木造住宅は日本では古くから親しまれてきました。
今でこそ都心を中心に鉄筋コンクリート造の建物が増えつつあり、
日本=木造という感覚が薄れつつあるものの、
下町や郊外では未だ木造住宅が多く立ち並びます。
日本が誇る「和」の文化にマッチし、趣深さを醸し出す魅力的な木造住宅ですが、
一方で木造住宅であるがゆえに、火事が起きやすいという問題点があります。
今回はそんな木造住宅が抱える問題点を解決すべく、
足立区が行う「不燃化特区」という取り組みについて解説していきます。※
※本記事で紹介する図・リンクはすべて足立区ホームページから引用しています。
リンク:不燃化特区について|足立区 (city.adachi.tokyo.jp)
不燃化特区とは?
東京都では、首都直下地震の切迫性や東日本大震災の発生を踏まえ、
木密地域の改善を一段と加速するため、「木密地域不燃化10年プロジェクト」に取り組んでいます。
プロジェクトの中で、特に重点的な改善・取組みを行うべく、
東京都が特別な支援を行う地区を「不燃化推進特定整備地区」(不燃化特区)」として指定しています。
足立区内では平成26年4月に「西新井駅西口周辺地区」が、
平成27年4月に「足立区中南部一帯地区」が「不燃化特区」と指定され、
東京都と協力して支援を行っています。
不燃化特区制度の期限は令和8年3月31日となっており、
終了まで残り約3年となりましたが、それに伴い足立区では助成金額が拡充されました。
ここからは不燃化特区内で受けられる助成金制度について紹介していきます。
不燃化特区での支援内容①老朽建築物の解体費用助成
以下の条件を満たす老朽化建物を解体する場合、
足立区では限度額280万円以内で助成を受けられる場合があります。
・昭和56年5月31日以前に建築された木造又は軽量鉄骨造の建築物
・区の調査によって危険であると認められた建築物
・延焼防止上危険な木造建築物として国が定めた基準に該当する建築物
助成額は
・実際にかかった経費
・解体費(単価)×解体する建築物の延床面積(平方メートル)
のいずれかで決定されます。
また解体後も更地を適切に管理することで、
最長5年度分8割の固定資産税減免を受けられる場合があります。
不燃化特区での支援内容②不燃化建替え費用助成
木造の建物を耐火建築物・準耐火建築物に建て替える場合、
以下の条件を満たせば解体・設計・監理費の一部助成が受けられます。
・現在の建物の主要構造部が木造又は軽量鉄骨造である
・現在の建物が耐用年限の3分の2を経過している
・建物を耐火建築物または準耐火建築物に建替える
※注意:助成対象区域は、西新井駅西口周辺地区全域、
及び足立区中南部一帯地区の「防災街区整備地区計画」内のみ
助成金額は解体費が最大280万円、設計・監理費が最大70万円となっています。
また不燃化建替え助成を申請した場合、建築工事費の助成を受けられる場合もあります。
助成の有無は解体する建物の構造や新築する建物の構造・延べ床面積によって決まります。
資料もありますので、これに関してはホームページできちんと確認しましょう。
参考資料:https://www.city.adachi.tokyo.jp/documents/27116/green.pdf
https://www.city.adachi.tokyo.jp/documents/27116/subsidy.pdf
老朽建築物の解体費用助成と同じく、固定資産税の減免もあります。
最長5年度分10割とかなり条件が良いです。
こちらも詳しく知りたい方は足立都税事務所の固定資産税班へ問い合わせましょう。
不燃化特区での支援内容③専門家の無料派遣
不燃化特区の区域内に土地または建物を所有する方向けに、建築物の解体や建替え等における相談内容に応じて、
一級建築士や不動産鑑定士、弁護士などを無料で派遣します。
以下は足立区ホームページに掲載されている相談例と派遣される専門家例です。
相談内容例 | 専門家 |
築30年程の2階建てアパートを今後どのように管理運営していくべきか。 | 不動産鑑定士 |
地主に借地を返したいが、どのような交渉をしていけば良いかアドバイスが欲しい。 | 弁護士 |
空家になっている木造家屋2棟を除却した後、その更地をどうすれば良いか。駐車場やアパートなどの資産運用または更地を売却するという考えもあるので、詳しい方の意見を聞きたい。 | ファイナンシャルプランナー |
現在、借地で道路に面していない敷地の建築物を所有している。どうすれば建替えができるのか詳しく聞きたい。 | 一級建築士 |
助成申請の流れ
助成申請の流れは次のようになっています。
不燃化建替えや老朽建築物の解体等の予定がある際は、
助成申請の前に必ず建築防災課に相談しなければならないようです。
また老朽建築物の解体工事に着手する日の約一ヶ月前には助成金の申請手続きが必要です。
解体工事着手後は助成できないので注意しましょう。
疑問がある方は一度足立区建て替え相談会へ!
今まで足立区の不燃化特区における様々な制度を紹介してきましたが、
自分の住宅は条件に当てはまるのか、どれほど支援を受けられるのか、
という不安を抱えている方も多いかと思われます。
そんな方向けに足立区では不燃化特区内で相談会を開催しています。
開催スケジュールは以下のようになっています。
11月 4日 土曜日 | 梅田住区センター |
11月11日 土曜日 | 愛惠まちづくり記念館(関原の森内) |
11月24日 金曜日 | 興本住区センター |
12月 1日 金曜日 | 西新井栄町住区センター |
12月 9日 土曜日 | 五反野コミュニティセンター |
12月15日 金曜日 | 千住柳町住区センター |
1月13日 土曜日 | 千住あずま住区センター |
1月19日 金曜日 | 千住本町住区センター |
詳細は以下のリンクから確認しましょう!
リンク:不燃化特区の解体・建替え相談会について|足立区 (city.adachi.tokyo.jp)
終わりに
足立区の不燃化特区における支援内容で、
「自分の空き家は条件にあてはまるかも」
と一瞬でピンときた方はどれだけいらっしゃるでしょうか。
正直、ほとんどの方は
「本当に助成を受けられるのか」
と不安に思っているでしょう。
東京空き家相談協会に相談すれば安心です!
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