東京都江戸川区は荒川や江戸川など大河川の最下流に位置しており、洪水のリスクが常に懸念されてきた地域です。
これから江戸川区に引っ越そうと考えている方、現在江戸川区に住んでいる方にとって、洪水のリスクは非常に不安なものだと思います。
そこで今回はハザードマップを見つつ、江戸川区は洪水のリスクがどれだけあるのかを解説します。
江戸川区の河川
ハザードマップについて解説する前に、まずは江戸川区に流れる河川について解説していきます。
江戸川区には主に荒川、中川、江戸川という3つの河川が流れており、区全体が河川に囲まれています。
それぞれの河川が危険なのかどうかを含め、次の章から個別に解説していきます。
江戸川区の河川①荒川
字面だけ見ると今にも洪水を起こしそうな荒川・・・ですが、江戸川区に流入するものに関しては、
実は人工河川であり、安全なものとなっています。
埼玉県から流れてくる荒川(自然河川)は明治時代には「関東大水害」を引き起こすほど危険な川でした。
荒川の氾濫を防ぐべく、当時の政府が荒川放水路を開削し、
東京都北区の岩淵から東京湾に至る全長22キロの放水路が完成しました。
この放水路からは河川が二手に分かれ、一方が江戸川区に流入する荒川、もう一方が花火大会で有名な隅田川となります。
これにより荒川の下流に位置する江戸川区で洪水が起こるという可能性は低くなっており、
江戸川区に位置する荒川は安全と言えるのです。
上流部分にも埼玉県内にダムや遊水地が設けられているため、川の氾濫リスクはかなり低いものとなっています。
江戸川区の河川②中川・新中川
荒川と同じく、新中川は中川から作られた人工河川です。
昭和22年にカスリーン台風によって東京東部が浸水したことを受け、中川の放水路として新中川が作られました。
新中川は、葛飾区の高砂で中川と分岐し江戸川区江戸川で旧江戸川に合流します。
中川の上流部では、三郷市に「三郷放水路」があり、中川の水位が上昇した際に、
流域面積も広く流水量の大きな江戸川に流入させることで中川下流域に流れる水位を調整しているほか、
埼玉県春日部市付近では首都圏外郭放水路において水量をコントロールしています。
中川・新中川に関しても、洪水のリスクはきちんとケアされていますので安全だと言えるでしょう。
江戸川区の河川③江戸川
江戸川は千葉県野田市付近で利根川から分流する河川で、江戸川区東篠崎町付近で旧江戸川と江戸川放水路に分かれます。
旧江戸川には篠崎水門、江戸川放水路には行徳可動堰があり、水位上昇時の流量調節が可能です。
江戸川の源流である利根川、利根川に流入する渡良瀬川に関しても氾濫対策がされていますので、
江戸川で洪水が起きるというリスクは低いかと思われます。
江戸川区ハザードマップを解説!
ここからは江戸川区のハザードマップについて解説していきます。
洪水リスクの低い河川が多い音は家、自然災害はどうしても完璧な予測が難しいものなので、
ハザードマップを見つつ、洪水リスクなどをチェックしましょう!
ハザードマップの仕組みとは
水害ハザードマップでは河川が氾濫した場合、各地域でどれくらいの水位の浸水が起こるのか、
また浸水時間はどれくらいか、ということを知ることができます。
ここでは江戸川区の水害ハザードマップのうち、以下の水位に関する資料を載せています。
- 荒川
- 中川
- 江戸川
以上の資料を見る限り、河川の氾濫が起こることで、かなり多くの地域が浸水の被害を受けることが確認できます。
なお、浸水の被害度に関しては色別に無色(被害なし)→黄色→オレンジ色→赤色(被害大)の順で大きくなります。
江戸川区は洪水が起きても安全?
以上のことを踏まえると、江戸川区では洪水が起こるとそれなりの被害が出ることが確認できます。
特に川沿いに関しては被害が大きくなりますので、江戸川区で新居購入を検討される方は、
川沿いの物件を避けると良いでしょう。
ただ、江戸川区の河川はすべて洪水対策がしっかりとされていますので、洪水そのものは起こりにくいと考えられます。
江戸川区そのものが危険、というわけではありませんので、
川沿いの物件を避ける、くらいの意識を持つようにしましょう。
江戸川区は浸水のリスクがゼロではありませんが…
浸水のリスクがゼロではないとはいえ、江戸川区はとても住みやすい場所で、都心へのアクセスも悪くありません。
江戸川区の物件の購入・売却を検討するのも良いかと思います。
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