不動産の相続では親や親戚から土地や建物の所有権を承継するため、自分の資産がプラスとなるポジティブなものだと考える人もいるでしょう。
しかし実際は相続しても売却も活用もできないような「負動産」を相続することとなり、結果的に空き家となって放置されてしまうケースが多発しています。
今回のコラムでは空き家の中でもマンションの放置に焦点を当て、解説していきたいと思います。
進むマンションのスラム化
現在、相続をしたものの売却先が見つからない、自分で活用する予定がないマンションは放置されるケースが発生しています。
特に地方にあるマンションの場合、相続人が都心部に住んでいるために相続されたマンションを使うことがなく、放置されてしまうことが多いです。
近年では少子高齢化に加え、都心部への人口の集中化が起きており、地方のマンションの放置が進み、マンションがスラム化するという現象も起きています。
高度経済成長期の頃、住宅需要の急激な増加に対応すべく、大都市圏の郊外には多くの「ニュータウン」が作られました。
しかし現在のニュータウンは多くのマンションが相続後に空き家と化しており、外壁や柵が破損したままになっている、
水道などのインフラ設備が故障している、といった形でマンションのスラム化が起きています。
東京都でさえ2018年時点での空き家率は10.6%、約81万戸の空き家が存在します。
今後は「団塊の世代」が後期高齢者となるということもあり、
東京都でもマンションのスラム化が発生することは十分考えられます。
売れないマンションは「負動産」になる
空き家となったマンションでも、特に地方にあるマンションは「負動産」となる可能性が高いです。
「負動産」とは売却や活用などで利益を生むことが難しく、固定資産税や維持費などの固定費だけが毎年発生する、負の不動産を指します。
地方のマンションは都心部へのアクセスが悪い場合が多く、その需要は決して高くありません。
さらに相続したものであれば築年数が古い場合が多く、中には旧耐震基準で建てられたものもあるでしょう。
このような物件は売却も活用もしにくく、負動産として放置されがちです。
放置されたマンションでは、そこで暮らしていた住民が亡くなった後、管理費や修繕積立金の負担発生を避け、相続人が名乗り出ないケースが発生することがあります。
それにより管理費の滞納が重なれば、そのうち管理会社も撤退してしまい、
環境がどんどん悪化して資産価値が激減するでしょう。
しかも負動産となったマンションは通常の戸建ての空き家に比べ、処分が難しいと言えます。
通常の空き家でしたら解体して土地として売却したり、建て替えをして新築にする、といった方法をとることができます。
このような方法をマンションで行う場合、住民の5分の4以上の賛成を得る必要があり、戸建てに比べて工事費もかかります。
以上の理由もあり、空き家となったマンションは放置され、スラム化してしまうのです。
マンションを「負動産」にしないためには
マンションを「負動産」にしないためには、まずは「マンションは永住資産には不向き」ということを知るべきでしょう。
自分が管理費を支払っていても周りの住民が払っていなければ最終的にマンションはスラム化します。
将来的に売れなくなる、スラム化するということを想定し、
賃貸マンションに住む、購入するなら早めに売却するといった取り組みをおすすめします。
売却・活用が見込めないマンションを相続予定の場合は相続放棄も検討しましょう。
相続放棄は相続開始から3か月以内であれば使える制度で、相続財産を全て放棄(相続をしないということ)することができます。
しかし相続放棄をすると不動産はおろかその他一切の財産を相続できなくなります。
相続放棄をする際は他の相続財産の資産価値をチェックしたうえで決断すべきでしょう。
ニーズはゼロでは無い地方築古マンション!
地方にある空き家やマンションは確かに解体や売却のハードルが高いですが、ニーズがゼロというわけではありません。
適切な形で、適切な買い手に売ることができれば、思わぬ売却益を得ることもできます。
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