近年空き家は全国で増加傾向であり、空き家による災害リスクの増加、近隣住民への被害などが問題視されています。
それに伴い2023年には空き家等対策特別措置法が改正され、
管理不全空き家が特定空き家として、改善措置を注意・勧告されるようになりました。
各自治体でも空き家は問題視されており、今後ますます空き家に対する対応が厳しくなると予想されます。
今回はそんな中、2023年に京都市で公布された非居住住宅利活用促進税について説明していきます。
非居住住宅利活用促進税とは
京都市内において、主に空き家を対象に課税される税金です。
空き家の固定資産税評価額や立地に応じて課税額が決定されます。
空き家に関する税を定めたのは京都市が全国で初めてなので、
非居住住宅利活用促進税は全国初の自治体による空き家税となるようです。
この税金の目的は
・居住者のいない住宅の有効活用を促すこと
・京都市内の居住を希望する居住者への住宅供給の促進
・空き家減少による地域コミュニティの活性化
が挙げられます。
非居住住宅利活用促進税導入の経緯
京都市では施策を実施するための自主財源の確保や政策実現のための誘導に向けた「課税自主権の活用」が取り組まれていました。
また同時期に若年層や子育て層が手ごろな価格の住宅を求め、
近隣都市に移動してしまう事例が課題として挙がっていました。
そして2020年8月に有識者を交えた「京都市持続可能なまちづくりを支える税財源の在り方に関する検討委員会」を設置し、特に若年層の人口流出の解消や住宅の流通促進に向けた非居住住宅を所有する人への対応を5回にわたり議論しました。
その後、2021年3月に非居住住宅が住宅供給のための潜在的可能性があること、
若年層の定住人口伸び悩みの原因となっていることを共通認識とし、非居住住宅の所有者を対象とした非居住住宅利活用促進税の創設が提言されました。
実際に条例として公布されたのは2023年4月のため現在は制度の周知や税制の構築に注力されており、実際の施行は2026年以降になると言われています。
非居住住宅の定義
原則、京都市市街化区域内における居住者のいない住宅と定められています。
住民票の有無にかかわらず、居住実態によって判断するようです。
非居住住宅には空き家だけでなく別荘などセカンドハウスも該当します。
現状人がいない住宅は非居住住宅という扱いになると考えてよさそうですね。
ただ、現在は課税免除の対象として
・事業用のものまたは1年以内に事業用として建物を使用する予定があるもの
・賃貸、売却を予定しているもの
・固定資産税において非課税もしくは課税免除のもの
・警官重要建造物や歴史的価値を有する建造物に指定されているもの
また減免対象として
・災害や盗難の被害にあった住宅
・生活保護法における生活扶助を受ける者が納税対象の場合
・都市計画法に基づく事業の執行により、使用収益することができなくなったもの
・一定の理由※で一時的に非居住住宅となっているもの
※転勤や海外赴任、入院、介護施設への入所、DV被害による避難、親族の介護、改修工事を行っている場合
という条件が指定されています。
非居住住宅利活用促進税の税額の計算方法
非居住住宅利活用促進税の税額は次の2つを合算したものになります。
①家屋価値割×税率(0.7%)
家屋価値割は、非住居住宅の固定資産税評価額で求められます。
②立地床面積割×税率※
立地床面積割は非居住住宅の敷地1㎡当たり固定資産評価額×非居住住宅の延べ床面積で求められます。
※0.15%~最大0.6%(立地床面積割により変動)
なお、100円未満は切り捨てとして税額を計算します。
非居住住宅利活用促進税の徴収方法
非居住住宅利活用促進税は普通徴収(6月、8月、10月及び1月のそれぞれ末日を納期限として賦課課税)にて徴収されます。
しかし以下の場合には徴収猶予が発生します。
・非居住住宅の所有者が死亡したこと
・居住者が死亡したことにより非居住住宅となったこと
上記の事由が発生した日から3年間が徴収猶予となります。
京都の空き家でも東京空き家相談協会へ!
今回取り上げた非居住住宅利活用促進税は全国の自治体レベルでは初の取り組みとなっていますが、今後多くの自治体で同じような制度が創設される可能性があります。
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今年4月1日より相続登記が義務化されるなど、全国的に空き家対策が強化されている昨今。
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