日本は今、空き家問題に大きく悩まされています。
平成30年の住宅・土地統計調査では、日本に約849万戸もの空き家が存在し、全国の住宅の13.6%が空き家であるということが判明しました。
空き家は放置されることで老朽化が進み、火災・地震による被災リスクが増加してしまうため、早急な対策が必要です。
しかしなぜ空き家の数はここまで増えてしまったのでしょうか。
今回は空き家問題が深刻化する理由をご説明します。
空き家問題が深刻化する6つの理由
空き家問題が発生する主要な原因は需要に対して物件数が多いことが挙げられます。
この現象が発生する原因は1つではなく、人口減少や少子高齢化、相続問題が複雑に絡み合っています。
次項からはこのいわば「家あまり」が発生する原因6つを紹介していきます。
空き家問題が深刻化する6つの理由①人口減少
1つ目の理由は人口減少です。
日本の人口は減少を続けており、これが空き家が増える大きな原因となっています。
下記は内閣府によって発表された「年齢区分将来人口統計」で、2020年の人口からみて2040年には86%まで人口が減少すると予想されています。
内閣府より:第1章 第1節 1 (2)将来推計人口でみる50年後の日本|平成24年版高齢社会白書(全体版) - 内閣府 (cao.go.jp)
また、少子高齢化による人口構造の変化も深刻です。
少子高齢化の影響で空き家を高齢者から相続する人が増えており、急な相続によって空き家を処分できないケースが増えています。
2025年には「団塊の世代」という第1次ベビーブームの時に出生した世代が一斉に後期高齢者となるため、
日本の少子高齢化や空き家問題はさらに深刻化すると言われています(2025年問題)。
空き家問題が深刻化する6つの理由②経済状況による影響
現在問題となっている空き家の多くは高度経済成長期の際の新築建設促進によって建てられたものです。
当時「住宅建設計画法」が施行され、全国各地に新築住宅が増えていきました。
この影響もあり、当時の住宅が同時期に老朽化し、所有者が一様に高齢化するという問題が発生しています。
また、高度経済成長期をピークに経済成長率が下がってきているにもかかわらず、新設住宅着工戸数が相変わらず多いことも問題です。
悲しいですが、住宅をたくさん建設しても経済状況が芳しくなく、住宅が売れなければ意味がありません。
空き家問題が深刻化する6つの理由③建物の老朽化と管理不足
当たり前のことですが、建物は管理や建て替えを行わなければ、経年劣化によって年々資産価値が下がります。
資産価値が下がった住宅は市場に流通しにくく、処分が難しくなった挙句に空き家となります。
そのような空き家には維持費用をかけたくないという理由で所有者が管理すら放棄している物件や、そもそも所有者がわからない物件もあり、放置された空き家は災害リスクの増加や害虫・害獣の発生をもたらします。
東京空き家相談協会では、老朽化した実家や空き家についてご相談いただき、活用や売却に結び付けておりますのでぜひお気軽にご連絡ください。
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空き家問題が深刻化する6つの理由④相続問題
少子高齢化社会の深刻化により、空き家問題を解決するために無視できなくなったのが相続問題です。
一戸建てに暮らしている高齢者は年々増えており、そういった方から空き家を相続するといったケースが増えています。
都心にある一戸建てならまだ活用や売却といった手段をとることができますが、郊外にある空き家は資産価値が低く、処分が難しいのです。
郊外では土地の価格が低く、固定資産税もそこまでかからないため、管理コストも支払わずにただ空き家を放置している、というケースが散見されます。
また相続が長引いてしまった場合も、空き家の処分が遅れ、放置されてしまう原因となります。
特に遺言状がない場合の遺産分割協議では相続が長期化し、1年以上時間を要するケースも目の当たりにしてきました。
空き家問題が深刻化する6つの理由⑤災害による影響
大きな地震や台風が起こると、家によっては甚大な被害が出てしまいます。
そういった家が複数あると、多くの人が家をなくし、同時に倒壊の危険性が高い空き家が一気に増えてしまいます。
災害による空き家の増加を未然に防止するためにも、定期的な管理や耐震工事を行っていくべきです。
また、行政から倒壊の危険性が高い放置空き家(管理不全空き家または特定空き家)と判定された場合、
空き家は代執行という措置を受け、所有者は多額の空き家改修費(場合によっては1,000万超え)を支払うことになります。
空き家を放置することはリスクでしかありません。
過去の空き家ジャーナルでは「空き家の行政代執行による3つの悲劇」についてご紹介しておりますので、併せてご一読ください…!
空き家問題が深刻化する6つの理由⑥固定資産税の特例による影響
固定資産税は不動産を所有している方が毎年支払うべき税金ですが、課税対象者の負担が軽くなるよう、この税金には特例が存在します。
これは「小規模住宅用地の特例」といい、建物が建っている土地の固定資産税が200㎡までの部分に限り6分の1となるのです。
この特例があるため、空き家を管理して高い維持費を支払うよりも、空き家を放置し、安い固定資産税だけを支払おうという方が増えています。
実際、当協会にご相談いただく方に、放置空き家が発生した背景をお伺いすると「空き家を処分したいのに、解体すると固定資産税6倍と聞いたから何もしていなかった」というお声を頂戴することがあります。
しかしながら油断は禁物です。
2023年12月に改正された空き家対策特別措置法では、先述の管理不全空き家や特定空き家に指定された空き家は、特例を受けられなくなります。
その他にもどのような改正がされたかは、こちらの空き家ジャーナルで解説しております!
空き家を放置しているといきなり固定資産税が前年の6倍になる、ということになるので注意しましょう。
さいごに
もし実家や別宅の空き家問題でお困りの方や、「4月から相続登記が義務化されるというのに、まだやっていない!」といった方は、我々にご連絡ください。
東京空き家相談協会は、実家・空き家の管理代行・解体・売却・活用・買取・相続といった総合的なお困りごとを解決に結びつけるために活動している総合相談窓口です。
たくさんの業者に問合せる必要もございません。
今まで解決できなかった空き家の問題を当協会に相談したら解決できた、というお言葉も多数いただいております!
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