空き家ジャーナル


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都市部に発生する空き家

更新日:2023年4月24日

 

”空き家”と耳にすると、どのような風景が思い浮かびますか?

畑が広がっており、ポツンと立っている寂れた家。

朽ちて、裏側の山林と一体化している家。

敷地内にゴミが散乱し、所有者の姿も見えない家。
そのどれもが正解であり解決すべき現実です。

 

都市部では宅地が多く密集していることから空き家の件数も如実に増えており、
2018年の総務省「住宅・土地統計調査」では、全国の空き家数ランキングにも関わらず東京都世田谷区4万9,070戸、次いで東京都大田区が4万8,080戸と1、2位を占めています。

都市部に空き家が多い理由とは?


都市部に空き家が多い理由として挙げられるのは、以下となります。

  • 団塊世代の高齢化
  • 共働き世帯の増加
  • 自動車保有率

戦後の高度経済成長期に、地方から都市部へ仕事を求めて多くの団塊世代が移住しました。
時が経ち、現在75歳以上など後期高齢者とよばれる世代となり、亡くなる人も出てきました。
なかには相続トラブルが発生し、空き家になっても管理されないまま放置されてしまうケースも多くあります。

反対に若年層は経済的に厳しいため共働きとなる夫婦も圧倒的多数を占めており、子どもがいる世帯であっても保育施設などに預けて働きに出る家庭も増えました。

同じく経済面の影響として自動車の購入や保有による維持費など金銭的ダメージを避ける傾向にあり、家を選ぶ際も駅近を希望し、「郊外」「駅から徒歩8分」などのマンションは売れにくくなっています。

図表*自動車検査登録情報協会より

 

世田谷区を含む大都市部には、駅から遠い物件も多くあります。過去多くの人が移住した立地であっても、利便性がなければ離れてゆき、空き家が増加する要因となるのです。

 

各地の空き家対策 - ①京都市「空き家税」

京都市では空き家対策として2026年から別荘や空き家の所有者に課税する「非居住住宅利活用促進性」通称”空き家税”を導入することが決定しました。

税率

家屋の固定資産評価額に応じて3段階に分けられ、所有者の負担能力に配慮がされています。
評価額を700万円未満、700万円以上900万円未満、900万円以上に区分し、資産価値の低い家屋ほど税率が下げられます。

評価額100万円以下と資産価値の低い場合は制度導入~5年間、対象外となります。

また、事業所として使用したり、歴史的建造物や賃貸、売却予定の物件も免税対象となります。

 

各地の空き家対策 - ②愛媛県今治市&kintone API連携開発

今年4月、愛媛県今治市は空き家バンク事業において、国土交通省選定の全国版空き家バンク「アットホーム 空き家バンク」にて、リアルタイムで物件情報の配信管理を行うことができるAPI連携による開発を全国で初めて実施しました。

自治体での掲載だけでなく、複数の空き家バンク媒体への同時掲載ができるようになったことになり、移住希望者にもいち早く情報が届くようになったのは、地域にとっても移住希望者にもとってもグッドなニュースですよね。
クリックで公式プレスリリースに移動 )

 

各地の空き家対策 - ③島根県出雲市 ふるさと納税返礼品で空き家見回りサービス

島根県出雲市にて、遠方で暮らす市内の空き家所有者に代わり、空き家の見回りサービスをふるさと納税の返礼品として新たに加えました。

協定締結先により、寄付額に応じて年1~3回、空き家の管理状態を把握し、現況を報告するとのことです。
くわしくは読売新聞オンラインにて(クリックで移動)

 

また、以前空き家ジャーナルでもご紹介した大阪府堺市での「空き家の利活用による定住支援策」も、直近の自治体の空き家対策として大きな動きでしたね。
記事はこちら(クリックで移動)

 

まだ空き家にはなっていないけど…

東京空き家相談協会では、「もうすぐ空き家になる予定なのですが…」という事前のご相談もいただきます。
ご相談者さまがどのくらいの頻度で空き家の管理ができるか、
それだけ残置物があるか、
解体や利活用をしたいか、など
「ご相談のその先」までヒアリングしながら、ご希望に沿ったご提案だけでなく、
解決までサポートをさせていただいております。

”まずは現地調査をしてもらい、この先どうしたらいいのか一緒に考えたい”
という場合も承ります。もちろん現地調査に費用はかかりません。

 

もやもやを解消したい、一緒に考えてほしい。そんな時は、
ぜひこちらからお気軽にご相談ください!

何から話せばいいか分からない方でも大歓迎!

この記事を書いた人

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一般社団法人東京空き家相談協会

小峰千波

学生時代からまちづくりに関心があり、地元をはじめとした地域活性化活動や環境経営に携わっていた。 故郷の過疎化を感じ、人が生きやすく集いやすい環境づくりがしたいと感じ、 現在は一般社団法人東京空き家相談協会の相談員として、ご相談者様に寄り添ったサポート活動をしている。 自然と動物が好きです。