放置空き家がもたらす日本への経済的損失をご存じでしょうか。
日本経済新聞社による株式会社クラッソーネへの取材によると、
放置空き家が10万戸増えると、日本全体で地価の下落により1.5兆円ほどの経済損失が生じるとのことです。
クラッソーネのCEOである川口氏は「解体を含めてまちを縮小していかなければならない局面にある」と指摘しています。
日本経済に大きな損失をもたらす放置空き家に対し、各自治体はどのような対策をしているのでしょうか?
今回のコラムで紹介していきます。
放置空き家への対策方法①自治体による空き家解体
放置空き家を減らすため、各自治体では空き家を解体する動きが進んでいます。
倒壊の恐れがある危険な空き家の撤去が全国で行われ、2022年度までの8年間で600戸近くの空き家が解体されました。
例えば千葉県香取市は行政代執行を行なった回数が17回と、全国で最も放置空き家を行政代執行によって解体している自治体です。
伊藤友則市長は「空き家があると景観も悪くなる。観光地で人通りが多く、緊急安全措置として代執行を進めてきた」と述べており、積極的な代執行を推進しています。
総務省が4月に発表した2023年10月時点の住宅・土地統計調査によると、使用目的がなく放置された空き家は385万戸で、
5年前の調査から36万戸増加しており、各自治体は香取市のように、代執行を更に用いた空き家対策が求められるでしょう。
行政代執行とは?課題もあり・・・
ここで先述した行政代執行とは何かについて触れたいと思います。
行政代執行とは空き家対策特別措置法に基づく「管理不全空き家」「特定空き家」に対して行われる、強制的な空き家の改善措置です。
そもそも空き家は行政から管理が著しくされていないと判定されると「管理不全空き家」「特定空き家」の指定を受け、空き家の所有者に対して改善措置の勧告や命令が行われます。
この命令を無視すると、自治体による行政代執行として、空き家の解体が強制的に行われ、解体費は後で所有者に請求されることもあります。
また空き家所有者がわからない場合の代執行を「略式代執行」、
空き家の解体を緊急にしなければならないほど危険な場合に行う代執行を「緊急代執行」と言います。
国土交通省によると、2022年度までに全国で自治体が解体したのは595戸で、うち所有者不明による略式代執行は415戸に達したとのことです。
上記の代執行は空き家対策の最終手段であり、放置空き家を強制的に解体し、
費用を所有者に請求できるというメリットはありますが、ほとんどの放置空き家は長い年月放置されたことで、
所有者不明となっており、結局自治体が解体費用を負担する場合がほとんどであるという点が問題となっています。
また空き家を解体したとしても、残った土地を自治体が活用できるわけではないので、
結局更地のまま不動産が放置される、ということが大きな課題です。
放置空き家への対策方法②新たな税制度の導入
放置空き家を未然に減らすために空き家に税金を導入する動きを見せている自治体もあります。
例えば京都市は空き家や別荘など非居住住宅への課税を計画しており、空き家に対して事前の対応を求めています。
国も住宅用地にある固定資産税の減額措置をなくす対象を従来の倒壊の危険がある「特定空き家」だけでなく、
その前段階の「管理不全空き家」にまで広げるため、空き家対策特別措置法の改正を2023年に実施しました。
このように空き家に対する税制度の強化・取り締まりは着実に強化されていますが、
これらは戸建ての空き家に対する対策、という色合いが強く、共同住宅への対策は十分ではありません。
今後は全室空室となった共同住宅への対策だけでなく、共同住宅の1室ごとの空き住戸に対する対策も求められます。
空き家放置はNG!東京空き家相談協会にご相談を
国や自治体による空き家への取り締まりはますます強化されています。
現在空き家を放置している方は、いつか改善措置を受け、思わぬ金銭負担を負う可能性もあるでしょう。
放置空き家はご自身のお財布にも、国の財政にも厳しいものです・・・
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