地震大国日本において、地震に強い建物を作るというのは至上命題となっています。
今後、新築のマイホームを建てる予定等がある場合、
耐震・免震・制震の知識をしっかりとつけたうえで建物の新築を行うべきでしょう。
古い建物を建て替えたい方も同様です。
今回は「どうやって地震に強い建物を作る?」というテーマを解説していきます。
地震に強い建物を作るポイント
地震に強い建物を建てる場合、「耐震・免震・制震」がキーワードになってきます。
耐震・免震・制震を重視した家づくりを行うことで、仮に木造住宅であっても、
地震による建物の倒壊や損傷、建物内部の損傷や家具の転倒を防ぐことができます。
工事費は通常の建物より増してしまいますが、居住者の安全を確保するためにも、耐震・免震・制震を取り入れていくべきでしょう。
次項から、耐震・免震・制震について具体的に解説していきます。
耐震とは?
耐震とは建物の構造を強くし、地震に耐えられる建物を作ることで、建物を損傷から守ることを指します。
耐震に関しては耐震等級という地震に対する建物の強さを示す指標が存在し、耐震等級1から耐震等級3まであります。
耐震等級1は新耐震基準で定められている耐震等級を指しており、
等級1であっても震度5程度の地震による建物の損傷を防ぐことができます。
耐震等級2は等級1に比べて1.25倍の強度を誇り、
学校や避難所など周辺住民にとって有事の際に避難所となる施設では、
耐震等級2以上が義務付けられています。
住宅ローン控除のための条件となる長期優良住宅も耐震等級2である必要があるので、
これから新築を行う場合は一つの基準とすると良いでしょう。
耐震等級3ともなると等級1の1.5倍もの強度を誇ります。
実際に2016年の熊本地震の際も耐震等級3の木造家屋にはほとんど被害がなかったそうです。
耐震等級3は警察署や消防署等、震災後復興の拠点となる建物にも採用される強度ですので、
金銭面に余裕があれば、耐震等級3の建物を作ると良いでしょう。
耐震等級の高い建物を作るには次のような項目を満たしていく必要があります。
①建物の重さを軽くする:建物や屋根の重量を軽くする等
②耐力壁を使う:壁に構造用合板や耐力面材を使用する等
③耐震金物を配置:柱と柱の間に耐震金物を入れる
④床の耐震性能を上げる:床に構造用合板を貼るなど
上記項目を満たし、耐震性の高い建物を作りましょう!
耐震のメリット・デメリット
耐震のメリットは以下の通りです。
・建設コストが比較的安い(耐震等級1であれば追加費用なしで満たせるため)
・特殊な工事がいらないため、工期が短くなる
・設計上の制約が少ない(免震だと地下室が作れないなど制約がある)
一方で耐震には次のようなデメリットがあります。
・地盤の揺れが直接伝わるため、上の階ほど揺れが大きい
・家具の転倒などの恐れはある
・繰り返しの揺れに弱い
免震とは?
免震とは地震の意入れを建物に伝わりにくくするために、
地盤と建物を切り離す構造を指します。
また、建物と基礎の間に揺れを吸収するダンパーや、建物を支えるゴム状のアイソレータなど、
免震装置を入れることで地震の揺れを吸収します。
免震のメリット・デメリット
免震のメリットは以下の通りです。
・揺れの衝撃を吸収するため、地震による揺れが小さい
・内部の揺れが小さいため、家具が倒れにくい
・建物内部の損傷が抑えられる
また、免振のデメリットとしては以下のことが挙げられます。
・縦揺れの地震や台風などによる強風に対しては強くない
・施工会社が限られており、コストが高い
・ゴムの耐用年数があるため、定期的な点検が必要
制震とは?
免振と混同されやすい制震は、建物内で地震の揺れを吸収する構造のことを指します。
地盤と建物を離し、地震の揺れを和らげる免震とは異なり、
制震は建物と地盤を切り離さず、建物内部にゴム製のダンパーや重りを入れ、揺れを吸収してくれます。
上階ほど揺れが強くなる高層階やタワーマンションによく用いられる手法です。
制震のメリット・デメリット
制震のメリットですが、
・免振よりもコストが安く、繰り返しの揺れに強い
・ダンパーの種類によってはメンテナンス不要
・台風の強風による揺れにも強い
といったものが挙げられます。
一方で、以下のようなデメリットもあります。
・装置の設置場所や数が揺れの大きさに影響する
・地盤の影響を受けやすい(地盤が柔らかいと効果が薄れる)
終わりに
地震に強い建物を作るためには耐震・免震・制震の違いや効果を理解した上で、適切な施工を行う必要があります。
新築の建物でなくとも、耐震リフォームなどは可能です。
今のうちから強い揺れに備える取り組みをしておきましょう。
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