今回は空き家と認知症に関する記事になります。
実はこの2つには大きな関連があることをご存じでしょうか?
空き家所有者が認知症になることによる影響
認知症になってしまうと介護が必要になり、子供の家に移ったり、介護施設に入るなどして自宅を空けてしまうケースが多々あります。
しかし、認知症と診断されてしまった場合、基本的には自宅の売買ができなくなってしまい多くのケースで空き家になってしまうのです。no_toc
第一生命経済研究所が先日発表した資料によると認知症患者が保有する住宅の総数は18年時点で210万戸と既に総住宅の3%強を占め、40年には280万戸に上ると試算しました。
先述の通り、認知症で意思能力を失うと、自宅売却は基本的にできなくなってしまいます。
成年後見制度を活用することで、認められる場合もありますが、手続きの複雑さから21年末時点の利用者は約24万人のみにとどまっています。
参考:https://kouken-pj.org/about/current-status/
もし、両親が認知症になってしまい介護施設に入居しなければいけないという事態に陥っても、自宅の売却ができないとその際の費用が捻出できなかったり、捻出できたとしても空き家になってしまった家の管理費と介護費の二重負担が現役世代の生活を圧迫する恐れがあります。
介護に必要な費用
【自宅の場合】
一時的にかかる費用 69万円
毎月かかる費用 4万6,000円×4年7ヵ月(平均介護期間)=253万円
合計322万円
一時的にかかった費用の内容としては住宅改造や介護ベッドの購入など平均して69万円で、1ヶ月の平均介護費用は4万6,000円という結果でした。
【施設入所の場合】
入居費用 30万円
毎月かかる費用 23.7万円×4年7ヵ月(平均介護期間)=1303.5万円
合計1333.5万円
今回の例では介護付き有料老人ホームの場合で費用を算出しました。
一口に老人ホームと言っても様々な種類があるので、あくまでも参考程度ですが、想像以上の費用がかかることがご理解いただけたと思います。
まとめ
空き家の管理費と介護費の二重負担で苦しんでしまう前に、できるだけ早く家族内で将来的に認知症となった場合、医療や介護の費用を工面するために不動産を売却してもよいか否か、親子で話し合う機会を設けておく事が望ましいといえるでしょう。