高級住宅街で有名ながら、実は全国で最も空き家の数が多い東京都世田谷区。
人口の増加も著しく、住宅の需要がまだまだ増える見込みのため、自治体は対応に追われています。
今回はそんな世田谷区の空き家問題について紹介していきます。
世田谷区の空き家戸数の推移
2013年の調査時点で世田谷区の住宅総数は50万戸以上、空き家の数は5万戸を超えており、空き家率は10%を上回っています。
この数字は2008年のものと比較し、住宅総数が約5万戸、空き家数が約18,000戸、空き家率が約3ポイント増えた結果となりました。
特に区内で増加傾向にあるのが賃貸や売却、自己使用などの使用目的が定まっていない「その他の住宅」です。
使用目的の定まっていない住宅は放置される傾向が強く、急務で改善しなければなりません。
詳しくは下記をご覧ください。
世田谷区による空き家等実態調査
世田谷区は2016年、2017年に独自の空き家等実態調査を行っています。
事前に設定した空家等評価基準を用いて各空き家等を調査し、調査対象1,492棟のうち、様々な状況から空家等と推定した建物は、2017年7月時点で966棟ありました。
そのうち空き家対策特別措置法に基づく、特定空き家として認定するか検討すべきとされた空き家は8棟、改善要請を発すべき空き家は156棟発見されました。
なお、上述の8棟は2018年4月までに半分の4棟が所有者による解体により、空き家の状態が改善されたとのことです。
東京都世田谷区の空き家が特に多い地域はどこ?
空き家の分布状況の特徴を分析するため、世田谷区では空き家の分布状況をもとに密度解析を行いました。
解析の結果、区内には空き家が特に集中している地域が存在し、
「太子堂・若林エリア」「成城学園前・祖師谷エリア」「奥沢・東玉川エリア」に空き家が集中していることがわかりました。
また、特に「太子堂・若林エリア」「奥沢・東玉川エリア」には旧耐震基準の家屋が多いことも、密度解析の結果から判明しています。
また空き家数こそ両エリアと比較すると少ないものの、「羽根木・北沢エリア」にも多くの旧耐震基準の家屋があります。
放置された旧耐震の空き家は地震や火災による被害リスクが大きく、早急な対応が求められます。
東京都世田谷区の空き家とされる建物の使用状況
2017年、世田谷区は現地調査を行い、居住・解体が確認できなかった1,168棟の建物の所有者にアンケートを送付し、建物の使用状況などの調査を行いました(回答率は46.2%)。
詳細な調査結果は下記のとおりですが、住んでいない(使っていない)と回答している方が全体の10%もおり、放置されている空き家が多くあることが推測できます。
また、アンケートの回答者の多くが60歳以上、かつ旧耐震物件を所有しており、空き家を処分したくてもできないという方が多いのではないのかと予想できます。
更に建物を放置してから5年以上が経過したと答える所有者は45%に上り、今後の活用方法が定まっていないという回答も多く見られたため、区による所有者への働きかけを強化すべきでしょう。
実際に東京空き家相談協会にご相談いただく方も、
「実家が空き家になっているものの、活用方法が決まっていないまま放置している。正直手放したい。」
「活用できていないので、固定資産税がかかり続けてしまっている。」と、お困りの方が多くいらっしゃいます。
同じ築年数でも、定期的に人が入り換気をしていないだけでも老朽化のスピードは変わります。
これは私自身、痛感していることで、私の父が管理している神奈川県の空き家は、忙しくて管理ができていない期間があるだけでも老朽化が早くなり、どんよりとした重い空気になります。
思い出深い家の、定期管理による費用や手間、固定資産税の支払いが気になり続けるより、「今この家が必要」と思う人がいる、価値ある状態でバトンタッチしていくことが必要だと思います。
当協会にご相談いただいたことで、なかなか不動産会社で売れなかった実家を希望価格で売却できたり、数年前にストップしていた相続登記も含めて売却につなげることができたケースがございます。
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世田谷区の空き家対策
「世田谷トラストまちづくり」の地域共生の家づくり支援制度では、空き家の所有者が空き家を地域に開放し、まちづくり活動の場として活用する支援をおこなっています。
この取り組みで作られた地域共生の家は区内19か所にあり、幅広い年代の方々の交流や支援の場として活用されています。
区が行う空き家等地域貢献活用事業からは、空き家を使用した事業がいくつも生まれており、台所のある空き家を子育てと食を中心としたコミュニティスペースとして活用する「ふかさわの台所」プロジェクトや、
要介護の高齢者の自立を支援するデイケアセンターと、認知症カフェを併設する「デイサービスと認知症カフェを整えた地域の多世代交流拠点づくり」など、空き家対策が少しずつ進んでいます。
相続・空き家の相談は東京空き家相談協会に!
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当協会は空き家の売却・買取・活用・管理・解体・改修といった幅広いご相談に対応しており、ご相談内容に合わせた不動産業者を無料でご案内しています。
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まちづくりのために
当協会の設立背景である社会問題「全国的な空き家増加」。
生まれも育ちも首都圏の自分にとって、空き家問題はすこし遠いものに感じていました。
しかし大学時代、自分たちのデザインや企画立案による地域活性化活動を続けていた経験によって、その社会問題はどんどん身近な存在になっていきました。
「近所の〇〇さんが亡くなったって」
実家に帰ると親から耳にするその言葉だけでなく、ガーデニングが好きだった近所の人が亡くなったことで”死んでいく家”を目の当たりにし、より一層実感しました。
一見、日本の中心地である東京都内は過疎化の心配がないように思いますが、実際は本コラムでご紹介した世田谷区のように、住宅数が多いからこその課題があります。
必要なのは、適切な相談先。
実家の所有者である親が認知症になってしまった。
実家を活用したいが、そのためには諸々の補修が必要。
異常に高い解体費用を見積もられたが、これが普通なのか分からない。
不動産会社に相談したが売却を断られた。
売り出していたが、なかなか売れず半年経った。
当協会は税理士、司法書士、弁護士といった相続や税金に関する専門家や、空き家事情に強い専門業者と提携しています。
拠点の東京都含む一都三県を中心に、全国の空き家問題を解決するべく、相談ヒアリングから現地調査、適切な解決策のご提案、一括見積もりや専門家へのご案内や、解決までのサポートまですべて無料で承っておりますので、ぜひご連絡お待ちしております。
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