空き家ジャーナル


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持ち家があると生活保護は受給できない?受給要件を解説

更新日:2024年8月1日

 

何らかの理由で生活保護を受けたい方でも、

持ち家を持っていると生活保護を受けられるか不安になるかもしれません。

 

今回は生活保護と持ち家の関連性、その前提として生活保護の基本事項を解説していきます。

 

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生活保護とは

お金を計算するイメージ画像

 

生活保護とは生活に困窮している方に対し、憲法で規定された「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するため、

国から生活費や住宅費などを援助する制度です。

 

日本国民はだれでも生活保護を申請できる権利を持っているので、特定の住所を持たない方でも申請が可能です。

 

ただし、生活保護を受給するためには多くの条件を満たす必要があり、

世帯単位で支給されるものなので、生計を同一にしている家族全員が受給要件を満たさなければなりません

 

生活保護費の内訳

生活保護ではどのような種別の費用を支援してもらえるのでしょうか?

生活保護の支給内容の内訳は次のようになっています。

 

費用種別 扶助の種類 支給内容
日常生活に必要な費用 生活扶助 食費等の個人的費用

光熱水費等の世帯共通費用

家賃 住宅扶助 一定の範囲内で実費を支給
義務教育を受けるための学用品費 教育扶助 一定の基準額を支給
医療サービスの費用 医療扶助 医療機関に直接支払う
介護サービスの費用 介護扶助 介護事業者に直接支払う
出産費用 出産扶助 一定の範囲内で実費を支給
就労に必要な技能の修得等にかかる費用 生業扶助
葬祭費用 葬祭扶助

 

 

生活保護の受給要件

チェックリストにメモをしている

 

前提として、世帯収入が最低生活費を下回っていることが条件となります。

 

最低生活費とは、健康で文化的な最低限度の生活を送るうえで、厚生労働大臣が規定する基準をベースに算出された費用のことで、この金額は地域によって異なります

 

例えば東京都23区内のひとり暮らし世帯だとこの金額は約13万円に設定されていますので、

収入が一切ない場合は13万円世帯収入がある場合は13万円を超えていない場合のみ、

その差額分が生活保護として支給されます(後述のその他条件を満たした場合)。

 

この世帯収入には月々の給与以外にも以下の収入が含まれますので、注意が必要です。

 

  • 年金
  • 退職金
  • 生命保険などの解約金
  • 贈与
  • 資産(不動産・自動車など)の売却益
  • 仕送り
  • 公的制度の手当・保険金

 

前提として、以上の収入合計が最低生活費を下回り、追加で下記の要件を満たさなければなりません

 

生活保護の要件①資産を持っていない

ここでいう資産とは、下記のものを指します。

 

  • 持ち家
  • 使用していない土地や田畑
  • 別荘
  • 自動車
  • 貴金属
  • 高級ブランド品
  • 2台目以降のパソコンや携帯電話
  • 貯蓄性のある生命保険(終身保険・養老保険など)

 

これらを所有している場合には、生活するうえで必要だと判断された場合を除いて、生活保護が受けられなくなります。

 

ただし、持ち家を所有している場合、以下の項目を満たしていれば生活保護を受けられます

 

  • 持ち家の売却価格が引越しにかかる費用を下回る
  • 賃貸物件の入居条件を満たしておらず、賃貸物件への住み替えができない
  • 持ち家の住宅ローンを完済している

 

生活保護の要件②働くことができない

病気・ケガ・障がいのほか、育児や介護などが理由で働きたくても働けない方は、生活保護の支給対象となります。

働く能力がある方は生活保護を受けられず、就業を勧められます。

ケガが完治した場合で就業意思を見せなかった場合には生活保護を打ち切られる場合があります。

 

生活保護の要件③ほかの公的制度を利用できない

失業保険や障害年金、疾病手当金など、生活保護のような制度は他にも存在します。

生活保護はこのような手当てを利用しても世帯収入が基準に満たない場合や最低生活費に満たない場合のみ、受給できるものです。

 

生活保護の要件④支援してくれる身内がいない

同居していない家族や親戚から支援を受けることができる場合は、支援対象から外れます。

民法では直系血族・兄弟姉妹は互いに扶養することが義務付けられており、生活保護よりも優先されるべきものだからです。

支援してくれる身内がいない、あるいは身内に扶養する意思がない場合、生活保護の受給が認められます。

 

 

生活保護受給のために持ち家売却を求められる!?

注意点を解説します

 

先述の通り、所定の条件を満たせば持ち家がある方でも生活保護の受給は可能です。

 

ただし、次のケースでは生活保護を受けるために持ち家の売却を迫られることがあります。

 

 

持ち家売却を迫られる理由①持ち家に住んでいない

住居が別にあり、持ち家に住んでいない場合、生活保護を受けられなくなる可能性が高いです。

また、持ち家に住んでいる状況で実家を相続した場合、受給前に実家の売却を求められるケースが一般的です。

 

ただ、実家の状態によっては売却が難しいケースもあるので、困った際には福祉事務所に相談しましょう。

 

持ち家売却を迫られる理由②住宅ローンが残っている

もしも支給した生活保護費がローン返済に充てられた場合、

結果的に税金で資産形成をサポートする形になってしまうため、住宅ローンが残っている場合、生活保護を受け取れません。

例外的にローン残高が少ない場合や短期で返済が終わる場合には持ち家の売却を求められないこともあります。

 

持ち家売却を迫られる理由③資産価値が高い

利用価値より資産価値の高い持ち家は売却を求められることがあります。

その家の資産価値を活かせば生活費を工面して新たな住居も確保できると判断されるためです。

 

生労働省の指針によると、標準3人世帯の生活扶助基準額に対し、

住宅扶助特別基準額を加えた金額の約10年分(2,000万円程度)が、売却を検討する目安になるとのことです。

また一人暮らしなのに3LDKの物件に住んでいる等、住居の規模が世帯人数に対して明らかに釣り合わない場合にも、

生活保護を受けられない場合があります。

 

こちらをクリックすると厚生労働省の生活保護関連ページに移動します!

 

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この記事を書いた人

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一般社団法人東京空き家相談協会

小峰千波

当協会の「空き家ジャーナル」は各専門家が監修しております。学生時代からまちづくりに関心があり、地元をはじめとした地域活性化活動や環境経営に携わっていた。 故郷の過疎化を感じ、人が生きやすく集いやすい環境づくりがしたいと感じ、 現在は一般社団法人東京空き家相談協会の相談員として、ご相談者様に寄り添ったサポート活動をしている。 自然と動物が好きです。