日本は現在深刻な空き家問題を抱えており、
その原因のひとつが、日本に昔からあった新築信仰です。
この新築信仰の影響もあり、新築住宅の建築は現在でも盛んで、反対に中古住宅の販売数は伸び悩んでいます。
上記のような日本の住宅市場の動向は、日本の市街にどのような影響を与えているのでしょうか?
埼玉県の鳩山ニュータウンを例にして解説します。
日本の新築供給と中古市場の課題
日本の住宅市場動向をみると、新築住宅のシェアが中古住宅を圧倒的に上回っていることがわかります。
国を挙げた住宅不足解消の施策により、日本の総世帯数を総住宅数が上回ったのは1968年のことでした。
その後も新規の住宅供給が止まらず、2018年時点で総世帯数5400万世帯に対し、総住宅数は6241万戸と、約800万戸も家が余った住宅過剰社会になっています。
年間の新築住宅着工数は徐々に減ってはいるものの、2022年の1年間で新たに85万9529戸が着工しました。
現在日本の人口は減少傾向にあり、世帯数のピークは2023年の5419万世帯だと言われています。
新築の住宅戸数がなかなか減らない中、日本の人口は着実に減少していくと予想されており、
その結果野村総合研究所の予測では、2033年の総住宅数は7107万戸、一方で空き家の数は2147万戸に達するとされています。
更に日本は他国に比べて中古住宅のシェアがあまりにも低く、アメリカ81.0%、イギリス85.9%、フランス69.8%に対し、日本は14.5%となっています。
実際に2022年には新築住宅の着工数は約86万戸だったのに対し、中古住宅の流通量は16万戸にとどまりました。
国土交通省のアンケートによると、日本人は中古住宅に対し、「問題が多そう」「欠陥が見つかると困る」
といったイメージを持っていることが多く、新築信仰は未だ根強いです。
そういった事情もあって、日本の中古住宅市場はなかなか成長せず、空き家問題が深刻化していると考えられます。
埼玉県鳩山ニュータウンの事例
鳩山ニュータウンは日本がバブル経済に沸いていたころ、埼玉県で開発された東京のためのベッドタウンです。
1998年には居住者数が1万人を超えていましたが、その後の世代交代が進まず、居住者数も減少したため、鳩山ニュータウンには空き家が増えています。
次項では鳩山ニュータウンの現在抱えている課題を深堀していきます。
鳩山ニュータウンが抱える課題
鳩山ニュータウンはバブルの時期に分譲が始まり、家業を継がない次男や三男が多くこの街に移住しました。
そのため現在の町内会を運営する代表たちは鳩山ニュータウンに対する思い入れが大変強く、自分たちがこの街を作り上げた、という自負があります。
しかしそのような思いは若い世代には受け継がれず・・・
鳩山ニュータウンは交通の利便性が悪く、都心までは1時間半かかります。
バリアフリー設備も少なく、医療・福祉サービスも不足気味です。
このような点から若い世代はこの街に定住せず、空き家がどんどん増えていくこととなりました。
現在はリモートワークが主流になったため、そのような働き方をする方にとっては魅力的でニーズのある街ですが、長く街に暮らしてきた若者世代にはそのような実感がわかず、便利な場所ではないから売れないのではと思い込み、売却しない方が多いようです。
また、高い解体費用がネックとなり、中古住宅としての流通も滞っているのが現状です。
しかしこのまま人口が減り続ければ、日常の買い物ができる場所がなくなったりバスが減便されたりといった不便が生じます。
実際に鳩山市内を走るコミュニティバスは2022年に廃止されてしまい、今はデマンドタクシー(乗合タクシーのようなものです)が主流になりました。
鳩山ニュータウンはまさに古くからあった日本の新築信仰と、
現在の中古住宅市場の未発達がもたらした結果を反映した街と言えるでしょう。
おわりに
空き家は確かに解体や売却のハードルが高いですが、ニーズがゼロというわけではありません。
適切な形で、適切な買い手に売ることができれば、思わぬ売却益を得ることもできます。
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