2023年に行われていた住宅・土地統計調査の結果が今年の4月末に公表され、
日本全国には現在899万5200戸の空き家が存在し、空き家率は13.8%であることがわかりました(速報値)。
総務省で発表された速報値はこちら(クリックで報道資料へ移動)
その中でも破損や腐朽のある空き家は全国で158万5900戸あることが同調査にて判明しました。
このような破損や腐朽のある空き家は災害時に倒壊の危険があるものとして、早急な対応が求められますが、
隣人トラブルを起こしやすいという点でも無視できないデメリットです。
今回は空き家の中でも「管理不全空き家」が引き起こすご近所トラブルについて、日本経済新聞の取材記事をもとに解説していきます。
東京空き家相談協会では、放置期間のある空き家の売却や買取、管理や活用など幅広いお困りごとを解決までサポートできます。
もし実家の周辺に空き家が集中している…など、近隣のタレコミがある場合も、お気軽にご連絡ください。
管理不全空き家とは
管理不全空き家とは、一言で述べると、「管理が充分に行き届いていない空き家」のことを指し、各自治体が空き家に対して指定できるものです。
放置されている空き家に対して近隣住民からクレームが入ったり、現地調査によって管理不全空き家の条件を満たすと判定された場合、
その空き家は管理不全空き家として指定されます。
管理不全空き家に指定された場合、その所有者は固定資産税の「住宅用地特例」を受けられなくなったり、
改善措置の命令を自治体から下されることになります。
この命令を無視すると、自治体による「行政代執行」にて空き家の解体が強制的に行われ、解体費を後で請求されることもあります。
行政代執行により解体された場合に請求される費用
以下コラムで、実際に各自治体で行政代執行にかかった費用をご紹介していますのでご一読ください。
実家・空き家は、ラクな道を選ぼうとして、放置することによる経済的・社会的弊害がとても大きな問題です。
「心配を残したくないけど、何をしたらいいか分からない…」と少しでもお考えになった方は全力で無料相談サポートをさせていただきますので、ご連絡ください!
行政代執行による措置は、もともと管理不全空き家以上に管理が不十分である場合に指令される、「特定空き家」に対し、されるものでした。
しかし2023年12月に空き家対策特別措置法(空家法)が改正され、管理不全空き家も措置の対象となったのです。
国のガイドラインを確認すると、特定空き家は「屋根ふき材なら飛散する恐れがある著しい破損」を例示していますが、
管理不全空き家は破損だけで該当する可能性もあり、空き家に対する取り締まりは強まったといえるでしょう。
税金面など、改正内容は以下で解説しています。
管理不全空き家をめぐる近隣トラブル
放置空き家が減る可能性が高いため、
管理不全空き家に対する取り締まりの強化は空き家対策としては効果的なものだといえるでしょう。
実際に、当協会に届くご相談も「管理不全空き家と判断されると罰則があると聞いたので不安になった」と話される方も増えました。
しかし、この取り締まりに対して、空き家所有者には「空き家の取り締まり強化」とは別の不安があるようです。
具体的には、管理不全空き家の制度が導入されたことで、空き家はこれまで以上に悪というイメージがつき、早期に問題視されるようになりました。
日経新聞では所有している空き家をめぐって隣人とトラブルに巻き込まれた方の事例が複数紹介されています。
空き家の近隣トラブル例「1回要請に応じたことで苦情が次々と…」
東京都内にある空き家を親から相続した40代男性会社員。
隣人から「空き家の庭木が伸びて近隣の電線に接触している」と連絡があり、あわてて専門業者に約20万円を支払い、枝を切りました。
しかしこれを機に、苦情を訴える書面が次々と届くようになったのです。
- 蜂が巣をつくると困るからツタも処理して
- 2階の眺望が悪くなるので、この木も切って
取材の中でこの男性は「1回要請に応じたら苦情が相次ぐようになった」と肩を落としています。
他にも関東地方の空き家管理業者には「隣が空き家だから、うちにシロアリが出たと詰め寄られた」という理不尽なクレームが近隣から寄せられ、
「無関係とは断言できないが、苦情を訴えた人の家も古く、責任転嫁に聞こえた」
と空き家改善を要望する側の冷静な対応を訴えていました。
空き家に対する取り締まりが強化されたことで、空き家=悪と考える風潮が強まりつつありますが、
だからといって空き家所有者に対する過度なクレームや要望は許されるものではありません。
以下のように、管理不全空き家のガイドラインが国で定められていますので、まずは近隣の方も含めて確認することをおすすめします。
この時点で、少しでもお持ちの実家や空き家が心配になった方は、お早めのご連絡をお待ちしております。
管理不全空き家を見極める判断材料とは
管理不全空き家は近隣住民のクレームだけで見極められるものではありませんが、
管理不全空き家を見極める判断材料はあるのでしょうか?
日経新聞では管理不全空き家の判断材料になりうるとして、次の2点が紹介されていました。
- 改善要望に対する所有者の対応
- 相続登記の有無
次項では詳しく解説します!
管理不全空き家を見極める材料①改善要望に対する所有者の対応
NPO法人空家・空地管理センターの上田真一代表理事によると、管理不全空き家の取り締まり目的は、
所有者に適切な空き家の管理を促すことです。
そのため、近所や自治体の要請に対処する姿勢を見せたり、対応できない理由を説明したりすれば、
すぐに管理不全と判断されることはないようです。
苦情に対してまずは迅速な対応をする姿勢を示していくことが所有者に求められます。
管理不全空き家を見極める材料②相続登記の有無
2024年の4月から、空き家の所有者が不明となり、管理が行き届かなくなるのを避けることなどを目的とし、相続不動産の登記が義務化されました。
相続を知った日から3年以内に正当な理由なく登記をしない場合は10万円以下の過料の対象となります。
先述の上田代表理事は「登記義務化を空き家などへの対応を決める目安だと考えるべき」という意見を述べています。
以下コラムは必読です。
どのような内容が義務化されたのかご紹介しています。
管理不全か判定が難しい方は無料現地調査をご依頼ください
管理不全空き家の判定は、難しいからこそ第三者から急に苦情が入る、ということは十分にあり得ますし、そのような方を何人も目にしました。
もし仮にその苦情がきっかけで管理不全空き家の指定を受けると、
税金の負担が重くなったり、改善措置を命じられるリスクがあります。
近隣トラブルやクレームが起きる前に管理代行や売却を含めた利活用を検討しましょう。
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