空き家の活用には具体的にどんな方法があるのでしょうか?
最も一般的で想像がつきやすい方法は以下2つですが、
- 空き家をリノベーションして再販
- 空き家を解体して更地を活用
これらの方法はコストが高いうえ、場所によっては買い手が見つかりにくいという課題があります。
そのため、空き家を活用する際はより柔軟に活用する仕組みを検討する必要があるでしょう。
今回はその一例として、江戸川区の空き家を再活用してできたシェアハウスである、「フローラ西一之江」について解説していきます。
私たちは空き家の再活用についても相談サポートを行なっております!お気軽にお声がけください。
フローラ西一之江とは?
フローラ西一之江は令和3年4月に施行された、江戸川区空き家活用マッチング事業によって活用がされた、
単身の女性高齢者専用シェアハウスです。
このシェアハウスは、「一般社団法人 生涯現役ハウス」によって設立されました。
この事業が始まった背景として、
・都心部の空き家は権利関係が複雑で、価格も高いため流通しにくい
・高齢者は就業が難しく、単独での賃貸契約もしにくい
というものがあり、「高齢者の住まいと仕事の問題」と「地域の空き家問題」を同時に解決できる取り組みとして、このフローラ西一之江が生まれたという経緯があります。
このシェアハウスは単なるサ-ビス付き高齢者住宅とは異なり、
「高齢者が生涯元気に仕事をしながら暮らせる住宅」を目指しています。
また、近年増えている「孤独死」と「暮らしの難しさ」という問題を抱える高齢者だからこそ、お互いに助け合えるシェアハウスを設立したそうです。
フローラ西一之江の強み
フローラ西一之江は江戸川区の空き家対策事業の成功例として、真っ先に挙げられる事例の一つなのですが、このシェアハウスの強みはほかの地域で空き家活用を行う際にも、ぜひとも生かすべきものです。
次項からはほかの空き家活用においても取り入れるべき、フローラ西一之江の強みを説明していきます。
フローラ西一之江の強み①入居者への手厚い支援
フローラ西一之江は国土交通省の「セーフティネット住宅」に登録されている物件です。
セーフティネット住宅とは、住宅確保要配慮者(居住に課題を抱える人、高齢者や低所得者など)の居住を機能としている物件を指します。
専用住宅とすることで改修費の援助や入居者負担の軽減などの支援を受けることができるのです。
今回のシェアハウスでは2階部分を居住用の個室とし、1階を共用部と多目的スペースとしており、
生活に必要な家具が一通りそろっており、在宅ワークなどを行えるスペースもあります。
また、問題や相談があるときには逐一「生涯現役ハウス」にLINEで連絡できるなど、
入居者への支援がとても手厚くなされています。
フローラ西一之江の強み②空き家活用をしやすい仕組みづくり
空き家の所有者にとっては空き家活用をする際に
- 空き家の改修にかかるコスト
- 空き家を活用しても利益が必ず得られるわけではないというリスク
がハードルとして立ちふさがっており、空き家の活用になかなか踏み切れないという課題が常にあります。
しかし今回のシェアハウスでは家主と「生涯現役ハウス」でマスターリース契約※が結ばれており、
家主が定期的に利益を得られる仕組みにしているため、空き家の活用をしやすくなっています。
マスターリース契約とは?
不動産会社が家主から物件を一括で借り上げ、その後不動産会社が入居者に物件を転貸する仕組みです。
入居者が支払う賃料は不動産会社に支払われ、そこから所定の手数料を引いた後、家主に家賃が渡されます。
この契約の中でも、家賃保証付きの契約の場合、
家主は一定量の家賃を保証されるので、入居者が不在でも一定額の収入を得られます。
少しでも家の活用をご検討中の方は
今回紹介したフローラ西一之江のケースは江戸川区に限らず、多くの地域においてモデルケースとなりうる取り組みです。
このような仕組みの空き家活用が増えれば、より多くの人が空き家活用を進めるでしょう。
本コラムを執筆した東京空き家相談協会でも、空き家対策を目的とし、空き家活用の相談サポートを行なっています。
- 改修にいくらかかるのか知りたいから相見積もりしてほしい
- どのような活用方法が合うか知りたい
- 解体後の土地活用や建て替えを考えている
- まずは相続手続きからスタートしたい
- そもそも活用するかも方向性を決めていない
上記のように幅広いご状況に合わせて、担当相談員による無料相談サポートを行なっております。
”まずはプロに現地調査してほしい”という方も、お気軽にお声がけください。