練馬区は生活利便性が高く居住者数が多い一方で緑も多く、自然が豊かな区として人気を博しています。
実際にSBIアルヒ株式会社の「本当に住みやすい街大賞」の関東部門において、同区にある大泉学園駅が2年連続でトップ5以内にランクインしたなど、高い評価を受けています。
しかしながら練馬区は空き家の数も多く、増加する空き家に苛まれているのもまた事実です。
今回は練馬区が行っている空き家対策を紹介します。
東京都練馬区の空き家問題
練馬区の空き家数は約3.6万戸で東京都23区では5番目に空き家数が多い地域となっています。
空き家率をみると9.7%となっており、東京都の平均空き家率10.8%に比べると低いものの、練馬区はそもそも住宅数が非常に多い地域なので、住宅も空き家も非常に多いと言えるでしょう。
また練馬区は敷地外からの外観目視により、空き家等の判定および建築物の老朽度等の判定を行う、という方式の独自調査を行っています。
判定に関しては、老朽度の高いものから順にA(重度)、B(中度)、C(軽度)、D(問題なし)の4段階で判定されました。
老朽度判定 | 棟数 | 内容 |
---|---|---|
A判定 (重度) |
211棟 | 倒壊や外装材等の飛散や落下など、損傷が著しいもの |
B判定 (中度) |
369棟 | すぐに倒壊の恐れや外装材等の飛散等の危険性はないが、外装材等に損傷が見られるもの |
C判定 (軽度) |
325棟 | 外装材等の損傷が見られるが、修繕により継続して利用が可能なもの |
D判定 (問題なし) |
602棟 | 小規模の修繕またはそのままの状態で継続して利用が可能なもの |
練馬区空き家等実態調査の結果をお知らせします:練馬区公式ホームページ (city.nerima.tokyo.jp)より
調査の結果、空き家とみられる建築物は全部で1507棟あり、その中でも堆積物などによる管理不全状態にある居住建築物(ごみ屋敷)は30棟発見されました。
深刻度Aに分類された空き家も211棟あり、練馬区の空き家問題解決への道のりは決して楽なものではないことがうかがえます。
練馬区の空き家対策について解説
ここからは練馬区が行っている空き家対策について解説していきます。
中には解体費用助成など、空き家で悩んでいる方には非常に役立つ助成制度もあります。条件は細かく設定されていますが、当てはまるかどうか、確認してみましょう!
練馬区の空き家対策について解説①防災まちづくり事業
旧耐震基準で建てられた住宅など一定の条件を満たした住宅に対して、住宅の解体費用の助成があります。助成金額は解体工事費用の3分の2が支給され、130万円までが限度となります。
この助成を受けるには、当該住宅が※防災まちづくり事業実施地区内にある必要があります。
※田柄地区・富士見台駅南側地区・下石神井地区が該当しており、地区内の建築物の不燃化を促進するため、東京都の条例に基づく建築物の耐火性能に関する規制の導入を目指す地区です。
詳しくはこちらをチェックしましょう
☞住宅の耐震改修工事等の助成:練馬区公式ホームページ (city.nerima.tokyo.jp)
練馬区の空き家対策について解説②狭あい道路拡幅の助成制度
狭あい道路(主に幅員が4mに満たない狭い道路)を拡幅するための塀等の撤去費用、新たな工作物の設置費用などに対する助成制度です。
拡幅する道路が地域の主要な避難路のうち、一定の要件に該当する路線(狭あい拡幅促進路線)に該当する場合、後退用地の寄付に対して奨励金(相続税路線価×面積の1割、20万円上限)が交付されます。
詳しくはこちらをチェックしましょう
☞狭あい道路の解消について:練馬区公式ホームページ (city.nerima.tokyo.jp)
練馬区の空き家対策について解説③危険なブロック塀等の撤去費用を助成
倒壊の恐れがあるブロック塀などを撤去する際、区内の道路等に面している高さ0.8メートル以上のものなど、一定の条件を満たしている場合は助成金を受けられます。
塀の種別によって受けられる助成金の額は異なり、それぞれ次のように定められています。
練馬区のブロック塀撤去費用助成①安全性に疑いのある塀
8,000円/m + 撤去する部分の高さが1mを超える場合、
1mを10センチメートル超える毎に500円/mを加算
練馬区のブロック塀撤去費用助成②危険性が高い塀
7,000円/m + 撤去する部分の高さが1mを超える場合、
1mを10センチメートル超える毎に1,000円/mを加算
詳しい条件や手続きはこちらをチェックしましょう
☞ブロック塀等撤去費用助成について:練馬区公式ホームページ (city.nerima.tokyo.jp)
練馬区の空き家対策について解説④空き家マッチング事業
練馬区はみどりのまちづくりセンターにて、空き家マッチング事業を行っています。
これは空き家を使ったまちづくりを行うべく、空き家所有者と空き家活用団体を結びつける事業です。
練馬区から委託を受けたみどりのまちづくりセンターが空き家所有者と活用希望団体等のマッチングを含む、空き家活用相談窓口業務を行っており、2016年の事業開始から計7件のマッチングが成立しています。
このマッチング事業にも登録までの流れや、登録のための条件が定められていますので、
詳しいことはパンフレットを確認してみましょう。
活用希望者用パンフレットはこちら
☞kastuyousya_madoguchiannai_R05.pdf.pdf (nerimachi.jp)
空き家所有者用パンフレットはこちら
☞syoyusya_madoguchiannai_R05.pdf.pdf (nerimachi.jp)
以前空き家ジャーナルでご紹介しましたので、こちらも併せてご一読ください!
東京都の空き家解決に向けて
練馬区に限らず、空き家が多い東京都内では、空き家対策に向けた様々な取り組みがされています。その結果、一定の成果が現れた地域もあるものの、まだ空き家問題は解決されてはいないと言えるでしょう。
自治体の助成金制度は申請までの諸条件や必要書類が多く、利用者がなかなか増えないのかもしれません。区が定めた制度を利用しにくいときはぜひ東京空き家相談協会にご相談ください。
当協会では空き家の売却・管理・解体・活用のご相談を担当相談員がお受けし、無料現地調査のちに適切な解決策のご提案と業者のご紹介をしています。
相続・空き家に関する複合的なお困りごとをまるごと解決させていただきます!
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