現在、東京都では空き家の増加・活用が課題として挙げられていて、
2023年12月には改正空き家対策特別措置法が改正施行されるなど、自治体による空き家対策が進んでいます。
その一方で空き家活用にはコストがかかるなどの課題が多く、
空き家のリフォームに対する支援事業も進められています。
今回はそんな空き家の対策が急がれる中、
2023年11月17日に東京都主催で開催された、「東京都空き家活用シンポジウム2023」について解説していきます!
空き家活用シンポジウム開催!~開催の経緯と流れ~
2023年11月17日に東京都住宅政策本部の主催で、「東京都空き家活用シンポジウム2023」が開催され、約110名の参加者が集まりました。
東京都が空き家をテーマにシンポジウムを開催するのは今回が初めてだそうです。
現在、改正空き家対策特別措置法が改正施行されるなど、
空き家対策が進められていますが、空き家活用は東京都のみで行えるものではなく、リフォーム会社や不動産会社との連携が不可欠であり、地域性に合わせた活用が必要であると言われています。
まず2015年に空き家対策特別措置法がはじめて施行され、
その後2019~21年に「エリアリノベーション推進支援事業」で荒川区・墨田区・台東区など、特定のエリアで最大5年間にわたる空き家活用の長期支援が実施されました。
2020年には「民間空き家対策東京モデル支援事業」が始まり、
民間企業を支援する流れができました。
2023年3月に「東京における空き家施策実施方針」、
次いで5月に政策課題解決型空き家活用支援事業」及び「地域課題解決型空き家活用支援事業」が始まり、現在に至ります。
今回のシンポジウムでは空き家活用の取り組み紹介として3社の代表が登壇し、講演を行いました。
東京都の取組紹介①株式会社ジェクトワン
最初の取り組み紹介として、「普及啓発・相談事業から空き家活用へ」をテーマに、株式会社ジェクトワンの白崎達也氏が登壇しました。
ジェクトワンでは、空き家の所有者が費用負担なしで空き家を活用できる「アキサポ」を展開しています。
空き家を顧客のニーズに合った形で改修し、賃料を得るなどの形で空き家の所有者に利益を還元する仕組みです。
過去には空き家を改修して「シェアキッチン」やパーソナルトレーナーが常駐する「筋トレシェアハウス」を建設するなど、
面白い活用を行っています。
ジェクトワンの取り組みは2020年に「民間空き家対策東京モデル支援事業」として選定されています。
東京都の取組紹介②株式会社スピーク
次に「地域コミュニティと連携した空き家活用事業」をテーマに株式会社スピークの千葉敬介氏が登壇しました。
同社は「東京R不動産」をはじめ、リノベーション済み物件の仲介事業を行っています。
空き部屋の多い団地の再生事業や、都の補助金を活用したシャッター通りを再生する活動等も行ってきました。
株式会社スピークは「地域課題解決型空き家活用支援事業」の選定を受けた事業者でもあります。
東京都の取組紹介③岡庭建設株式会社
最後に、「空き家対策としての既存住宅流通促進の取組」をテーマとして岡庭建設株式会社池田浩和氏による登壇が行われました。
同社は住宅建築以外にも空き家のリフォーム、売買、賃貸を手掛ける工務店で、西東京市で「ウエスト東京空き家ラボ」という取り組みも行っています。
「ウエスト東京空き家ラボ」は地域の市民連携体、宅建業者や建設業者の専門家によって結成された団体で、空き家の流通促進や地域の課題解決に取り組んでいます。
空き家活用の課題と解決策
3社の登壇後、都の担当者を交えたパネルディスカッションが行われました。
その際、空き家の活用の課題として、やはりコストの大きさが挙げられています。
ジェクトワンの白崎氏も、同社の偉業が東京都のモデル事業として補助金を得られたことで空き家の活用事業ができた、と述べていました。
空き家活用を積極的に行っている会社でも自社の資金だけで空き家の活用事業を行うのは厳しかったとのことです。
またパネルディスカッションでは都の担当者から、改めて東京都の「空き家活用支援事業」の説明がありました。
この制度では、一事業者あたり空き家の改修費250万を上限として補助率3分の2まで補助され、耐震改修が必要であればさらに200万円まで加算されるようです。
最後に
現在東京都は空き家活用のための取り組みや支援事業に力を入れており、今後ますます多くの企業と協力して、空き家の活用・流通が強化されるでしょう。
東京空き家相談協会でも、先述した会社のように空き家活用から売却や買取まで様々な解決策のサポートを行っており、更に積極的に空き家活用の取り組みを強化したいと考えています!
我々東京空き家相談協会は、東京都を中心に活躍する空き家活用に力を入れる団体として、まずは相談体制から強化します!相続・空き家の総合相談窓口として、より一層相談・サポート体制を強化していきます。
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