相続と不動産売却は一生に一度訪れるかどうか、というイベントであるため、一連の流れがわからない、という方も大勢いらっしゃるでしょう。
事前知識がない状態で相続をスタートしてしまっては、相続税の申告漏れが起こったり、それによって延滞料を取られたりと予期せぬアクシデントに見舞われてしまいます。
今回は相続から不動産売却の流れを解説します。
もし現時点でわからないことがある方は、以下から無料相談をお待ちしております!
相続から不動産売却までの流れ
相続から不動産売却の流れは以下の通りです。
- 遺言の有無を確認
- 相続財産と相続人を確認
- 遺産分割協議
- 不動産の名義変更
- 相続税の申告・納税
- 不動産の売却
- 確定申告
それぞれ解説します!
相続から不動産売却までの流れ①遺言の有無を確認
被相続人に遺言があるかを確認します。
遺言がある場合は遺言通りに相続を進め、ない場合は法定相続人で遺産分割協議を行います。
相続から不動産売却までの流れ②相続する財産と相続人を確認
相続の際には不動産や有価証券といったプラスの財産を確認するのはもちろん、借金や住宅ローンといったマイナスの財産も確認します。
遺言がない場合はこれらを法定相続人と協議して分割していきます。
相続から不動産売却までの流れ③遺産分割協議(遺言がない場合)
遺産分割協議では相続人の協議によって財産の分割方法を決めます。協議は全員そろって行う必要は必ずしもありません。
しかし遺産分割協議による財産の分割方法などに関しては法定相続人全員の合意が必要です。
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相続から不動産売却までの流れ④不動産の名義変更をする
遺産分割協議によって不動産を相続する人が決まったら、
不動産の名義を被相続人から相続人に変更する手続き、「相続登記」をします。
相続登記は必要書類の取得に苦戦すると2か月以上かかってしまいますので、
あらかじめ必要書類を確認しておきましょう。
相続登記は被相続人死亡後、4か月をめどに手続きを行うと良いでしょう。
相続から不動産売却までの流れ⑤相続税を申告・納税する
相続財産の総額が相続税の基礎控除を超える場合は相続税の申告と納付を行います。
基礎控除を超えない場合は申告不要です。
相続税の申告と納税の期限は、相続開始を知った日の翌日から10か月以内です。
この期限内に申告や納税を行わない場合は延滞税の支払いなどを求められますので注意が必要です。
相続から不動産売却までの流れ⑥不動産の売却
不動産仲介業者と媒介契約を結び、個人に売却するか、不動産買取業者に直接売却する形で売却活動を行います。
新築されてから年月が経過している築古物件を売却する場合は不動産買取業者への売却がおすすめです。いくつかの会社に査定依頼をし、条件が良い会社を選びましょう。
不動産の売却にかかる時間は最短で3か月、最長9か月と長丁場です。
余裕をもって売却活動を行いましょう。
以下から不動産の売却査定ができるので、ぜひご活用ください!
相続から不動産売却までの流れ⑦確定申告する
不動産を売却して譲渡所得がある場合は、翌年の2~3月に確定申告をして納税します。
税金を軽減するための特例の適用もこの際に行います。
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相続した不動産の売却にかかる税金
不動産売却時に発生する税金は次の通りです。
- 登録免許税
- 譲渡所得税
- 印紙税
それぞれ解説します!
相続した不動産の売却にかかる税金①登録免許税
相続した不動産の名義変更を行う際に発生します。
相続不動産の固定資産税評価額×0.4%の登録免許税が課税されます。
相続した不動産の売却にかかる税金②譲渡所得税
不動産売却時の売却額が不動産購入時の代金を上回っている場合、その上回った金額(譲渡所得)に対して課税される税金です。
具体的な計算方法は、
{譲渡価格-(譲渡費用+取得費)}×20.315%(不動産の所有期間が5年以下の場合は39.63%)
となります。
相続した不動産の売却にかかる税金③印紙税
不動産の売却時に取り交わす売買契約書に対して課される税金です。
売買契約書に記載されている不動産売却金額が課税対象となります。
税金の特別控除について
相続した不動産は約3年以内に売却すると、税金を軽減できる特例を使える場合があります。
使用できる特例は以下の2種類です!
- 相続財産の取得費加算の特例
- 相続空き家の3,000万円特別控除の特例
ふたつとも譲渡所得税を軽減できる便利な特例なので、
相続した不動産は活用する予定がない場合は早めに売却してしまいましょう!
税金の特別控除①相続財産の取得費加算の特例
次の条件を満たすことで、土地や建物について支払った相続税相当の金額を譲渡所得から差し引くことが可能です。
- 相続や遺贈により財産を取得した者であること
- その財産を取得した人に相続税が課税されていること
- その財産を相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること
譲渡所得が減額されるので、譲渡所得税の課税対象額が減り、節税になります。
税金の特別控除②相続空き家の3,000万円特別控除の特例
「空き家特例」と呼ばれている特例です。
相続した空き家を売った際の譲渡所得を3000万円※控除できる特例です。
※令和6年1月1日以後に行う譲渡で空き家を相続した人数が3人以上である場合は2000万円まで
この特例を適用するには以下の条件を満たす必要があります。
- 家屋が昭和56年5月31日以前に建築されている
- 区分所有建物登記の建物ではない
- 相続するまでに被相続人以外が居住していない
- 平成28年4月1日から令和5年12月31日までの譲渡
- 建物が一定の耐震基準を満たしているか、または取り壊して敷地を売却
- 相続から譲渡までに居住や事業、貸付けに使われていない
- 相続開始のあった日から3年を経過する日の属する12月31日までに売却
- 売却代金が1億円以下
条件が非常に多いですが、減額できる額もその分かなり大きいです。
譲渡所得によっては譲渡所得税額が実質ゼロにもなり得ます。
こちらの空き家ジャーナルでも取り上げているので、ぜひご一読ください!
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