築50年を超えるような建物は現在、最も築浅でも1974年築と、
そのすべてが旧耐震基準の物件です。
旧耐震基準となると、それだけで資産価値が下がってしまい、立地によっては売りたくても売れない場合があります。
築50年の戸建てを売却するにはどうしたらよいのでしょうか?
本コラムでは以下が分かります。
- 築50年戸建ての売却相場
- 築50年戸建ての売却方法
- 築50年戸建て売却の注意点
- 築50年戸建て売却の当協会の相談事例
築50年以上で放置期間があった家でも売却におつなぎした実績があります。
築50年前後で不安なあなたは、各専門家と連携して柔軟にサポートできる東京空き家相談協会にご連絡ください。
築50年戸建ての売却相場
築50年戸建てには建物自体の価値はゼロといっても差し支えありません。
その理由は法定耐用年数という、法令で定められた減価償却の耐用年数にあります。
この法定耐用年数は木造建物の場合22年と定められており、
木造の建物は新築時から築22年にかけて、価格が90%下落します(その後は横ばいに推移)!
築50年の戸建てではこの22年というボーダーラインを大幅に過ぎているため、資産価値がほぼゼロになってしまうのです。
しかし諦めないでください!!
建物の価値がゼロということは売却相場もゼロになるということではありません。
その理由は建物が建っている土地にあります。
土地には耐用年数が存在しないため、建物のような値段の低下はなく(一定の理由による土地の値段の上下動は起こります)、
建物を売却する際は土地とセットで売るため、土地の値段が売却相場に直結するのです。
国土交通省が提供している「不動産情報ライブラリ」は一般の方も土地の売却相場を調べることができます。
過去の成約事例を調べ、立地・敷地形状・規模で売りたい物件と近いものを探すことでおおよその値段がわかります!
【事例①】東京都江東区の築50年以上の空き家を880万円で売却
まずは以下をご覧ください。
こちらは当協会にご相談いただき、売却につながった事例です。
所在地 | 東京都江東区平野2丁目 |
築年数 | 56年 |
交通情報 | 大江戸線清澄白河駅より徒歩10分 |
接道 | 一方に舗装された私道がある |
接道幅員 | 1m |
土地面積 | 34.67㎡(私道含まず) |
建物面積 | 57.92㎡ |
売却価格 | 880万円 |
次項から、相談概要や売却前にしたことをご紹介します。
【事例①】東京都江東区の築50年以上の空き家売却①相談概要
相談者様は50代女性。
電話でのヒアリングにて、以下のようにお話しいただきました。
- 相続してから8年経っているが使用予定がなく放置気味
- 前までは2ヵ月に1回程度管理していたが今後は難しいため、
査定金額によっては売却したい - 以前不動産会社に声をかけた時は、
解体後の売却をすすめられた - 空き家専門窓口にも相談したいと思いHPから問合せた
ヒアリングから2日後、当協会と提携している不動産会社とともに現地調査にお伺いしました。
【事例①】東京都江東区の築50年以上の空き家売却②売却するためにしたこと
相談者様と現地を見ながら、提携の不動産会社スタッフより「売却するためのポイント」をいくつか共有させていただきました。
そのなかの一つとして、「解体工事の扱い」があります。
相談者様が以前問合せた不動産会社では「解体工事後に更地を売却する」ことを強くおすすめされたとおっしゃっていました。
たしかに更地にすることによって住宅以外の土地活用の幅も広がりますし、
買い手が購入後すぐに活用することができます。
しかし、リノベーションしたいなど建物がある状態で購入したい層は離れます。
事前に解体業者で見積もりをとりながら建物がある状態で売り出し、「解体は応相談」という形にすることによって、どちらの購買層へもリーチすることができます。
相談者様が解体費用を負担するか、それとも買い手が負担するかは今後すり合わせていけば大丈夫です。
相談者様一人ひとりのケースやご意向に合わせたご提案をするためにも、東京空き家相談協会は複数の業者とのネットワークを活用し全力でサポートします。
事例②では神奈川県横浜市の事例として、解体費用を相談者様が負担したケースもご紹介しております。いくらかかったか確認してみましょう!
この時点で少しでも気になった方は、ご連絡お待ちしております!
【事例①】築50年以上の空き家を売却するために残置物撤去をしました
現地には、家具や洋服類が残っていました。
これらの私財を片付けることを残置物撤去(ざんちぶつてっきょ)といい、今回のように不動産会社が仲介して一般の方向けに売り出す場合は必要といわれている作業です。
しかし、私財があることでプラスになったり、「不動産買取」という売却方法であれば残置物撤去が不要なケースもあります。
以下の空き家ジャーナルでは、残置物撤去の費用相場なども合わせてご紹介しています!
【事例②】神奈川県横浜市の築50年以上の空き家を解体後に2,400万円で売却
事例①で「解体工事の扱い」についてご紹介したかと思いますが、
以下は当協会にいただいたご相談のなかから、築50年以上の空き家を解体後、更地を売却した場合の売却事例です。
所在地 | 神奈川県横浜市鶴見区浜町1丁目 |
築年数 | 53年 |
交通情報 | 鶴見線浅野駅より徒歩9分 |
接道 | 一方に舗装された私道がある |
接道幅員 | 8m |
土地面積 | 56.72㎡(私道含まず) |
解体費用 | 115万円 |
売却価格 | 2,400万円 |
【事例②】神奈川県横浜市の築50年以上の空き家は115万円で解体
こちらの事例では、木造2階建ての空き家を約115万円で解体しました。
当協会が窓口となり、複数の解体業者に相見積もりをとり、価格面でも対応面でも適切な業者を厳選し、進めました。
ちなみに、
解体費用の坪単価×物件の延床面積という計算方法によって求めます。
この坪単価は建物の構造ごとに異なっており、各単価は次のようになっています。
構造 | 解体費用 |
木造 | 約3~4万円/坪 |
鉄骨造 | 約4~6万円/坪 |
鉄筋コンクリート造 | 約5~8万円/坪 |
この表をもとに計算すると、30坪の木造2階建て住宅の場合には解体費用が90~120万円程度になります。
関連コラム
築50年戸建ての売却方法
築50年の建物を売却する際にはそれなりの工夫が必要です。
新築物件と同じような売り方では売却が難しい場合もあるので、確実に売却したい場合は以下の売却方法を用いましょう。
築50年戸建ての売却方法①古家付き土地として売却する
その名の通り、築古の家を残した状態で土地を売却します。
建物を解体する必要がないため、売却時のコストが低く抑えられます。
築50年戸建ての売却方法②更地にしてから売却する
建物を解体し、更地にしてから売却します。
買主からすれば建物を解体する必要がなくすぐ家を建てられる、という点が魅力的で、買い手が見つかりやすい売却方法です。
古家付き土地と違い、買主は家屋解体費用を予算に含めなくてすむので、売却価格も高めになる傾向になります。
一方、解体費用を売主が負担しなければならないというデメリットもあります。
築50年戸建ての売却方法③不動産買取会社に売却
不動産会社の中には、戸建てを直接買い取りしてくれる業者がいます。
一般の売却方法と比較し、売却価格が7割ほどになってしまうケースも多いですが、
業者に売る場合は内覧対応や仲介手数料の支払いがなく、楽に売却ができます。
彼らは戸建ての買い取り実績が大変多く、一般的に売却が難しい物件でも買い取ってくれるため、
売却に困った際は一度査定を依頼してみることをお勧めします。
下記からも不動産の売却査定がお試しできるので、ぜひご活用ください!
築50年戸建ての売却方法④リフォームしてから売却
物件を新築時の状態にリフォームし、売却することで、そのまま戸建てを売却するときに比べ、良い値段で売却できる場合があります。
しかし築50年の物件をリフォームするとなると、かなりのコストがかかります。
また、リフォームは自分で行いたいという買主も一定数いるため、かえって売却が困難になるケースもあります。
リフォームしようと考えている方は慎重に判断しましょう!
築50年戸建ての売却方法⑤空き家バンクを利用
空き家バンクとは空き家を探している人と買いたいあるいは住みたい人をマッチングさせるサービスです。
物件の掲載費用や広告費用などは一切かからないため、買い手を無料で見つけることができます。
自治体が運営している空き家バンクですが、全国すべてにあるわけではないため、
所有している物件があるエリアで利用できるかどうかを確認しましょう。
築50年戸建て売却時の注意点
ここでは築50年戸建てを売却する際の注意点をお伝えしていきます。
戸建てを売却できても契約途中で躓いてしまっては意味がありません。
築50年戸建て売却時の注意点①売却期間に余裕を持つ
築50年の物件は早く手放したいと思うかもしれませんが、
そう思う時こそ物件の売却期間には余裕を持たせましょう。
売却を急いでしまうと、納得する値段で物件を売却できなかったり、
たとえ売却できたとしても、物件に予期せぬ欠陥が見つかり、
契約不適合責任が発生する場合もあります。
売却後にも税金支払いなど様々なタスクがありますので、
売却期間は余裕をもって設定しましょう。
築50年戸建て売却時の注意点②物件の状態を調べておく
物件の立地や規模を把握しておき、不動産会社にそれを伝えることで、売却がスムーズに進みます。
これは築50年の戸建てに限らず、不動産の売却を試みる際にはやるべきことです。
これに加え築50年の戸建てを売却する場合は、再建築可能かどうかということを確認しましょう。
現在、建物を建築するための土地は2m以上道路に接している必要があります。
この条件は築50年の戸建てが新築であったころにはなかったものです。
条件を満たさない再建築不可物件は土地としての価値が大きく下がるので、自分の物件が再建築不可物件かどうかは必ず確認すべきです。
当協会では、再建築不可物件なのか、「古家付き土地」で売却できるのかなど無料で現地調査をしております。
提携の不動産会社スタッフ同行のもと調査させていただきますのでご安心ください。
(また、提携先だからといって、必ずそこで契約するよう迫るわけではありませんのでご安心ください・・・!)
築50年戸建て売却時の注意点③契約不適合責任に注意する
契約不適合責任とは物件の引渡し後に契約内容になかった不具合が見つかった場合、 売主が負う責任のことです。
築古の物件の場合、目に見えない部分に経年劣化等が発生している場合があり、
売却前に不具合に気づけない場合が多いです。
契約不適合責任を避けるため、売買契約書に「契約不適合責任を免責する」旨を記載しましょう。
築50年超えの戸建てを売却するためには
本コラムでご紹介したように、築50年超えの戸建てを売却するのは簡単ではありません。
- 複数社にお問合せする手間や時間を減らしたい
- 安く売却査定されることを避けたい
- 早く手放したい・高く売りたい
- 相続や残置物撤去・解体等まとめてプロに相談したい
上記のようにお考えのあなたは、東京空き家相談協会にご連絡ください。