空き家ジャーナル


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家の所有者が認知症になった場合のリスクと対策を解説

更新日:2024年2月29日

日本の空き家問題は対策が進みつつあるものの、今後も空き家は増え続けると予想されています。

その理由のひとつが不動産を所有する認知症患者の増加です。

 

今回は不動産を所有する人、相続する人が認知症認知所になるとどのような問題が起きるのかを解説していきます。

 

 

所有者や相続人が認知症になった場合の問題点

 

不動産などの財産の所有者や相続人が認知症になってしまうと、有効な法律行為や判断が出来なくなります。

 

なぜなら認知症の人は意思能力のない人だとみなされるからです。

 

認知症になると認知機能障害(物忘れ)や幻視・妄想が頻発し、徐々に深刻化していきます。そのような状態の人に財産の相続等、重要な判断を任せるのは当事者からしても怖いはずです・・・

認知症のイラスト

意思能力がない状態で騙され、変な契約を結ばされたり、誤って赤の他人に財産を譲ってしまうこともあるでしょう。

そういうことがないように、認知症患者などの意思能力のない人は有効な法律行為や判断ができないよう、法律で決められています。

 

 

一人で行えない具体的な行為

 

認知症になった方ができない不動産関係の法律行為には以下のようなものがあります。

 

認知症になったら一人で行なえないこと①遺産分割協議

遺産分割協議は被相続人の財産を相続する際の持ち分を決める会議で、相続人全員の同意が必要です。

この同意は法律行為に当たるので、相続人の中に認知症患者がいると、遺産分割協議を行えなくなります。

相続人が協議に同意ができないからといって家族が代筆したりすると、その同意は無効になります

遺産分割協議は非常に時間のかかる協議なので、対処法がわからない場合は専門家に相談しましょう。

私たち東京空き家相談協会は弁護士、司法書士、税理士といった相続に関わる専門家と提携しており、スピーディにご質問に応えられます。

相続以外にも、売却や活用といった実家の対処についてもそのままご相談いただけますので、お問合せ先を増やすことなく解決できるためオススメです!

 

 

認知症になったら一人で行なえないこと②相続放棄

一般的に遺産分割協議は相続放棄を行えば参加する必要がなくなります。

しかし相続放棄も法律行為に当たるため、認知症になるとできなくなってしまいます。

こちらも遺産分割協議同様、認知症の方の代わりに家族などが相続放棄を進めると無効になります。

 

認知症になったら一人で行なえないこと③共有の不動産売却や税金の優遇適用

遺産分割協議ができない場合、認知症の方も含めて法定相続が行われます。

そして不動産の所有者は共有名義となり、売却の際にも全員の同意が必要です。

認知症の方が共有する不産は売却が困難なのです。

また、法定相続は遺産分割協議と異なり、相続分(土地の敷地面積など)を自身の手によって決められていません。

そのため法定相続分で相続されると、相続した物件の規模によっては税金面の優遇が受けられない場合があります。

 

認知症対策でできる財産管理

相続人や不動産の所有者が認知症になった場合、とるべき行動は次の通りです。

 

下記の行動をとることで、認知症の方がいるから財産の処分が進まない、というような状況を回避できるでしょう。

 

認知症対策でできる財産管理①後見人制度を利用する

裁判所が後見開始の審判を行うことで、認知症の方が成年被後見人(便宜上本人と言います)となり、

成年後見人を選任することができます。

成年後見人は本人の代わりとなって法律行為を行うため、この制度を利用すれば遺産分割協議や財産の処分が可能です。

成年後見人は必ずしも家族がなるというわけではなく、裁判所によって選任された弁護士などが行う場合もあります。

その際は本人が亡くなるまで報酬を支払う必要があります。
また成年後見人は成年被後見人の財産保護を優先するため、本人の利益にならない財産処分(管理が面倒だから不動産を売りたい等)は同意しない場合があります。

 

認知症対策でできる財産管理②家族信託制度を利用する

家族信託は所有権を「財産権(財産から利益を受ける権利)」と「財産を管理運用処分できる権利」とに分け、後者のみを子供に渡すことができる仕組みです。

「財産を管理運用処分できる権利」を子供が持つため、この権利に相当する法律行為(不動産売却や遺産分割協議など)は行えるようになります。

後見人制度と違い、本人の財産保護を優先しなくてもよいため、管理が面倒といった理由による不動産売却も通常通り行えます。

家族信託を行う場合は委託者と受託者(財産を任せる人と任される人)で信託契約を結ぶことになります。

そのため認知症になる前に行わなければならない点に注意です。

 

家族信託の詳細は以下をご覧ください!

 

 

認知症対策でできる財産管理③生前贈与しておく

不動産などの財産は生前であっても贈与という形で子供などに譲ることが可能です。

生前贈与は相続と違い、所有権をそのまま移転させる形になるので、財産の権利移動の自由度が高いという特徴があります。

しかし相続税よりも贈与税の方が控除額が少ないので、過度の贈与は注意が必要です。

 

不動産の処分はなるべく認知症になる前に

 

家族が認知症になってしまうと財産管理の自由度がかなり減ってしまいます。

特に親戚が多い場合などは遺産分割協議でも時間がかかる場合は予想されるので、認知症になる前に財産の移動は完了できるように心がけましょう

東京空き家相談協会では、相続や空き家に強い不動産会社、解体業者など、幅広い専門家と提携しているため、相続も不動産の対処もまるごと完結させることができる点が強みです。

 

特に相続などを早く済ませたい方は、ぜひお話しください。
先述の家族信託も承っております!

 

相続・実家・空き家相談は東京空き家相談協会へ

何から話せばいいか分からない方でも大歓迎!

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空き家ジャーナル編集部

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