空き家ジャーナル


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【トラブル事例をご紹介】不動産売却トラブルに注意

更新日:2023年5月31日

自宅を売却する際に利用することが多い不動産業者。

しかし、中には売主をだまして無理矢理自宅を売却させたり、適切な説明をしないまま書類にサインさせるなど違法な業者が存在するため注意が必要です。

事実、消費生活センターには全国から多数の売却トラブルに関する相談が寄せられています。特に、高齢者の相談割合が増加していて、2020年度の60歳以上の相談件数は610件にも上ります。

今回は消費生活センターに寄せられた相談からいくつかを紹介したいと思います。

 

消費生活センターに寄せられた事例①長時間の勧誘を受け、説明もなく書面も渡されないまま強引に売却契約をさせられた

一人暮らしの自宅に突然、不動産業者が2人で訪ねて来た。介護サービス業者だと思ってドアを開けてしまった。住んでいるマンションを売らないかと言われたがそんなつもりはなかった。

しかし、とにかく「売れ」と勧められ、朝 10 時から夜9時半まで居座られた。翌日も2人で訪ねてきて朝 10 時から夜7時頃まで居座られた。

「マンションを売ったら入所できる施設は探してあ げる」と言われ、自分も高齢だし、新型コロナウイルスの感染状況等で気が弱くなっていたとこ ろもあって、「売値を2~300 万円上乗せしてくれるなら」と答えたところ、2300 万円で売ること になってしまった。

何か書面に署名押印したが、何の書類か覚えていない。

「ちょっといやだ。待って」と言ったが取り合ってもらえなかった。業者から書面等を一切受け取っておらず、もらったのは会社案内のパンフレットのみだ。マンションの買い手が待っていると言われているが、契約をなかったことにしてほしい。

 

消費生活センターに寄せられた事例②自宅の売却をしたようだが覚えておらず、住むところがないため解約したい 

当方は地域包括支援センターである。

地域の一人暮らしの高齢者が、約 3500 万円で自宅を売却する契約をして、売買契約書を不動産仲介業者と交わしていたことがわかった。

本人は認知症の 症状があり、契約したことも覚えていないという。

既に購入者が決定し、手付金が口座に振り込まれているようだ。自宅を売却してしまうと住むところがないので、売買契約を解除したいと思っているようだが、どうすればよいか。 

 

消費生活センターに寄せられた事例③嘘の説明を信じて、自宅の売却と賃貸借の契約をしてしまった 

3週間前、知人宅に電話があった後で不動産業者が来訪し、その日のうちに知人が自宅マンシ ョンを約 2000 万円で売却し、家賃 18 万円でそのまま住む契約をしたという。

築 30 年以上ではあ るが、このマンションの相場はもっと高額なはずだ。

知人は、このマンションが 10 年後には取り 壊されるという虚偽の説明を信じて契約したようだ。仮に 10 年住んだとすると家賃が売却代金を 上回ってしまう。

知人はやはりキャンセルしたいと考え、1週間後に喫茶店で業者の担当者と会い、キャンセルしたいと伝えたが、できないと説得され納得し、既に手付金を受け取ってしまっている。知人は判断力が低下しているように思われる。解約できないか。

 

売主へのアドバイス

 

事例①自宅を不動産業者に売却した場合、クーリング・オフはできません。

消費者が不動産業者に自宅を売却する場合には、宅地建物取引業法に定めるクーリング・オフができず、売買契約が成立してしまうと、無条件で契約を解除することはできません。

売主が契約を解除する場合は、手付金の倍額を買主に支払う、いわゆる「手付倍返し」で解除することとなり、手付解除の期間が過ぎると、ほとんどの場合、契約条項に基づく違約金が必要となるため、 注意が必要です。

不動産に関する取引は高額な取引であることが多く、違約金の額も高くなって しまうことがあります。 

 

事例②よくわからないことや納得できないことがあったら、解決するまで契約はしない

不動産に関する取引は、必要な手続き等も多く、複雑なしくみになっていることもあります。

どのようなしくみになっていて、誰にいくらでいつ売却するのか、売却後に住宅に不具合等が生じた場合にはどうなるのか等についてよく確認しましょう。不動産業者の説明を聞いたり書類に 目を通したりしても、よくわからないことや納得できないことがあるときは、それらが解決する までは契約しないようにしましょう。 また、契約する前に、家族や友人等の信頼できる方に相談し、できるだけ一人で対応しないよ うにしましょう。

 

 事例③勧誘が迷惑だと思ったらきっぱりと断り、今後勧誘しないように伝えましょう

不動産業者から、「有利な話がある」などという勧誘の電話がかかってきても、安易に訪問を許さず、自宅を売却するつもりがない場合は、「自宅は売りません」「契約はしません」等と、売却 の意思がないことをその場できっぱりと明確に不動産業者へ伝えましょう。

消費者が勧誘を断っ たにもかかわらず、勧誘を続けることは禁止されています。今後も勧誘してほしくない場合には、 勧誘をしないよう、「もう勧誘はしないでください」「やめてください」等と明確に不動産業者へ伝えましょう。

また、迷惑な勧誘に対しては、通話録音装置や迷惑電話対策機能の付いた電話機を利用することも考えて、知らない電話番号からの電話には出ないようにしましょう。

 

思い出が詰まった大切な自宅を売却する際には、慎重に不動産業者を見極め、納得のいく金額で買い取ってもらえるよう行動していきましょう。

 

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この記事を書いた人

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一般社団法人東京空き家相談協会

小峰千波

学生時代からまちづくりに関心があり、地元をはじめとした地域活性化活動や環境経営に携わっていた。 故郷の過疎化を感じ、人が生きやすく集いやすい環境づくりがしたいと感じ、 現在は一般社団法人東京空き家相談協会の相談員として、ご相談者様に寄り添ったサポート活動をしている。 自然と動物が好きです。