空き家ジャーナル


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特別控除は何がオトク?相続空き家売却にかかる税金

更新日:2024年10月9日

 

相続した実家・空き家などの不動産。

売却するだけで一定額のお金を得ることが可能に思えますが、実際には様々な種類の税金が発生します。

 

今回は、節税できる特例を知らないまま損しないよう、以下をご紹介します!

 

  • 相続不動産を売却した場合にかかる税金
  • 節税できる特別控除

 

税金の控除がいくらか確認する

 

相続した実家売却にかかる税金
いくら費用がかかるか解説

 

相続した実家を売却した場合、次の税金が発生します。

 

  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 消費税
  • 譲渡所得税

 

それぞれ具体的に解説していきます。

 

不動産売却にかかる税金①印紙税

不動産の売買契約書等の課税文書には収入印紙を貼り付け、消印をして納税する必要があります。

これを印紙税といい、文書に記載のある金額に応じて収入印紙を購入しなければなりません。

 

記載金額ごとにかかる印紙代は決まっており、具体的には以下のようになっています。

 

契約書に記載する売買金額 貼付する印紙税
1万円未満 非課税
1万円以上50万円以下 200円
50万円超100万円以下 500円
100万円超500万円以下 1,000円
500万円超1,000万円以下 5,000円
1,000万円超5,000万円以下 10,000円
5,000万円超1億円以下 30,000円
1億円超5億円以下 60,000円
5億円超10億円以下 160,000円
金額の記載のないもの 200円

参考:国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」

 

不動産売却にかかる税金②登録免許税

相続した実家に住宅ローンが残っていた場合、売却前に抵当権の抹消をする必要があります。

 

抵当権は登記簿謄本にその内容が記載されており、売却時には登記簿謄本から抵当権の記載の抹消を行います。

 

この抵当権抹消に登録免許税がかかり、不動産の戸数あたり1,000円の税金が発生します。

 

なお、不動産が1つずつの土地と建物で構成されている場合は不動産が2個となり、登録免許税は2,000円となる点に注意です。

 

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不動産売却にかかる税金③消費税

住宅の売却には仲介手数料等の費用が発生しますが、この費用には消費税が発生します。

 

ただし個人の自宅は非事業用不動産とされているので、消費税は発生しません

 

不動産売却にかかる税金④譲渡所得税

不動産の売却益が取得費用を上回る場合、その差額の金額を譲渡所得と言い、

譲渡所得に課せられる税金を譲渡所得税と言います。

 

譲渡所得税の税率は譲渡する不動産を何年所有していたかによって変わり、具体的には次の表のようになります。

 

所得の種類 所得税率 住民税率
短期譲渡所得

(所有期間5年以下)

30% 9%
長期譲渡所得

(所有期間5年超)

15% 5%

 

どれだけ税金を控除できるか確認する

 

譲渡所得税にかかわる特例

相続した実家などの不動産を売却する際に発生する税金の中で、譲渡所得税は唯一節税方法があります

 

譲渡所得税の節税は正しく行えば、課税金額を0円にすることも可能です!

 

ここでは相続した実家を売却した際に使用できる可能性がある特例を紹介させていただきます。

 

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居住用財産の3,000万円特別控除

居住用財産と呼ばれる自宅(マイホーム)を売却すると、3,000万円特別控除と呼ばれる特例を利用できます。

 

この特例を使うと、譲渡所得を3,000万円マイナスすることができ、

例えば特例適用前の譲渡所得が2,000万円であったなら、特例適用によって譲渡所得を0円扱いにできます

 

当然ですが譲渡所得が0円なら、譲渡所得税も0円です。

 

つまりこの特例は3000万円までの譲渡所得を非課税にする効果があるのです。

 

ただ、この特例を使うには次の条件を満たす必要があるので注意が必要です。

 

  • 現に居住している家屋の譲渡であること
  • 転居してから3年後の12月31日までに居住していた家屋を譲渡すること
  • 災害などにより家屋が滅失した時は、災害の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、敷地だけ譲渡すること
  • 転居後に家屋を取り壊した場合には、転居してから3年後の12月31日までか、取り壊し後1年以内のいずれか早い日までに譲渡すること

 

 

所有期間10年超の居住用財産の軽減税率特例

所有期間10年超の居住用財産を売却する場合、譲渡所得にかかる譲渡所得税率を軽減できる場合があります。

 

軽減税率は譲渡所得の金額によって異なり、以下のようになります。

 

譲渡所得※ 所得税 住民税
6,000万円以下の部分 10% 4%
6,000万円超の部分 15% 5%

※譲渡所得は、3,000万円の特別控除の適用後の譲渡所得が対象です。

 

先述の譲渡所得税率と比べると、かなり税率が下がったことがわかります。

この特例は居住用財産の3,000万円特別控除と併用できますので、かなりの節税効果を期待できるでしょう。

 

相続した空き家の3,000万円特別控除

相続した実家であれば、相続した空き家の3,000万円特別控除が利用できる場合があります。

 

居住用財産の3,000万円特別控除と同じく、譲渡所得が最大3000万円控除できるので、適用できれば大きな節税となります

 

しかし特例適用の条件がやや厳しく、特例の適用には多くの条件をクリアする必要があります。

 

具体的には主に以下のような条件があります。

  • 相続で取得した実家を2016年年4月1日~2023年12月31日までに売却

  • 実家は1981年5月31日以前に建築された

  • 区分所有建物登記がされている建物でない

  • 相続の開始直前に被相続人以外に居住をしていた人がいない

 

他にも細かい条件があり、確認が面倒なのですが、

国税庁ではこれらの条件を確認できるチェックシートが公表されています!

チェックシートはこちら(クリックで国税庁資料へ移動)

 

 

注意!相続した実家の相続税について

注意点を解説

 

実家の売却に関するものではありませんが相続税にも注意が必要です。

 

なぜなら相続した実家を空き家のままにしておくと、相続税が高くなってしまうからです。

 

例えば法定相続人数が3人だと、4,800万円までが基礎控除額となり(=3,000万円+600万円×4)、

それを超える分には相続税がかかります

 

課税額は相続した遺産総額が大きいほど高くなるので、

相続が発生する前に、賃貸に出して活用するなど、放置せずに活用することをおすすめします。

 

東京空き家相談協会では、相続や税金の相談だけでなく、不動産の活用・売却・買取・清掃・改修・管理といった幅広いお困りごとに対して、

専門家と協力することにより窓口ひとつで解決までサポートできます!

 

ぜひご連絡お待ちしております。

 

何から話せばいいか分からない方でも大歓迎!

この記事を書いた人

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一般社団法人東京空き家相談協会

小峰千波

当協会の「空き家ジャーナル」は各専門家が監修しております。学生時代からまちづくりに関心があり、地元をはじめとした地域活性化活動や環境経営に携わっていた。 故郷の過疎化を感じ、人が生きやすく集いやすい環境づくりがしたいと感じ、 現在は一般社団法人東京空き家相談協会の相談員として、ご相談者様に寄り添ったサポート活動をしている。 自然と動物が好きです。