていってしまいます。
片付けを提案する際にはそのようなリスクを親に伝え、かつ、実際に片付け作業を行なう際は安全面に気を付けて進めていきましょう!
また、片付けない場合は多くの私物によって壁が傷ついたり床がへこんで、今後リフォーム費用が必要になる可能性も伝えると良いでしょう。
実家片付けのコツ④捨てる判断は親自身が3秒程度で
実家の片付けにおいて大切なのは、親にとっての思い出や必要なアイテムを守りながら、スッキリと整理することです。
実家には「いる」モノと「使うかもしれない」モノがたくさんありますが、効果的な片付けの方法を考えてみましょう。
まず、3秒程度の短い時間で「捨てる」かどうか判断できないアイテムがあれば、それらを「一時保管」することをおすすめします。
これによって、急いで捨てる必要はありませんし、親も納得しやすくなります。
この「一時保管」のアイテムは、段ボールやゴミ袋に入れて、目につかない場所へ移動させましょう。捨てるのではなく、保管するだけなので、安心感があるはずです。
実家片付けのコツ⑤揉めにくい「かつての子ども部屋」から手をつける
一番片付けやすい場所が、子どもである自分が管理していた部屋です。
そのことから、残している私物の中でも一番揉めにくいため片付けのスタートダッシュが切りやすいのです。
また、「じゃあ、”ついで”に親の○○も捨てておこう」と提案しやすい流れを作ることもできます。
この”ついで”というのが重要で、改まって親の私物の片付けを提案するよりハードルを低くして提案することができます。
ちなみに私の実家は空き家になってはいないものの、帰省して自分の部屋を片付けるたびに当時おまけで貰ったようなおまけや、小学校時代に友達と交わしたお手紙などを見つけると小一時間思い出に浸ってしまう時があります。
そのようなケースもあるので‥‥‥‥‥‥………!!!
いるもの・いらないものの仕分けや処分作業が充分できるように作業日程に余裕をもって計画しましょう!
実家片付けのコツ⑥スッキリ片付けすぎない
親が実家に住んでいる場合、スッキリ片付けすぎることによって寂しさを感じ、片付けのリバウンドが起きる可能性があります。
しかし、窓や通路を遮断してしまうなど防犯・防災面で支障がなく生活しやすい状態でしたら、無理に考え方を押し付けず、勝手に処分してトラブルにならないよう心がけましょう。
実家の片付けは家族とのコミュニケーションや思い出を大切にしながら進めることが大切です。必要のないものを捨てつつ、大切なアイテムを整理し、スッキリとした空間を作りましょう。
ここまでは、実家に親がいる場合の「生前整理」をご紹介しました。
続いて、もし実家に住んでいる親が亡くなった場合の実家の片付け「遺品整理」についてご紹介します。
遺品整理に迅速な対応が求められる
遺品整理の場合は一般的に、親が亡くなった後に親の遺した私財を、その子どもが整理・処分することです。
特徴は大きく分けて3つあります。
- 親との本当の別れとなってしまう辛さ
- 実家と自宅が離れている
- 物が多い
もし生前整理をしていたら親である本人の判断でいるもの・いらないものを分別することができますが、遺品整理の場合は違います。
もし賃貸物件の場合は家賃請求が来てしまうなど、早々に対応しなければなりませんが、思い出が残っているため心情的には片付けにくく、そのままにしてしまう方も多いのです。
生前整理をしていなかった場合にはトラック数台分もの私財になるなど、とにかく物が多い点も特徴です。
冷蔵庫や洗濯機といった家電は、”資源の有効利用を目的に使われなくなった家電製品を適切に処理するための法律”「家電リサイクル法」による処理が必要だったり、
例えば片付ける家が3LDKの場合でもごみ袋200個以上が必要になるほどのごみが出るケースも多いなど、多くの手間や時間が必要となります。
また、例えば郵政民営化前(平成19年9月30日まで)に預けた郵便貯金については、満期後20年2か月を過ぎると払い戻しの権利が消滅し、現金は受け取れなくなるなど、生前整理または遺品整理時に早々に対応が必要なものもあります。
「家電リサイクル法」については過去の空き家ジャーナルでもご紹介しているので、ぜひご一読ください!
また、現代は核家族化によって親と子どもが離れた場所に暮らしていることもあり、
遺品整理のために実家と自宅を移動するのがなかなか難しいケースも増えています。
実際に内閣府の調査によると65歳以上の者がいる世帯の中で、「単独世帯」「夫婦のみ世帯」が全体の過半数を占めていて、年々その世帯数が増えてきています。
プロに依頼する実家片付け
トラブルなく遺品整理をしたり、空き家となった実家の片付けをするにはプロに依頼するのが一番です。
片付け業者選びの際には、追加費用が発生しないよう、見積もり内容が明確だったり、経験豊富な業者を選びましょう。
片付け業者の費用相場
片付け業者の費用相場は以下となります。
- 1K:35,000円~
- 1DK:57,000円~
- 1LDK:79,000円~
- 2DK:100,000円~
- 2LDK:130,000円~
- 3LDK:180,000円~
なるべく自分で空き家の片付けをして費用を抑えたい所ですよね。
少しでも費用を抑えるコツを以前更新した空き家ジャーナルでご紹介しているので、ぜひご一読ください!
また、東京空き家相談協会では実家の相続前から空き家となった後の片付けや清掃、解体、売却、買取など相談者様のさまざまなパターンの悩みに対してご相談・ご案内を承っております。
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