空き家ジャーナル


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東京都足立区によるごみ対策事業とは?

更新日:2024年3月2日

空き家の増加が問題となっている足立区ですが、空き家が問題になると同時に浮き彫りになるものがごみ屋敷問題です。

 

足立区では

・敷地から出たごみが悪臭を放っている

・放火や火災が心配である

といった相談を受け、ごみ屋敷対策事業に取り組んでいます。

 

今回はこの事業について説明していきます。

 

ごみ対策事業とは?

 

足立区では「足立区生活環境の保全に関する条例」に基づき、近隣住民も生活環境に多大な影響を及ぼすような状態にある「ごみ屋敷」改善のためのごみ対策事業を行っています。

 

相談は下記の方法で行えます!

区役所窓口 足立区役所 環境部 生活環境保全課(南館11階)
電話 03-3880-5410(受付時間:8時30分~17時15分)

※土日祝日を除く

WEB 「足立区オンライン申請システム」(外部サイトへリンク)

詳細は足立区HPへ(クリックで移動)

 

 

基本的な取り組み

 

ごみ対策事業の基本的な取り組みは「原因者への支援に重点を置き、各関係機関と連携し粘り強く取組むこと」に重点を置いて行われています。

 

強制的にごみを片付けるのではごみ屋敷再発を招くリスクがあり、時間と労力はかかるものの原因者の抱える問題を解決していくことでごみ屋敷をなくすという姿勢は「足立区モデル」として全国的にも注目を集めています。

 

対応フローは以下のようになっており、現地調査や指導は行うものの、原因者が問題を抱えている場合、支援する体制がきちんと出来上がっています。

 

ごみ対策事業の実績

 

ここからは実際にごみ対策事業がどのような結果を出しているかを見ていきましょう。

まず、ごみ屋敷の相談に対する対応実績ですが、相談受付が322件、解決に至ったのが275件となっています。

 

年ごとの対策対応実績を見ると、受付件数や解決件数は毎年約20~25件と大きな変化はないものの、解決率は平成30年度が73.6%、令和4年度が85.4%と5年で約12%も増加しています。

 

未解決事例の原因ですが、ひとつの事例に対し複数の原因があることが多く、最も多いものは「精神的課題」でした。

 

次いで多いのが「他者との接触拒否」や「物への執着」と、ごみ屋敷の所有者にメンタル的な課題があることが見受けられます。

以前空き家ジャーナルでは、ごみ屋敷になる一因として「ためこみ症」についてご紹介しましたので、併せてお読みください。

また、ごみ屋敷はたいていの場合90日以内で解決できるものの、中には解決まで1年以上かかるケースもあるようです。

 

この次は具体的な解決事例についてみていきましょう。

 

東京都足立区の解決事例①地域ボランティアによる解決

 

取り組み期間:8年

 

物件概要

この物件では、敷地の屋外に設置されているコンテナ上部に大量のごみが積み上げられており、樹木も公道に越境(敷地ごとに決められている境界を超えること)していたようです。

経済的な問題により所有者は片付けられないでいたとのことです。

 

解決方法

足立区は、令和元年12月に生活環境保全審議会に諮問し、ごみの撤去・処分費用を支援することになりました。

更に樹木の伐採は地域のボランティアに協力を依頼することで、物件の状況が改善されました。

 

 

東京都足立区の解決事例②関係機関の連携による解決

 

取り組み期間:1か月

 

物件概要

保健センターより相談が持ち込まれた物件です。

体調を崩し入院中の方の自宅がごみ屋敷状態で、本人も片付ける手立てがなくこれまで放置されていましたが、退院のために片付けが必要となりました。

退院のために片付けが必要となりました。

 

解決方法

本人の片付け希望があったため、区が片付け業者の手配と見積もりに協力しました。

ごみの撤去作業が行われ、その後本人は退院し福祉サービスを利用しながら自宅での生活を再開しました。

今でも保健センターが見守りに行っているようです。

 

 

空き家の状態が心配な方へ

 

今回は足立区の空き家・ごみ屋敷に対する取り組みを取り上げました。

足立区はほかの自治体に先駆け、区とその他機関が連携をして空き家対策を行っている先進的な区です。

 

逆にその他の自治体ではそのような制度がまだ未発展であり、各自治体は対応が急務です。

 

東京空き家相談協会では、空き家に関するご相談を以前より積極的にお伺いしております!

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この記事を書いた人

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一般社団法人東京空き家相談協会

小峰千波

学生時代からまちづくりに関心があり、地元をはじめとした地域活性化活動や環境経営に携わっていた。 故郷の過疎化を感じ、人が生きやすく集いやすい環境づくりがしたいと感じ、 現在は一般社団法人東京空き家相談協会の相談員として、ご相談者様に寄り添ったサポート活動をしている。 自然と動物が好きです。