世田谷区では東京都内でも住宅が多い地域として知られており、
そういった背景から空き家対策に力を入れられている地域です。
空き家は放置してしまうと近隣住民に迷惑をかける問題の多い物件ですが、
上手に活用できると所有者や地域に新たな価値をもたらす可能性がある資源となります。
世田谷区では空き家を地域資源ととらえ、空き家の地域貢献活用を目的として相談窓口を開設しました。
この相談窓口を世田谷トラストまちづくりが担っており、空き家を保有するオーナーと空き家を利用したい団体をマッチングさせる取り組みを行っています。
今回は世田谷トラストまちづくりの取り組みを紹介していきます。
世田谷トラストまちづくりとは
世田谷トラストまちづくりは、平成18年4月1日に設立された一般財団法人です。
財団法人せたがやトラスト協会と財団法人世田谷区都市整備公社それぞれが有していたみどりや住まい等のまちづくりの専門性を統合し、
今まで蓄積された活動や住民ネットワークを発展させ、区民主体による良好な環境の形成及び参加・連携・協働のまちづくりを推進し、支援するために設立しました。
美しく潤いのある街並みとみどり等の資産を次世代に継承し、
区民主体や区民参加による取組みを柔軟かつ横断的に推進・支援し、
環境共生や地域共生の理念に基づくまちづくりを進めています。
具体的には次の3つの柱を軸にして活動しています。
・自然環境や歴史的・文化的環境を保全した美しい風景のあるまちの実現
・安全に安心して活き活きと住み続けられる共生のまちの創出
・居住環境を魅力的に守り育む活動やコミュニティの形成
世田谷トラストまちづくりについて、大まかな情報が把握できたところで、ここからは具体的な支援内容を見ていきましょう。
世田谷区空き家等地域貢献活用助成事業
世田谷区では、自ら探した区内の空き家等を用いた地域貢献活用企画を募集しています。
助成対象として選ばれると、応募1件あたり最大300万円の助成金を受けることができます。
「地域貢献」とは、地域交流の活性化、地域コミュニティの再生など、地域の課題解決の一助となるような活動を示しており、
地域の性格と課題を見据えた先導的な企画を考える必要があります。
応募資格
企画に応募する際の資格として、次の5つを満たす団体である必要があります。
・対象となる物件で5年以上の地域貢献活動を継続する団体
・地域貢献、地域まちづくり等の活動実績がある団体
・団体の構成員に対し、空き家等の活用の結果得られた収益を分配したり財産を還元したりしないこと(活動費、人件費等を除く)
・政治・宗教を目的としない団体
・暴力団またはその傘下組織ではない団体
対象企画・対象物件
助成の対象となる企画は具体的に次のように定められています。
・世田谷区内の空き家等を用いて地域交流の活性化、地域コミュニティの再生、地域の課題解決の一助となるような地域貢献活用
・自主的、自立的及び継続的に行われ、空き家等の地域貢献活用の先導的な事例となるもの
また対象物件では、前提として
「世田谷区内の一戸建て住宅等の空き家や空き部屋、マンション等の空室や空き部屋」と定められており、活用にあたって物件所有者全員の同意を得る必要があります。
さらに追加で以下の条件をすべて満たす必要があります。
・建築関係法令に適合するもの(違法建築物ではないもの)であること
・活用用途の基準を満たす物件であること(用途地域などを参照しましょう)
・応募時点で新耐震基準等を満たしている、あるいは応募する企画に含まれる改修工事により新耐震基準等を満たす建物
・建築確認済証があること、もしくはそれに準ずる書類があること
・都市計画事業に決定された土地の建築物ではないこと
助成金額
助成金額は1団体あたり300万円までと定められています。
この金額の内訳は空き家の改修工事費(200万まで)、耐震改修費(100万まで)と定められています。
助成金の交付を受けるためには、対象物件で5年以上活動する必要があり、助成交付決定通知および完了検査をもって助成が確定します。
注意点
助成を受けるため企画に応募する際の注意点として、
応募要領配布期間中に応募相談が必要です(令和5年度の応募相談は終了しました)。
当該建築物の図面や建築確認申請時の書類、検査済証、
固定資産税課税明細書等の書類(すべて写し可)を持参し、
※空き家等地域貢献活用相談窓口(一般財団法人世田谷トラストまちづくり内)に直接相談する必要があります。
※住所:東京都世田谷区松原6-3-5 梅丘分庁舎1階
世田谷の空き家等活用ゼミナール
世田谷区内での地域貢献型の空き家等活用を促進するため、
年1回建物所有者や活用希望団体・個人を対象としたゼミナールを開催しています。
令和5年度は12月2日、9日の2日間にわたって開催されました。
この講座では参加者のグループワークで建物の活用アイデアをつくるワークショップや、空き家活用の実践者による講義、実際に活用された空き家の見学が行えます。
毎年開催されているようなので、気になる方は来年度のイベントに参加してみてはいかがでしょうか。
終わりに
世田谷トラストまちづくりではユニークな支援方法が行われていることがわかりましたが、条件や応募資格を見る限り、条件が厳しく、支援までの敷居がまだまだ高いように感じます。
実際に令和5年度で助成対象となった応募はありませんでした。
もう少しハードルの低い支援内容があっても良いのかもしれません。
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