「空き家を売却してお金を得たい」
「空き家を売却したらいくらになるのか知りたい」
そのように考えている人に質問です。
「空き家を売却したときに国に納税する税金の額をしっかり把握していますか?」
例えば所有している空き家を5000万円で売却できたとしても、残念ながら全額は得られません。
今回は不動産を売却する際、最も大切な譲渡所得税について解説します。
譲渡所得税とは?
譲渡所得税とは、不動産を売却した際の利益(以下、譲渡所得と言います)に対して課税される税金です。
譲渡所得に所得税・住民税・復興特別所得税(東日本大震災からの復興目的として課税される税金。2037年まで。)
を掛け算したもので算出されます。
譲渡所得税に関連する用語の解説
譲渡所得税の説明では、複雑な用語が多数存在するので、
ここでは特に大切な用語の意味や定義について説明していきます。
譲渡費用
不動産売却時にかかる費用です。
仲介業者に支払う手数料、契約書の印紙代・測量費・建物の解体費などが含まれます。
不動産の購入価格
文字通り不動産を購入したときにかかる費用です。
一見簡単そうに見えますが、購入価格の定義は広く、注意が必要です。
この価格には契約時にかかった税金(印紙税・登録免許税・不動産取得税)
や司法書士に払った手数料、さらには増改築費用や家具の搬入・取付費用にも適用されます。
減価償却費相当額
不動産取得時から売却時にかけて建物が経年劣化した分に相当する価格を指します。
建物の構造・用途で大きく計算方法が変わるのでしっかり確認しましょう。
譲渡所得税の計算方法
基本的には
譲渡所得×(所得税+住民税+復興特別所得税)
で算出します。
譲渡所得税率(所得税+住民税+復興特別所得税に関して)
は売却したい不動産の所有期間が
不動産を売却した年の1月1日時点で5年を超えるかどうか
によって変化します。
言い回しがややこしいのですが、例えば2023年11月に不動産を売却した場合
2023年1月までに経過した所有期間をチェックされます。
要するに11月に売却したのに制度上の所有期間は約10か月分マイナスして換算されてしまうのです。
売却したい不動産の所有期間が不動産を売却した年の1月1日時点で5年を超えない場合の税率は、
所得税30%+住民税9%+復興特別所得税0.63%
逆に5年を超える場合は
所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%
になります。
ほぼ全ての税率が約半分になるため、所有期間のカウントは間違えないようにしましょう!
次に譲渡所得の計算方法ですが
不動産の売却価格-(取得費+譲渡費用)
となります。
取得費は不動産の取得した際にかかる費用のことです。
土地の場合は購入価格がそのまま適用されます。
建物の取得費に関しては
建物の購入価格-減価償却費相当額
として計算します。
減価償却費相当額は
建物購入価格×経過年数×償却率×0.9
で計算します。
償却率に関しては建物の構造(木造・鉄骨・RC造)や用途(事業用不動産かどうか。事業用不動産とは投資用マンションや店舗ビルなどの総称です)
によって倍率が変化します。
例えば空き家などに多い木造・居住用の不動産は倍率が0.031%になります。
譲渡所得税を安く抑える方法
ここまでの内容を見ると、
空き家を売ってもほとんどお金が手元に残らないのでは・・・
と心配される方もいるかもしれません。
安心してください。そうならないよう、税金を減額する仕組みが実はたくさんあります。
居住用不動産売却時の3,000万円控除
居住用不動産(または居住用財産)はマイホームだと思っていただいて結構です。
つまりマイホームを売った場合、譲渡所得が3000万円控除されるということです。
空き家の場合でも適用されるケースもあります。
その物件に居住しなくなった日から3年経過する日が属する年の年末
(例えば2023年11月1日に居住をやめた場合は2026年12月31日まで)
までの売却ならこの控除が適用可能です。
もちろんこの控除には条件もあり、
- 譲渡先が配偶者・直系血族・同族会社以外であること
- 2年以内にこの控除を使っていないこと
が挙げられます。
特定の居住用財産の買い換え特例
所有期間が10年を超えるマイホームを売却し、
新たにマイホームを購入した場合、譲渡所得税の納付を先送りにできます。
新たなマイホームの購入価格によって先送りできる額が変化し、
売却額>購入価格ならば差額分のみ納税義務が生じますが、
売却額≦購入価格ならば全額先送りにできます。
この特例の適用にも条件があり
- 売却価格が1億円以下
- 前述の3000万円控除を適用しないこと
- 不動産を売却した年の1月1日時点で居住期間が10年を超えていること
が必要です。
所有期間が10年を超える不動産の軽減特例
売却するマイホームの所有期間が10年を超えると譲渡所得税率が低くなる場合があります。
譲渡所得が6000万円以下の場合、所得税10%・住民税4%となり
6000万円を超えた場合は超えた分が所得税15%・住民税5%
となります(超えていない部分は所得税10%・住民税4%)
特例適用の条件は
- 不動産を売却した年の1月1日時点で居住期間が10年を超えていること
- 2年以内にこの特例を使っていないこと
- 夫婦、親子間での譲渡ではないこと
です。この特例はなんと3000万円控除と併用することができます!
相続した不動産の取得費加算特例
相続した不動産を相続開始翌日から相続税の申告期限翌日の以後3年以内に売却した場合は
相続税の一定額を不動産取得費に加算できます。
特例適用には相続税の納付が必要ですが、結果的に譲渡所得は減額されます。
1,000万円の特別控除
個人が2009年に取得した不動産を2015年以降に譲渡した場合
もしくは2010年に取得した不動産を2016年以降に譲渡した場合
譲渡所得を1000万円控除できます。
親族から取得・相続された場合に関してはこの控除は適用できません。
譲渡所得税の相談は東京空き家相談協会へ!
譲渡所得税はとても複雑な納税制度ですが、空き家の売却とは切っても切り離せない存在です。
本記事を読んでも理解できない部分が多いと思います。
そんなときに助けとなるのが東京空き家協会です!
東京空き家相談協会では空き家の売却・買取どちらもご相談いただけます。買い取りを行っています。
今回紹介した譲渡所得税やその他税金に関してのご相談も承りますので、
空き家の売却に不安を抱えている方はぜひ一度お問い合わせください!
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