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避けられない税金と税金対策。
政府が取れるところからシッカリ取る税金は不動産関連にももれなくついて回ってくるため、
どうにか節税したいと対策を講じる人は後を絶ちません。
税金というと、とかく毟り取られるものという嫌なイメージがつきまといますが、税制や税目をはじめ支払った先にいかに使われるかを知り、活用できる制度は使うなど早めに対策をして損はないでしょう。
当記事では、相続した土地の売却でかかる税金の種類や節税対策も解説します。
こんなにあるぞ土地絡みの税目
土地を相続するとまず課される税金が相続税、さらに相続した土地を売却すると加えて各種税金の支払いが待っています。
主なものには土地の名義変更をする際の登録免許税、土地の売買契約書などの書類に必要な印紙税、譲渡して生じた利益に対してかかる譲渡所得税などがあります。
登録免許税
相続や売買などで土地の名義などを変更する際、法務局に納める税金です(登記内容の変更)。
相続による名義変更の登録免許税は、以下の計算式で算出されます。
登録免許税 = 固定資産税評価額(固定資産税納税通知書に記載されている価格のこと) × 0.4%
相続・合併による所有権移転登記の税率は0.4%となります。
印紙税
土地を売ると印紙税も発生します。
売買契約書や領収書などの文書作成の際に課税される税金です。
印紙税の金額は土地の売却代金によって変わります。
不動産の売買においては売買代金に応じて課税文書という文書に貼り付けなければいけません。
この印紙を購入することによって税金を払うという仕組みです。
契約書1通ごとにこの印紙税がかかり、収入印紙を売買契約書に貼り付けて納税します。
譲渡所得にかかる所得税・復興特別所得税・住民税
土地を売って利益(譲渡所得)が発生した場合、譲渡所得に所得税と住民税がかかります。
さらに、2037年12月31日までは復興特別所得税もかかることになっています。
復興特別所得税とは、復興のために必要な財源の確保を目的に課されている税金です。
2011年12月2日に公布された「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」に基づき、2013年1月1日より課税されています。
その使途は、被災者支援、産業・生業の再生、住宅再建・復興まちづくり、原子力災害からの復興・再生となっています。
譲渡所得は株式やゴルフの会員権、金地金などの資産譲渡経験者であればおなじみのキーワードでしょう。
譲渡所得は売却した価格ではありません。
土地を売却するまでには、売却時の手数料、土地の取得費用など、さまざまなコストがかかっています。
このうち売買に直接必要であったと認められる経費を、売却した価格から差し引いたものが譲渡所得です。
土地を売った結果、これら収支がマイナスであれば土地売却による譲渡所得税は発生しません。
また、不動産の譲渡所得にかかる所得税と住民税は「分離課税」として扱われます。
分離課税の仕組みでは、会社員の給与所得や個人事業主の事業所得などとは切り離して課税されます。
譲渡所得税の内訳は、下記のとおりです。
◆所得税
土地売却の所得税の算出で必要な数字は「土地の取得費」と「土地の譲渡費用」です。
具体的な取得費と譲渡費用の例を挙げます。
- 取得費
- 土地の購入費用
- 購入時の税金(登録免許税、印紙税、不動産取得税など)
- 建物の解体費用
- 測量費用
- 不動産会社に払う仲介手数料など
- 譲渡費用
- 印紙税
- 不動産会社に払う仲介手数料
- 建物の解体費用、樹木などの撤去費用
- 測量費用
- 土壌汚染調査などの調査費用(譲渡の条件になっているもの)など
譲渡所得税のうち、所得税の税率は土地を持っていた期間で異なります。
土地を売った年の1月1日現在で所有期間が5年超の「長期譲渡所得」の場合、所得税率は15%です。
これに対し、土地を売った年の1月1日現在で所有期間が5年以下の「短期譲渡所得」の場合、所得税率は30%です。
以下のコラムでは、短期譲渡所得と長期譲渡所得の仕組みなどを詳しくご紹介しています。
仲介手数料とは、不動産売買の仲介をしてもらった不動産仲介業者に売買が成立した際に支払う成功報酬のことです。
仲介業者はその名通り仲介というサービスを提供する対価として手数料を得ており、仲介手数料には消費税が課税されます。
消費税はモノやサービスを買う側が支払うため、仲介手数料にかかる消費税は土地を売った人の負担になるというわけです。
◆特別復興所得税
東日本大震災からの復興財源に充てるため設けられた税金で、通常の所得税に上乗せして徴収される特別税です。
相続した土地を譲渡したことで所得税が生じた場合は、復興特別所得税も含まれます。
所得税額×税率2.1%が、復興特別所得税の税額です。
税率は所得税の税率と連動して変わり、長期譲渡所得であれば0.315%、短期譲渡所得であれば0.63%となっています。
なお、所得税が発生しないのであれば復興特別所得税は発生しません。
株式などの取引経験がある方であれば、配当や譲渡益が出たとき、通常計20%(所得税15%+住民税5%)の譲渡益税がかかることがおなじみかと思います。
2037年12月31日まではこれに復興特別所得税が加わり、合計20.315%(所得税15.315%+住民税5%)ということになります。
◆住民税
そして、住民税。
所得税同様、土地の譲渡所得には住民税も課税されます。
土地の所有期間によって税率は異なり、長期譲渡所得の場合は5%、短期譲渡所得であれば9%です。
節税対策
節税対策として3年以内に使える特例を2つ挙げます。
取得費加算の特例
相続が始まった日から3年10か月以内に相続財産を売った場合、相続税額の一部を取得費に加算することで、譲渡所得税の負担を軽減できる特例です。
譲渡所得税は、「収入金額 - (取得費 + 譲渡費用)」という計算式で算出します。
このときの「取得費」に相続税の一部を加算すると、収入金額からマイナスする金額が増えるため、所得税の負担が軽減されるというわけです。
こうした効果が得られるのが、取得費加算の特例です。
取得費加算の特例には3つの適用要件があり、これらを満たしていることが必要です。
- 相続、遺贈(遺言で特定の人に財産を贈ること)によって財産を取得した人であること。
- その財産を取得した人が相続税を納めていること。
- その財産を相続開始日から3年10か月以内に譲渡していること。
最大のポイントは、「相続税が課税されている」という点です。相続税の課税義務がなかった人は使うことができません。
相続税は約8%程度の人しか納税義務がないため、約92%の人は取得費加算の特例を使えないことになっています。
また、使うためには「相続開始日の翌日から相続税の申告期限の翌日以降3年を経過する日までの売却」と期間が制限されています。
相続税の申告期限=「相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内」であるため、
取得費加算の特例の利用期限が「相続開始のあった日の翌日から3年10か月以内」という表現も多いです。
要件の詳細は、国税庁のページを参照しご確認ください。
ちなみに、取得費加算の特例と併用できる特例は以下です。
相続空き家の取り壊しで3,000万円特別控除
相続した空き家を取り壊し、更地にして売る場合、要件を満たすと「相続空き家の3,000万円特別控除」が使えます。
相続空き家の3,000万円特別控除を使ったときの譲渡所得は以下の通り算出されます。
譲渡所得 = 譲渡価額 ー 取得費 ー 譲渡費用 ー 3,000万円
売却対象が親の住んでいた家が建っていた不動産であることが必要です。
家屋の要件は以下の通りです。
- 相続開始の直前において、被相続人の居住用の家屋であること。
- 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること。
- 区分所有建築物(マンションなど)以外の家屋であること。
- 相続の開始直前においてその被相続人以外に居住していた者がいなかったこと。
- 相続の時から譲渡の時まで事業用、貸付用、または居住用だったことがないこと。
これらのうち、ポイントは「昭和56年5月31日以前に建築された家屋」という点です。
ここに国の「何としても空き家を減らしたい!」という意図があります。
そもそも「相続空き家の譲渡所得3,000万円控除」は、年々増える空き家を防止するために設けられました。
創設当時の財務省の資料では、周辺環境に悪影響を及ぼすと見なされる空き家数は毎年6.4万戸増えており、
そのうち昭和56年5月31日以前の旧耐震基準で建てられた建物が4分の3となっており、その半数は耐震性がないと推計されています。
このため、相続により空き家になった家については取り壊しか、もしくは耐震改修をした上で売った場合は譲渡所得の計算上3,000万円を特別控除しますよという制度ができたという経緯です。
要件を満たす家屋を取り壊し、土地として売る場合はさらに以下の要件を満たさなければなりません。
- 取り壊した家屋について相続のときから取り壊しのときまで事業用、貸付用または居住用だったことがないこと。
- 土地について相続のときから譲渡のときまで事業用、貸付用または居住用だったことがないこと。
家を解体したあとの土地が「事業用や貸付用」ではなかったことが必要であるため、これを駐車場などにしてしまったという場合は特例が使えないことになります。
相続空き家の3,000万円特別控除を使うためには、「相続の開始のあった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日まで」に譲渡しなければなりません。
ただし、2021年3月時点では、適用期限は「令和5年(2023年)12月31日」までとされています。
要件の詳細については、国税庁のページでご確認ください。
いつでもできる節税対策
先ほど解説した期限付き節税対策のほか、期限に関係なくいつでもできる節税対策として以下の方法があります。
平成21年および平成22年に取得した土地の1,000万円特別控除
意外と見落としがちな特例がこれです。
この1,000万円特別控除は、リーマンショック後の景気対策として設けられました。
使えるケースは限られますが、リーマンショックの翌年から2年間、つまり平成21年と22年に買った土地など(国内の土地または土地の上の存する権利)を売却した場合、その用途を問わずに売却利益から1,000万円を控除するという制度です。
1,000万円特別控除が適用できる物件はお宝といえるほど、メリットも多い特例です。
平成21年に取得した土地等は平成27年1月1日以降、平成22年に取得した土地等は平成28年1月1日以降に売ることが前提条件で適用可能です。
相続税の納税などの要件は必要なく、「親が平成21年1月1日~平成22年12月31日の間に土地を買っていた」という場合に使える特例です。
要件を満たせば譲渡所得の金額から最大1,000万円控除ができ、1,000万円に満たない場合は譲渡所得の金額が控除額となります。
購入後短期間で売ってしまった場合は適用できませんが、居住用や事業用など売却不動産の用途が適用要件になっていることが多い譲渡所得の特例の中、
1,000万円特別控除は未利用の土地にも適用できるところが特徴です。
計算式は以下の通りです。
譲渡所得 = 譲渡価格 ー 取得費 ー 譲渡費用 ー 1,000万円
不動産の売却金額は譲渡所得の対象となるため、売却利益に対し譲渡所得税が課せられます。
1,000万円特別控除を適用する場合、売却利益が生じるかをまず確認の上、利益が出る場合に特例を適用するか判定してください。
売買契約書に記載されている購入日を確認の上、要件の詳細は国税庁のページでご確認ください!
低未利用土地等の100万円特別控除
空き家などの敷地を売却した場合、要件を満たすと譲渡所得から100万円控除できる特例です。
土地の売却価格が500万以下のとき、低未利用土地等の100万円特別控除が使える可能性があります。
譲渡所得 = 譲渡価格 ー 取得費 ー 譲渡費用 ー 100万円
適用すると所得税・住民税併せて最大約20万円程度の節税ができます。
ただ対象期間、売却金額、所有期間、売却する相手、対象となる土地等・・・
要件は多く、以下の項目を満たしていることが必要です。
- 対象期間:令和2年7月1日~令和4年12月31日までの売却
- 所有期間:売った年の1月1日において、所有期間が5年を超えていること
- 売却金額:土地と建物の合計売却金額が500万以内であること
- 売却する相手:親、子ども、配偶者など特別な関係でないこと
生計をともにする親族や内縁関係なども対象外となります。つまり身内ではなく第三者に売っている場合が対象となります。 - 対象となる土地:譲渡した物件が都市計画区域内にあり、低未利用土地等であること。
および「譲渡後の土地等の利用」について市区町村長の確認がされたものであること。
都市計画区域内とは、以下が該当します。
- 市街化区域
- 市街化調整区域
- 非線引き区域
市町村に確認するとどの地域に該当するか分かります。
低未利用土地等とは、簡単にいえば未利用(空き家や空き地、空き店舗の敷地など)か、
低利用の土地(一時的な資材置き場、譲渡後にアパートなどを建築をし、高利用される見込みのコインパーキングなど)や借地権のことです。
譲渡後の要件としては、購入者がその土地を使うことです。
低未利用地のまま使う場合は対象外です。
古民家を再生してお店として使う、太陽光設備を設置して売電するなどが該当します。
設備投資をしなければならず、空き家をそのまま物置として使ったり、青空駐車場としての利用は設備投資されていないため対象外となります。
市区町村確認書については税務署ではなく、土地の所在地の市区町村に申請し、低未利用地等の確認書を発行してもらいます。
それを所得税の確定申告書に添付し、納税地の税務署に申告します。
市区町村により添付書類が異なるため、申請前にご確認ください。
低未利用土地等の100万円特別控除の注意点
「譲渡後の利用について確認できる書類」には購入者の署名などが必要な場合もあるため、事前の準備が大事です。
このほか、注意点としては譲渡特例との併用はできません。
また、個人の特例であるため法人は対象外です。
相続税の納税義務や相続後の期間などの要件もなく、上記の要件に合ってさえいれば使える特例です。
ふるさと納税を使う手も
「ふるさと納税って名前は聞くけど何なんだ?」という方、この機にぜひ知見を広め、メリットも加味して検討してはいかがでしょう。
譲渡所得では所得税と住民税が生じるため、ふるさと納税の利用で節税するという方法もあります。
ふるさと納税とは自治体へ寄附をすることで、原則として寄付金額から2,000円を引いた金額から翌年の自分の住んでいる地域の住民税から減額され、所得税から還付される制度です。
節税だけでなく、寄付した自治体から返礼品がもらえるところがメリットです。
ふるさと納税には税金を控除できる「ふるさと納税控除上限額」があります。
控除上限額は所得が高いほど増えるため、譲渡所得が生じた年はふるさと納税控除上限額も増えることになります。
ふるさと納税控除上限額が増える=少ない自己負担で高額な返礼品をもらえるメリットが生まれるため、
普段できないような自治体への寄附もできるようになります。
土地の取得費が分かる資料を探す
相続した土地の取得費が分かっていないと、土地の売却で税金が高くなってしまいます。
節税対策として、取得費が分かる資料を探しましょう。
購入時の売買契約書がない場合、それ以外に取得費が分かるものとして以下のものがあります。
- 通帳の出金履歴から購入額を推測する
- 仲介してくれた不動産会社や売主から売買契約書の写しをもらう
- 住宅ローンの金銭消費貸借契約書から購入額を推測する
- 抵当権設定額から購入額を推測する
- 一般財団法人日本不動産研究所が公表している市街地価格指数から土地の取得費を算出する
これらのような資料がある場合、取得費と見なせるかどうか税務署に相談にいく必要があります。
また、土地の購入額だけでなく、次のものも取得費に加えることができます。
- 相続時の不動産登記費用(売却のために行った名義変更費用)
- 取得時の登録免許税
- 取得時の不動産所得税
- 取得時の売買契約書に貼った印紙代
- 取得時の仲介手数料
- 取得時に司法書士へ払った手数料
- 取得に際し払った立ち退き料、移転料
- 取得のための建物の解体費用
- 取得のための測量費
- 購入時の整地、埋め立て、地盛り費用、下水道、擁壁の設置費用
- 取得費に加えることができる金額が分かる資料がある場合、これらを加えることで節税できます。
譲渡費用を計上する
譲渡費用をもれなく計上することも節税のひとつです。
以下のようなコストは譲渡費用として計上できます。
- 売買契約書の印紙代
- 売却時の仲介手数料
- 売却のため広告した場合の広告料
- 売却のため鑑定した場合の鑑定料
- 売却のため測量した測量費
- 売却のために借り手を立ち退かせるために払った立ち退き料
- 売却のために行った建物修繕費
- 土地を売るため、その土地の上の建物を解体した場合建物の取得費と解体費
- 買主の登記費用を負担した場合その負担額
- 買主とのやり取り(交渉)のために使った交通費や通信費など
- すでに売買契約を結んでいたが、より有利な条件でほかに売却するためその契約を解除した場合の違約金
- 借地権を売る際、地主の承諾を得るため払った名義書き換え料など
一方、以下のような支出は譲渡費用として認められません。
- 引越し代
- 移転先の家の購入費、修繕費、移転費用など
- 遺産分割のためかかった支出
- 譲渡資産の維持管理費など
- 抵当権抹消費用
これらが譲渡費用と見なされるか否かは、最終的に税務署で個別に判断を仰ぐようにしてください。
相続した土地を売るメリット
相続した土地は、新たに自分の家を建てることも、アパートや駐車場にして人に貸し出すこともできます。
主に次のようなメリットが挙げられます。
①現金化できる
これは最大のメリットともいえるでしょう。
相続した土地を売れば現金が手に入ります。
得た現金を当面の生活費に充てることもでき、新たに車や土地などの購入費にも充てられます。
②相続トラブルを避けられることも
土地や家などの不動産は現金と違い、分割しづらい特徴があります。
そこで、売却によりすぐに現金化することで平等に分割がしやすくなります。
その結果、場合によってはトラブル回避にもつながるかもしれません。
③管理する手間からの解放
土地は更地状態で管理や手入れをせずにいると、廃棄物を不法投棄されたり、誰かに無断使用されたりと、
あらゆる問題が起こりやすいリスクがあります。
そこで土地を売却すると、管理する手間や労力を費やす必要がなくなり、解放されるメリットがあります。
④固定資産税と都市計画税からの解放
不動産を持っていると、毎年逃れらない固定資産税と都市計画税が課税されます。
土地を相続時の状態のまま放置していても課税されるため、気をつけてください。
土地を売ればこれらの税金の支払いから解放され、負担が軽減できるメリットがあります。
⑤相続税の納税に充てられる
土地の売却で得た現金を相続税の納税に充てることができ、残ったお金があれば自身の資産として使えます。
相続した時点で手元にまとまったお金がなく、相続税を払えない場合の手だてとして有効です。
デメリット
相続した土地を売ることにより、先ほど解説した管理費や税金などの金銭的負担から解放されます。
ただ売却は上記の負担からの解放と同時に土地の所有権を持っていることにより得られたはずのメリットを将来にわたり手放すことでもあります。
以下のデメリットを加味した上で、土地を売ることが自身に適しているか否か、十分に吟味してください。
①土地活用によって得られたはずの利益を失う
土地の売却により、アパートや月極駐車場、コインパーキングなどの土地活用ができなくなり、賃料収益を得る機会を失います。
とりわけ、都市部で駅から徒歩圏内にあるような好立地の土地であれば賃貸アパート経営での利益が見込め、満室で稼働できれば大きなキャッシュポイントになります。
月極駐車場も駅チカの土地や郊外の住宅地エリアでニーズがあります。
収益性は高くなくとも、安定収益を生みやすい活用方法です。
コインパーキングは駐車場に乏しいビル周辺や病院周辺、商業エリアなどでニーズがあります。
月極駐車場と違い、稼働するほど利益が増えるため、好立地であればまずまずの利益を生む可能性があります。
土地の売却はこうした利益を生む機会を放棄することも意味します。
また土地の売却益は地価によって変動するため、売却のタイミング次第では「思ったほど利益が出なかった」というリスクも起こり得ます。
②諸経費がかかる
ついて回るお金問題は土地も同じで、土地は法務局で相続登記をし、相続税を払った上、不動産業者を通して売却します。
相続登記の際は登録免許税、住民票や戸籍謄本といった書類の取得費用がかかります。
自力でやるのが厳しい場合、司法書士へ依頼することができますが、その際もタダというわけにはいかず別途費用がかかります。
売るときも譲渡所得税や印紙税などの税金のほか、不動産業者への仲介手数料もかかります。
相続した土地を売れば、まとまった現金が得られます。
しかし、利益がある=原則として譲渡所得税がかかります。
利益の金額によっては税金が数百万~数千万円単位になることもある一方、今回解説したような特例を活用することにより、税負担を大きく軽減できるかもしれません。
また、納得できる利益を得るためにも、売却する場合適切なタイミングを見極めることも大事です。
いずれにしても土地を売る際は特例関連の情報収集も含め、念入りに準備をした上で臨みましょう。
すこしでもお困りごとがあれば一度、私たちにご相談ください。
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