空き家ジャーナル


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【空き家差し上げますってホント?】0円物件とは?その謎に迫る

更新日:2023年7月26日

昨今、「0円物件」「格安物件」の注目度が高まってきています。皆さんはご存じでしょうか?

 

参考までに東京都新宿区の一戸建ての中古物件の平均相場は9,801万円となっており、1億円に迫る額です。地方だったとしても1000万は下りません。

そんな中、なぜ0円で手に入る物件が存在しているのでしょうか?

その秘密に迫ります。

 

なぜ0円なの?

まず前提として、世の中に溢れている0円物件のほとんどが空き家に該当します。

空き家とはその名の通り誰も住んでいない物件のことを指します。

 

その前提の上で、0円で購入できる理由が以下の2点になります

 

  • 物件を維持することが経済的に困難
  • 物件のメンテナンスが面倒

 

1点ずつ説明していきます。

 

1点目ですが、空き家にも当然、住宅と同じように税金がかかってきます。

課せられる税金は主に「固定資産税」と「都市計画税」です。

 

持ち主が住んでいるならまだしも、住んでいないにも関わらず、税金がかかってくることを考えると、0円であっても買い手を探したくなる気持ちが分かると思います。

 

また、空き家のうち倒壊の恐れがあるなど危険性の高いもの、精神上あるいは景観において有害であるなど、放置することが特に適切でない状態にある空き家と定義される「特定空家」に指定されると、固定資産税がそれまでと比べて6倍にまで跳ね上がる危険があります。

まさに、空き家は持っているだけでリスクしかない物件だと言えます。

 

物件を維持することは多額のコストがかかります。

 

2点目は、物件の清掃や修繕に関してです。

 

国土交通省が平成26年度に行った空家実態調査によると、空き家所有者の自宅から空き家までの距離は、1時間以内が 67.0%と全体の約 2/3 を占めている一方で、「車・電車などで 1 時間超~3 時間以内」は 15.7%、「車・電車などで 3 時間超~日帰りが不可能」は11.0%となっています。

 

つまり、全体の約1/3は空き家までの距離が1時間以上離れていることになります。1時間以上離れていると、なかなかメンテナンスに訪れることも難しいと考えられます。仮に空き家まで3時間かかるとしたらメンテナンスの時間と往復の移動だけで1日が終わってしまいます。社会人であればなかなか、メンテナンスに行けないのが現実でしょう。このようにして結果として荒廃が加速していきます。

 

荒廃が進んでいくと、ご近所トラブルや、犯罪発生の温床になることが考えられ、そうでなくても先ほども申し上げたように、特定空家に指定され、多額の税金が課される事となってしまいます。

 

0円物件を購入するメリット

・0円で手に入る

何といっても最大のメリットはこの点でしょう。

先述したように、中古であっても1000万円は下らない物件相場の中、タダで物件を購入できることは大きなメリットといえます。

 

・補助金や助成金を利用できる可能性がある

少子高齢化や人口減少を原因として、我が国の空き家の数は年々増加傾向にあります。

平成30年住宅・土地統計調査の結果ではその数は848万9千戸に上り、野村総合研究所によれば2033年には空き家は2146万戸に達すると見込まれています。

政府はこの状況を打破すべく一定の条件を満たした空き家の改修や解体に補助金を出す動きを見せています。

 

参考に大阪市の例を記載します。

項目 補助金の限度額(1戸あたり)
性能向上改修工事 75万円
地域まちづくり改修工事 300万円
インスペクション 3万円
耐震診断 5万円
耐震改修設計 10万円
耐震改修工事 120万円

 

・住む以外の選択肢を取ることができる

0円物件を購入する目的を住むことに限定する必要はありません。

民泊、賃貸経営をするのも良いですし、物件を解体して駐車場として貸し出すのもアリです。ということは、副収入を得るビジネスとして0円物件を購入する手もアリだということです。

 

0円物件を購入するデメリット

・書類作成などの手続きが面倒

0円物件の契約は、「無償譲渡契約」、あるいは「贈与契約」の契約形式で締結されます。

 

これらの書類の作成や契約手続き、司法書士への登記申請依頼など、諸所の手続きについて自分で手配する必要があります。

 

通常は、これらの手続きについて宅建業者が仲介業務の一環として行うことがほとんどですが、無償譲渡の場合には宅建業者が手数料を受け取りにくいという理由で、関与しないことが多いです。

 

自治体によっては契約書式についていろいろなアドバイスを受けられるところもあります。

 

しかし、本格的な贈与契約書を準備するとなると、弁護士、司法書士や行政書士の手助けが必要です。

 

なお、契約書作成費用の目安は、5~10万円ほどです。

 

・住宅の瑕疵については免責となるケースが多い

無償譲渡物件は、無償で譲渡される物件であるため、譲り受けた後に住宅の不具合があったとしても前の所有者はその責任を負わないケースがほとんどです。

 

例えば、シロアリの被害がひどかったり、基礎部分が腐食していたりした場合であっても、前所有者に対して損害賠償の請求をすることなどはできません。

 

・税金がかかる

0円物件を購入することでいくつかの税金が課せられます。

その1つが贈与税です。

購入金額がタダなのだから、贈与税もないだろうと勘違いされる方が多くいらっしゃりますが、贈与税は不動産の時価をもとに決定されるので、無料であろうとなかろうと課せられるものになります。

他にも、固定資産税や不動産取得税などが課せられます。

 

0円物件はそもそもどこで手に入れる?

ここまで、0円物件の概要やメリット、デメリットについて解説してきましたが、ご理解いただけましたでしょうか?

では、0円物件の悪い部分についても把握したうえで、それでも欲しいという方はどこで0円物件を探せばいいのでしょうか?

そこで、この章では0円物件を探す際にオススメのサイトについてご紹介します。

 

・みんなの0円物件

執筆日時点では全国で743件の0円物件の登録がありました。

 

当サイトは、2019年7月にスタート。

 

「オンラインによる不動産の無償譲渡」という手段で空き家問題の解決に取り組んでいる。

 

特徴はコラムが充実している点で、質の悪い物件を掴まされないよう知っておいたほうがいい知識が満載です。

https://zero.estate/

 

・Sumai空き家

オンラインで格安の売り物件、貸し物件を紹介しているサイト。

 

賃貸も扱っているのが特徴的。

暮らしや住まいに役立つ情報を発信しています。

 

0円物件はもちろん、低価格帯の物件がたくさんあります。

 

https://akiya.sumai.biz/

 

・ジモティー

言わずと知れた名掲示板。

物件に限らずなんでも売ってます。

 

主には個人間での取引になりますが、中には不動産会社が出品している物件も存在し

その場合は仲介手数料を取られるのでご注意ください。

 

https://jmty.co.jp/

 

夢の移住生活!沖縄のおすすめの0円物件

都会の喧騒を離れて沖縄の自然の中で、ゆっくりと暮らしてみたい…

誰もが一度は考えたことのある夢なのではないでしょうか?

しかし、当たり前ですが誰もが住みたいと思っている沖縄の物件は高い!

普通のサラリーマンにはなかなか手が届かないのが現実です。

 

では、諦めるしかないのでしょうか?

答えはノーです。

先ほど紹介したサイトを利用することで夢の沖縄生活を手に入れることができます。

 

試しにジモティーで沖縄の0円物件を検索したところ記事作成の時点で2113件もヒットしました。

ぜひ、悠々自適な沖縄ライフを手に入れてください!

マイホームを持とう!関東のおすすめの0円物件

現在マンションやアパートに住んでいてもゆくゆくは一軒家に住みたい!とお考えの方も多くいらっしゃるかと思います。そんな方にも0円物件は役立ちます。

ためしに「みんなの0円物件」で関東の0円物件を検索すると、沖縄での検索結果よりも多くの物件が出てきました!

なかにはリフォームいらずでそのまま住めそうな物件も散見されました。

 

現在は在宅ワークも働き方の1つになりつつあり、働きながらでも移住しやすい世の中です。移住を検討されている方はぜひこの機会に関東の0円物件をお探しください!

 

まとめ(0円物件購入時に気を付けること)

もし一軒家で暮らしたいという夢があるならば、0円物件は一度検討するに値するでしょう。

 

無償譲渡を受けるためには一定期間住まなければならないなど条件がある場合もありますが、場所さえ許容できれば無償であることが信じられないぐらい良質の物件もあります。

 

今回のコラムでご紹介した注意点や活用方法を念頭において、先述したサイトなどを一度のぞいてみてはいかがでしょうか。

 

また、今回の記事を読んでお持ちの空き家を売却したい!解体したい!と少しでもお思いになりましたら、ぜひ当協会までお問い合わせください。

専任スタッフがあなたの要望をしっかりとお聞きし、最適な方法をご提案させていただきます。

 

参考文献

平成 26 年空家実態調査 調査結果の概要

 

何から話せばいいか分からない方でも大歓迎!

この記事を書いた人

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一般社団法人東京空き家相談協会

小峰千波

学生時代からまちづくりに関心があり、地元をはじめとした地域活性化活動や環境経営に携わっていた。 故郷の過疎化を感じ、人が生きやすく集いやすい環境づくりがしたいと感じ、 現在は一般社団法人東京空き家相談協会の相談員として、ご相談者様に寄り添ったサポート活動をしている。 自然と動物が好きです。