東京都では空き家数の増加が問題になっています。
その中でも八王子市は人口が減少しているものの、世帯数が増えており将来的に空き家が増加するリスクが考えられています。
そこで八王子市では空き家の実態調査を行い、空き家対策を進めています。
今回は、八王子市が独自に行なった空き家の実態調査から、最新(令和3年度)の結果をもとに以下をご紹介していきます。
- 八王子市の空き家の実態
- 八王子市の空き家対策
- 専門家による空き家問題の支援の重要性
なお、令和5年度(2023年度)にも調査を行なっており、調査結果はまだ公表されていません。
どのようなアンケートが届くか見てみる(クリックで八王子市HPへ移動)
八王子市の空き家実態調査の概要
まず、八王子市では、「空家等対策の推進に関する特別措置法及び八王子市空き家等対策計画」に基づき、
空き家が存在し、今後さらに空き家の増加が懸念される市内の戸建住宅団地において、
現地調査や空き家所有者および居住所アンケートにより調査を行なっています。
調査の目的や調査対象は以下のようになっています。
八王子市の空き家実態調査の概要①調査の目的
八王子市の資料には以下のように記されています。
これらの調査結果をもとに、空き家となった原因、解消への課題と居住者が自宅について抱える課題を合わ
せて分析することで、管理不全な空き家への対策だけでなく、居住者に対しても、居住中に対応すべき効果的な
空き家予防策の提示など、より効果的な支援策を実施するための基礎資料を作成することを目的とする。
八王子市の空き家実態調査の概要②調査対象及び区域
戸建住宅(併用住宅含む)、調査区域を市内住宅団地(6エリア・計5,426棟)となっております。
八王子市の空き家実態調査の概要③調査期間
令和3年9月~10月: 現地空き家調査
令和3年12月~令和4年1月 : 所有者アンケート調査
令和3年12月~令和4年1月 : 居住者アンケート調査
八王子市の空き家は35,170戸?364棟?どっち?
平成30年に八王子市で独自に行われた「空き家実態調査」によると、週末や休暇などにたまに使用している物件や、
理由なく使っていない物件を含めると、736件の空き家が確認されていました。
最新の令和3年実態調査では、「空き家候補」を451棟とし、
最終的に、所有者へのアンケート調査により364棟が空き家と判断されました。
平成30年と比べると減少傾向ですね。
空き家候補(451棟)の所有者への所有者アンケート調査を実施し、242棟(回収率:53.7%)の回答があり、
その結果、空き家が155棟、空き家でないものが87棟となった。
よって、空き家候補451棟のうち、所有者アンケートにより空き家となった155棟にアンケートが未回収の
もの209棟を含め、364棟(空き家率:6.8%)を空き家とした。(八王子市の資料より引用)
上記の内容はこちらから確認(クリックで八王子市調査資料へ移動)
しかし、八王子市の空き家数を調べていると、「住宅・土地統計調査では八王子市の空き家数は35,170戸」と記載されており、
どちらがホント・・・?と混乱される方もいらっしゃるかもしれません。
どちらがウソ、というわけではありません!
これは空き家の考え方や数え方の違いで、どちらも参考にすべき数値なのです。
空き家数が違う!①住宅・土地統計調査の考え方
まず、「住宅・土地統計調査」とは、直前に行なわれた国税調査のため設定された調査区のうち、
総務大臣が指定する調査区で調査が実施されています※1。
調査区は市町村の人口規模別に調査区抽出率が設定されています。
例えば、人口10万人以上20万人未満の市区の場合、1/5ないし1/10の抽出率となっております※2。
平成30年の住宅・土地統計調査では、全国で22万調査区が抽出されているとのことです。
このように、人口規模に応じて設定された数の調査区が抽出され、その調査区で実施された調査結果に、
設定された比率を乗じて全体の数を推計したものであるため誤差もあり、結果の数値も100の位までの数値しか示されていません。
空き家数が違う!②自治体の空き家実態調査の考え方
自治体の空き家実態調査の場合は、市民や町会、自治会の協力を協力を得て把握した「空き家と思われる住宅」について、自治体が登記情報から所有者を特定後、アンケートを送付して調査されています。
それから、そもそも国と市区町村で空き家の数え方に相違があるのです。
国は「戸」、市区町村は「棟」で数えるため、例えば共同住宅で3部屋中2部屋空室だった場合、国の場合は空き家数を「2戸」とカウントし、市区町村では全ての部屋が空室の空き家ではないため「0棟」というカウントになるのです。
以下は私が作成したイメージイラストです。
そのような背景もあり、国や自治体の発表資料によって空き家数が違っていたのです。
算出方法は違うものの、どちらも所有者または関係者への確認を経て数値が出されておりますので、信ぴょう性のある情報なことには変わりありません!
八王子市の空き家をくわしく解説!
続いては、八王子市の発表資料をもとに空き家データをご紹介していきます。
八王子市の空き家データ①空き家になってから●年の家が多い!
八王子市では、空き家になってからの年数は5年以上が45.1%で、10年以上も23.2%となっており長期化している空き家が見られる一方で、5年未満は51.0%となっておりました。
八王子市の空き家データ②空き家所有者及び居住者の高齢化が進んでいる!
空き家所有者及び居住者(建物所有者)ともに、約65%が65歳以上の高齢者であり、約40%以上が75歳以上であることが判明しました。
今後、管理不全空き家への対策や空き家予防策を進める場合、高齢者(特に後期高齢者)を中心としたアプローチが効果的と考えられます。
八王子市の空き家データ③所有者は空き家を●●したい!
空き家所有者の約半数(46.5%)が「売却したい」と考えているものの、実際に行動を起こしていないか、売却するために業者に依頼しているものの買い手がつかない等で空き家のままになっているとのことです。
また、空き家をどうするか「現状は未定」という割合も25.8%となっています。
所有者が空き家のままであることに問題をあまり問題を感じていないことによって、今後の利活用が未定のまま放置されている可能性が高いと思われます。
八王子市の空き家データ④空き家所有者が後悔していることは?
「家財の処分方法や費用などの確認」について、居住者は「する予定がない」が37.5%、「いずれする予定」が58.0%となっておりますが、
空き家所有者の場合「しておけば良かった」が46.0%で、最も後悔していることとなっています。
また、「空き家で困っていること」に「仏壇や家財などの整理・処分ができない」という回答した方が最も多く、その回答者の51.5%が空き家年数が5年以上と長期化している方が約半数(47.0%)を占めています。
仏壇や家財をどうしようか迷っているうちに実家の所有者である親が亡くなり、そのまま対処に困り空き家のまま放置・・・というケースは当協会にも多くご相談いただきます。
東京空き家相談協会では、実家・空き家の相続や片付け、ハウスクリーニングや利活用、売却まで総合的に無料相談サポートしておりますので、空き家の長期化が進み、トラブルや罰金が発生する前にお声がけください。
八王子市の空き家データ⑤居住者が意識的に実行していることは?
居住者は「建物の定期的なメンテナンス・リフォーム」を「すでにしている」が43.7%、「いずれする予定」が36.6%と、約8割が高い必要性を感じていると分かりました。
また、必要性を感じている居住者のうち、半数以上が実際に行なっているとのことです。
空き家の発生予防に必要なこと
空き家の発生予防に必要なこととして、家財整理など、被相続人(現建物所有者)しかできないことへの支援を強めることが効果的であると考えられています。
と同時に、住宅所有者の約3割を占める高齢者以外の層にも民間団体、企業、自治体が広く啓発を始めていくことも大切です。
”実家・空き家の今後”について少しでも考えた方はご連絡ください。
ここまでご紹介したデータからも、空き家の問題に関心がある人の中でも具体的な行動を起こす割合は年齢が上がるにつれて高くなると考えられています。
当協会の相談者様より「親も自分ももっと体が動くうちに実家売却を考えていれば、自分たちで片付けができたのに・・・」と悔やむ声を耳にすることも多くあります。
思い入れがある だけでなく、極力自分たちで片付けを行なうことで、片付け業者へ依頼する費用も抑えられるためです。
あの時に空き家を売れば、不動産会社からも断られなかったかも。
空き家の管理が難しければ、草刈りからでも誰かに依頼すべきだったかも。
親が存命中のうちに相続していれば、高い費用がかからなかったかも。
相談先をお探しの方も、実家・空き家について考え始めた方も、ぜひ私たちにご相談ください。
東京都八王子市の相続・実家・空き家でお困りなら
当協会は、税理士、司法書士、弁護士といった相続・税金に関する専門家が在籍しているだけでなく、
- 住宅の片付けやクリーニング
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