相続、売買等を行い不動産の持ち主が変わる際、
不動産の名義変更というものが行われます。
更に2024年4月1日からは空き家の相続登記が義務化され、
相続を知った時から3年以内に登記しなかった場合は
10万円の過料を科せられる場合もあります。
このように名義変更は不動産と切っても切り離せない関係にあるのですが、
果たして1回の名義変更にはどれくらいの金額が発生するのでしょうか?
今回は名義変更にかかる費用を種類ごとに説明していきたいと思います。
登録免許税
登録免許税とは不動産の名義変更をした際に発生する税金です。
不動産の固定資産税評価額×税率
という形で計算します。
税率は名義変更をした原因によって変動します。
具体的には
相続(相続登記) :0.4%
離婚(財産分与) :2%
贈与(生前贈与) :2%
売買(不動産取引):2%
と設定されています。
相続以外はすべて2%と覚えておくと良いでしょう
(一定の条件を満たせば、税率が軽減される場合があります)。
また相続の場合は免税措置が適用される場合があります。
それについては次項で解説していきます。
登録免許税の免税措置①
数次相続(相続人の死亡などが原因で相続が立て続けに複数回発生すること)によって名義変更が起きた場合、
以下の条件を満たすことで登録免許税の免税措置を受けられる場合があります。
・相続により土地の所有権を取得した場合(建物の所有権のみの場合は適用外)
・相続人が所有権移転登記を受ける前に死亡した
・登記を死亡した相続人名義とする場合
・令和7年3月31日までに登記申請する
「相続人が所有権移転登記を受ける前に死亡する」
という条件があるため、全員が当てはまる条件ではないかと思われますが、もし当てはまる場合は条件面をきちんと確認しましょう。
登録免許税の免税措置②
安価な価格の土地を相続する場合、以下の条件を満たすことで登録免許税が免税される場合があります。
・市街化区域内または区域外の土地であること
・不動産の価格が100万円以下であること
・令和4年4月1日から令和7年3月31日までに登記を申請すること
たとえ100万円の不動産を相続したとしても、免除される額は
100万円×0.4%=4000円
と大きな額ではありませんが、そのほかにも名義変更の際にはお金がかかるので、
条件を確認し、確実に税金を減額できるようにしましょう。
登録免許税の納税のタイミング
登録免許税は登記申請書類を提出する際に収入印紙を使って納めます。
申請書に収入印紙を張り付けて提出しましょう。
収入印紙は法務局で購入するか、郵便局で事前に購入することができます。
登記申請をオンラインで行い、ATM等を使って税金を納付することもできるようです。
証明書取得
名義変更を行う際、証明書類を必要に応じてそろえる必要があります。
役所・法務局で証明書類を発行する際はそれぞれ手数料が発生し、
現金のみでの支払いとなるため、証明書類を取得するときは必ず現金を持参しましょう!
以下は主に必要となる証明書類とその金額です。
戸籍謄本 | 450円 |
除籍謄本 | 750円 |
戸籍の附票 | 300円 |
改製原戸籍 | 750円 |
住民票 | 300円 |
印鑑証明書 | 300円 |
不在住証明・不在籍証明 | 300円 |
登記簿謄本 | 600円 |
公図 | 450円 |
固定資産税評価額 | 300円 |
印紙代
売買による売買契約書、贈与による贈与契約書を作成した場合は
その契約書面に記載されている金額に応じた※印紙税を支払う必要があります。
※贈与契約書の場合、支払う金額は一律200円です。
以下は不動産売買契約書への記載金額ごとにかかる印紙税額です。
10万円超え50万円以下 | 200円 |
50万円超え100万円以下 | 500円 |
100万円超え500万円以下 | 1000円 |
500万円超え1000万円以下 | 5000円 |
1000万円超え5000万円以下 | 1万円 |
5000万円超え1億円以下 | 3万円 |
1億円超え5億円以下 | 6万円 |
名義変更以降にかかる税金
不動産の名義変更を完了した後にも
・不動産取得税
・譲渡所得税
・相続税
といったような税金を負担する場合があります。
特に空き家を相続してから売却した場合、上記すべての税金が課税される場合が高いです。
かなり大きな負担になると思われがちですが、各税金には税額を減らせる特例が定められている場合が多く、
空き家特例のように最近でも特例が追加されている場合がありますので、
少しでも減額できるよう、特例をきちんと確認してみてください。
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