相続財産は必ず受け取らなければいけないわけではありません。
相続放棄という方法を用いて、借金などマイナスの財産を含め、すべての相続財産を放棄することができます。
一方で、相続放棄は適切に行わなければトラブルに巻き込まれることも・・・。
京都府福知山市では誤った相続放棄により、相続人に20万円以上の損害も発生しています。
今回は相続放棄の基本事項や起こりがちなトラブルについて解説します。
トラブルを避けたい方は、専門家が所属している東京空き家相談協会にご連絡ください!
相続放棄とは
相続放棄とは被相続人の権利や義務を一切相続しない制度で、
預貯金などのプラスの財産と借金などのマイナスの財産のいずれも相続しないことになります。
相続する際に被相続人の債務が資産を上回っている場合や管理も売却も難しい空き家を相続する場合など、
相続することで自身に不都合なことが起きる場合は、相続放棄を検討してみてもよいでしょう。
例えば、当協会には相続放棄に関するご相談をいただくこともあります。以下のようなご相談をいただきました。
地方にある山林や、相続人が誰も貰いたがらないボロボロの空き家を相続したくない
親が嫌いだったため相続したくないが、どのようにしたらいいのか分からない
親が借金まみれで相続できるようなものがなく、実家も売り物になるようなものではない
相続放棄手続きに必要なもの
相続放棄の手続きをする際には、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に必要書類を提出します。
次の書類を提出しなければいけませんので、忘れずに持参しましょう!
- 相続放棄の申述書
- 亡くなった人の住民票除票または戸籍附票
- 申述人の戸籍謄本
- 亡くなった人の死亡の記載のある戸籍謄本
また相続放棄は原則として相続の開始があったことを知ったときから3か月以内にしかできません。
期限を過ぎてしまわないように注意が必要です!
相続放棄でよくあるトラブル
相続財産を相続したくないときに便利な相続放棄ですが、相続放棄に関するトラブルも存在します。
ここでは相続放棄に関するトラブルを紹介します。
- 他の相続人から相続放棄を迫られる
- 黙って相続放棄をした結果、次の相続人に迷惑がかかる
- 相続放棄をしたあと、不動産を損傷した
詳しくご紹介します!
トラブル例①他の相続人から相続放棄を迫られる
自分の相続分を増やしたい、などの理由で他の相続人から相続放棄を迫られるケースがあります。
相続放棄はあくまでも個人の判断で行われるので、他人から強要されるものではありません。
あまりにしつこく迫られるようであれば弁護士に相談しましょう。
当協会では弁護士も所属しているため、無料相談が必要な方はご連絡ください。
トラブル例②黙って相続放棄をした結果、次の相続人に迷惑がかかる
相続人には以下のように順位があります。
相続順位 | 法定相続人 | 相続分の割合 |
第一順位 | 配偶者と子 | 配偶者:½ 子:½ |
第2順位 | 配偶者と父母 | 配偶者:⅔ 父母:⅓ |
第3順位 | 配偶者ときょうだい | 配偶者:¾ きょうだい:¼ |
順位が先の相続人が相続放棄した場合、相続権は後順位の方に移ります。
この決まりがあるので、相続放棄をした方は次の順位の相続人にその旨を報告する必要があります。
後順位の相続人に連絡せずに相続放棄をすると、
債権者から後順位の相続人に対して突然借金返済の請求がなされるなど迷惑がかかることもあります。
相続放棄をする場合は、必ずその旨を次の相続人に報告しましょう。
相続の優先順位について詳しくはこちら
トラブル例③相続放棄をしたあと、不動産を損傷した
相続放棄をしたからといって、相続財産に関する責任がすべてなくなった、というわけではありません。
民法では、以下のように定められています。
相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は第九百五十二条第一項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない
相続財産を現に占有していた場合、
相続放棄をしても相続財産を他の相続人に引き渡すまでは、管理責任を負わなければなりません。
まったく手入れに関わっていない空き家を相続放棄した場合には、管理責任は問われませんが、
「現に占有」という部分に関する判断はあいまいですので、相続放棄した財産を安易に放置するのはやめましょう。
詳しくはこちら
京都府福知山市で起きた相続放棄トラブル
実際に起きた相続放棄に関するトラブルとして、先日京都新聞で取り上げられたのが京都府福知山市で起きたものです。
福知山市では2021年に放置空き家に関する相談を受け、まちづくり推進課が、故人となっていた登記名義人の息子ら6人に連絡し、全員から相続放棄の書類が提出されました。
その後、すでに亡くなっていた次男に残る相続権を見落としたまま、
本来なら相続権のないおいやめい9人に22年、相続放棄をさせてしまい、
相続権のない方に手続き費用などで計28万円の損害を負わせてしまったようです。
このようにある程度の専門知識を持った方でも相続放棄でミスをすることがありますので、
相続放棄をする際はトラブルに巻き込まれないよう、細心の注意を払いましょう。
京都で始まる「空き家税」
先ほどの章で言及した京都府では、京都市において令和8年以降を目安に非居住住宅利活用促進税が導入予定です。
京都には多くの別荘やセカンドハウスがあり、空き家率の増加や新たな住宅供給の妨げとなっていました。
そこで非居住住宅の所有者を対象とした非居住住宅利活用促進税が導入されることとなりました。
税額は土地・建物の固定資産税の半額程度になる見込みのようです。
非居住住宅利活用促進税に関するパンフレット(クリックで移動)
相続不動産や相続税についてギモンがある方へ
相続税の申告や相続不動産などで少しでもお悩みがある方は私たちにご相談ください!
当協会は実家・空き家の相続・管理・活用・売却・解体・清掃・改修といった幅広いご相談をワンストップで解決できる総合相談窓口です。
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