2024年7月に放送されたネットフリックスドラマ「地面師たち」のように、不動産取引に関する詐欺や詐欺まがいの行為は後を絶ちません。
「地面師たち」のモデルとなった詐欺事件の被害者は大手不動産会社であったものの、
普通の人でも不動産に関する詐欺に巻き込まれる危険性はあります。
今回は不動産に関する詐欺行為の事例を10件紹介します。
ご自身が詐欺に巻き込まれないよう、参考にしてみてください!
代表的な不動産の詐欺
はじめに不動産業界でみられる詐欺の手口について、代表的なものを紹介していきます。
不動産の専門家でも騙されることがありますので、
「自分は騙されない」とは思わず、不動産取引をする際にはしっかりと相手の素性などを確認しましょう。
原野(げんや)商法の「二次被害」
バブル時代に投資目的で原野を買った人をターゲットにした最近の詐欺です。
原野商法とは、価値がほとんどない山林や原野を、予定されていない開発計画を謳って高値で売りつける方法です。
1970~1980年代にかけて被害が多発しました。
近年では過去に原野を売りつけた方に、更にウソの情報を流して原野を売りつけたり、整地費用や管理費を請求したりする、原野商法の二次被害が起きています。
弱みにつけこんだ最低の行為です。
原野商法の二次被害の手口には、以下の3種類があります。
- 売却勧誘下取り型
- 売却勧誘サービス提供型
- 管理費請求型
原野商法の二次被害①売却勧誘下取り型
売却勧誘下取り型では原野を安く買い取られ、別の原野を高く売りつけられます。
「次に購入する原野は既に買主が決まっていて転売益が得られる」という嘘情報を発信して新たな原野を買わされ、その後は連絡が途絶えます。
原野商法の二次被害②売却勧誘サービス型
売却勧誘サービス提供型では、原野を購入したい人がいるという嘘によって、高額な整地費用を請求されます。
先に整地費用だけ払わされ、原野の売却は行われません。
原野商法の二次被害③管理費請求型
管理費請求型では、知らない管理会社から突然管理費用を払えと言われます。
根拠なく10年分、または20年分の管理費用を請求してくる詐欺です。
「NEXT探偵調査」というサイトでは、調査をもとにした「原野商法の疑いがある会社一覧」も公開されていました。
また、国土交通省でも原野商法の二次被害トラブルの注意喚起がされています(画像クリックでページに移動)。
リースバック詐欺
リースバックとは、住みながら家を売却する資金調達方法で、
リースバック会社に売却後、リースバック会社に家賃を支払い続けることで今の家に住み続けることができます。
リースバックは詐欺ではありませんが、強引に営業をされ、契約を結ばされるケースがあるようです。
リースバックの売却価格は、通常に売却するよりも2~3割安くなると言われており、
リースバック後の年間家賃は売却価格の10%前後となるので、利用者にあまりメリットがありません。
このようなメリットのあまりない契約を強引に結ばせるリースバック会社の手法が問題になっています。
住宅ローンの不正利用
詐欺グループに騙され、強引に住宅ローンを使って投資物件を買わされるという詐欺です。
そもそも住宅ローンは自分が暮らす住宅にのみ使えるもので、不動産投資物件には利用できません。
詐欺の手口としては婚活サイトやSNS、不動産投資セミナー等で知り合った人が、
一定の信頼関係を築いた後に不動産投資の話を持ち掛けてくることが多く、20~30代の比較的若い人が騙されるケースが多いようです。
住宅ローンを利用して投資物件を購入することは銀行に対する詐欺行為であり、
騙されて投資物件を買わされた挙句に銀行から警察に通報されることもあります。
地面師
ネットフリックスにてドラマにもされた詐欺行為です。
所有者を装って不動産を売買し、代金をだまし取る詐欺師集団を「地面師」といいます。
買主は地面師を売主だと思い物件の代金を払いますが、地面師は売主本人ではないので所有権は移転しません。
地面師は本人確認書類や印鑑証明書なども偽造したり、司法書士などの専門家も地面師の一味が偽ったりと、集団で詐欺を行ないます。
2017年にも50億円規模の地面師による被害が発生していますので、
不動産の契約時には専門家を交えた取引をするなど、十分注意しましょう。
「地面師」について詳しくはこちら
手付金詐欺
不動産の手付金支払いをあまりにも強く勧められた場合は、手付金詐欺を疑いましょう。
手付金詐欺では不動産売買時の手付金を持ち逃げされ、不動産取引が行われません。
手付金詐欺を防ぐためには、相手の素性をきちんと確認することが重要です。
宅地建物取引業の免許があるか、営業実態のある会社なのかを確認しましょう。
個人の方との取引では、手付金は支払わない方が安全でしょう。
よくある不動産の詐欺まがいな手口
ここからは詐欺とまでは言い切れませんが・・・
詐欺まがいともいえるような、不動産取引における悪質な被害を紹介します。
- 不動産査定価格を高めに出す
- 細かい経費を請求してくる
- 投資用マンションの営業電話
- 借主への過剰な原状回復費用の請求
- しつこく営業してくる
詳しく解説していきます。
不動産査定価格を高めに出す
不動産査定とは中古の不動産を売却する際、売り出し価格を決めるために行う価格調査です。
基本的に、中古の不動産を売却する際は、複数の会社に査定を依頼し、
査定価格の高かった不動産会社と取引を進めることが多いです。
ただこの査定金額とはあくまで「この価格で売れるだろう」という予想の価格であり、
査定価格を出した不動産会社は責任を負う必要はありません。
そのため、売れるはずのない査定価格を提示して仲介の契約だけを取り、
実際に売却活動を始めたら売主に売り出し価格の値引きを迫って、売主に損をさせる業者が存在します。
皆さまがよく目にする、ある不動産会社でよく行われる手法です。
詐欺というわけではありませんが、売主からしたらお金を損してしまうケースですので、注意が必要です。
なるべく多くの会社に査定依頼を出し、他の会社よりもあまりに高い査定価格を提示する業者には気を付けましょう。
細かい経費を請求してくる
不動産仲介では上限が定められた仲介手数料のほか、一定の条件下では広告費用や特別な依頼業務の実費を請求することができます。
そのため、例えば頼んでいないにも関わらず広告出稿したなどの不当な経費を請求されることがあります。
このような費用の請求には売主の事前承認が必要ですので、請求された費用に承認をした覚えがないのであれば、支払う必要はありません。
投資用マンションの営業電話
収益性の非常に低い投資マンションを強引な営業電話で購入させられる、というのは若い人に良く起こる被害です。
路上でアンケートへの回答や名刺交換に応じたら、その後しつこく購入の勧誘を受けるといった被害も見られます。
このような営業電話で売られる物件は、少しでも空室が発生したら負債となるものばかりで、購入者にとって全くプラスになりません。
投資用マンションの営業電話はあまり相手にしない方が良いでしょう。
借主への過剰な原状回復費用の請
賃貸物件から退去する際には故意や過失によって破損した建物の設備などを元に戻す、
原状回復の義務が発生します。
例えば退去時に窓ガラスが割れていた場合は、窓ガラスの交換費用を原状回復費用として請求されるでしょう。
ただ、この原状回復費用を悪用し、わずかな建物内の傷や劣化に対しても原状回復費用を請求してくる業者がいます。
画鋲の穴や日焼けによる畳の変色といった些細なものも請求される場合があり、注意が必要です。
対策としては、建物の入居時にもともとあった破損などの写真を撮り、証拠として残すことが有効です。
しつこく営業してくる業者
電話や現地訪問でしつこく不動産買取などの営業をする悪徳業者も中にはいます。
手口としては、独り暮らしの老人の家に買取業者の営業担当者が2人で訪れ、
深夜まで居座られて営業するというものが多いようです。
一括査定を出したら、知らない業者からひっきりなしに電話がかかってくる、ということもあります。
夜遅くでもお構いなしに電話・訪問をしてくる常識のない業者も散見されますので、そのような業者の話は聞かない方が良いでしょう。
実際、当協会への相談者様より「数々の不動産業者から連絡がくるようになってイヤになった」とお話しいただくことも多々あります・・・。
大手不動産会社の「囲い込み」にも注意!
おまけでご紹介しますが、特に大手不動産会社によく見られる手法として「囲い込み」があります。
これは相談者様にとっては何一つメリットのない手法で、詳しくは以下でご紹介しています!
不動産トラブルを避けたい方へ
- 業者からしつこく勧誘を受けている
- 不動産詐欺が心配
- 不動産会社の罠にはまりたくない
- セカンドオピニオンをしたい
このような方は、我々にご連絡ください。
当協会は業者を無理やり紹介することはせず、不動産の一括査定時も当協会が窓口となり他の業者に査定依頼をするため、
相談者様にしつこい営業電話が行くことはありません。
また不動産業者に相談後にセカンドオピニオンで相談者様の不安が晴れたり、希望通りの価格で売却ができたケースもございます。
不動産取引で少しでも不安がある方はお気軽なお問合せをお待ちしております!