この広い世の中には、好んで事故物件ばかりに住む、という方もいらっしゃいます。
例えば松原タニシさんとか・・・。
しかし、霊的なものを信じていないにしても、なるべく事故物件は避けて生活していきたいところですよね。
空き家の購入や賃貸契約を考える際、その物件が過去に事故があったものであるかどうかを見分けることは非常に重要です。
今回は事故物件を見極めるポイントをご紹介します。
その前に、まず事故物件の定義とはなんなのでしょうか?
事故物件とは?定義と特徴
実は、事故物件には明確な定義がありません。
しかし一般的に、事件性があり、その場で人が亡くなった場合は事故物件と判断されます。
主に「他殺」「自殺」「自然死(日常生活における不慮の事故といえないもの)」「その他原因が不明な死」があった場合です。
この4つのケースは同等に扱っていいものなのでしょうか?
自然死でも事故物件になることがある
死後すぐに発見された病死の老人が住んでいたなど、事件性のない場合は事故物件とみなされないことが多いものの、
自然死・不慮の事故でも特殊清掃が行われた場合は事故物件と判断されるケースがあります。
例えば、死後何日も経ち、隣人が異臭に気付き通報して発覚……というパターンでは事故物件と見なされます。
こういった背景があることで、心理的に”ここには住みたくない”という嫌悪感や抵抗感を感じさせる「心理的瑕疵(しんりてきかし)」があることが事故物件の特徴といえます。
では、心理的瑕疵について詳しく解説していきます。
心理的瑕疵とはどういう物件?
先述したように、物件の構造や設備などには問題がないものの、以前住んでいた人が他殺・自殺があったなど住む上で心理的な嫌悪感・抵抗感を感じる物件です。
しかし、人の死以外にも以下のような物件は心理的瑕疵により買い手が見つかりにくいケースがあります。
- 墓地や火葬場・刑務所など近隣に嫌悪感を抱く施設が立地している
- 指定暴力団構成員などの反社会的組織が近隣に居住している
2個以上当てはまったら注意!事故物件にありがちな特徴
以下は、複数の不動産会社に聞き出した、事故物件にありがちな特徴です。
2個以上当てはまったら事故物件である可能性が格段に上がりますので、チェックしましょう!
- 告知事項ありの記載がある
- 周辺の類似物件より3割以上賃料が安い
- マンション・アパート名が変更されている
- 不自然なリフォーム
- フリーレント物件
- 前の入居者が短期で退去している又は長い期間入居者がいない
- 定期借家になっている
事故物件にありがちな特徴①告知事項あり
「告知事項あり」の記載がある場合、ほぼ確実に何かの瑕疵がある物件です。
それ以外にも、「訳あり物件」など呼称されている場合もあります。
もし事故物件でなくとも、近所にトラブルメーカーが住んでいる・・・という場合もあるので要注意です。
事故物件にありがちな特徴②周辺の類似物件より3割以上安い
同じ物件であっても部屋ごとに広さや方角、陽の当たり方が違うなどで賃料が異なります。
しかし、同じ建物内の物件で賃料がガクッと安くなっている場合は要注意です。
大家さんからしたら、長期間空き家が続くことによって資産価値が落ちてしまうため、避けたいこと。
したがって、入居者を募るために賃料を安くするのです。
賃貸契約の更新後に賃料が値上げされることも
物件の資産価値を保つために、賃貸契約の2年間何事も起こらなければ、次回の更新時に値上げしたり、元の賃料に戻すことがあります。
あなたが事故直後の一人目の入居者になるので、次の入居者には告知義務を伝える必要がなくなります。
したがって、大家さんとしては、利益を大きくするためにも、安い賃料で貸し続けるよりも本来の賃料に戻して貸したいのです。
事故物件にありがちな特徴③マンション・アパート名が変更
現在はインターネットが普及しており、マンション・アパート名を検索すると様々な情報が出てくることから、事故物件は名前を変えることがあるようです。
Googlemap上で表示される名前と違う場合は、事故物件の可能性も疑ってみましょう。
しかし、不動産会社や大家が変わることによってマンション・アパート名が変わることは一般的なので、この要素だけでは断定できません!
事故物件にありがちな特徴④不自然なリフォーム
自殺や自然死の発見が遅れると、特殊清掃だけでは取り除けない状態となり、部分リフォームが必要となるようです。
一部屋や浴室のみをリフォームしている場合は、上記の可能性が高まります。
もちろん築年数が古い物件の場合、資産価値を高めるためにリフォームしていることもあるので、気になった場合は業者にリフォームの理由を聞いてみましょう。
ちなみに、本コラム冒頭で名前をお借りした松原タニシさんはリフォーム前の事故物件に住むこともあるようです。
チャレンジャーだ・・・
事故物件にありがちな特徴⑤フリーレント物件
フリーレント物件とは、賃貸契約開始日からある一定の期間は家賃が発生しないという賃貸契約方法の一種です。
0.5ヵ月から1.5ヵ月程度無料になるケースが多く、この期間は貸主に賃料を支払う必要がありません。
貸主としては、閑散期に他の物件より魅力的に見せて入居者を獲得しやすくする目的でフリーレント物件にするのです。
最近は事故物件でなくともフリーレント物件が採用されることも増えているため、一概に事故物件と判断できません。
そのため、以下見分け方をご参考にしてみてください!
- フリーレント期間が3ヶ月以上と長期間
- 人気条件が揃っているのにフリーレント物件
- 繁忙期に入居者を募集している物件なのにフリーレント期間を設けている
事故物件にありがちな特徴⑥前の入居者が短期退去or長期間入居者がいない
数年単位で入居者がいなかったり、短期で入居者が退去している物件は注意が必要です。
もし人気のある物件であれば、退去前から退去後1ヵ月程度で次の入居者が決まることが多いですが、年単位で入居者がいない場合は深刻な瑕疵を抱えている場合が多いといえます。
短期間で退去している場合、告知義務をなくすために貸主の知り合いが一度住み、すぐ退去・・・というパターンもあります。
事故物件にありがちな特徴⑦定期借家
賃貸契約は、2年で契約更新をするか選べる普通借家契約が一般的です。
反対に、大家が指定した期間を超えて更新できない賃貸契約を「定期借家契約」といいます。
事故物件では定期借家となっていることが多く、特徴⑥でご紹介した「前の入居者が短期退去」ともむすびつきます。
事故物件に住まないための対策
心理的瑕疵のある物件は避けていきたいところですが、あらかじめ避けるためにはどのようなことをしたらいいのでしょうか。
2021年10月に「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」が策定されるまで事故物件の告知義務がなかったため、
現在は以下が物件情報に記載されることが増え、避けやすくなっています。
- 告知事項あり
- 心理的瑕疵物件
- 特別募集
ただし告知義務の期間には明確な期間がなく、かつ法的な効力はありません。
国土交通省によると、賃貸の場合はおおむね3年間の告知義務がありますが、売買の場合は事案発覚からの経過期間の目安はなく告知する必要があります。
事故物件を避けよう①「大島てる」の事故物件マップを活用する
大島てるの事故物件マップを見ることにより、契約を検討している物件またはその周辺に事故物件があるかどうかをあらかじめ確認することができます。
現在誰でも書き込めることができ、かつ誤った情報は削除することもできます。
誰でも書き込めるシステムだからこそ信ぴょう性も若干気になりますが、
その場合は次の方法との合わせ技がよいでしょう。
事故物件を見分けるポイント②不動産業者に問い合わせる
宅地建物取引業法内でも取り決められているように、不動産業者は借主の質問に対して知っている情報を隠すことなく正直に答えねばなりません。
そのため、上述した大島てるの事故物件マップの結果をもとに、その情報が本当なのか、本当の場合は詳細を確認しましょう。
事故物件を見分けるポイント③近隣の住人に聞いてみる
「ここに引っ越そうと考えているのですが…」と、物件の近隣住人に心理的瑕疵に当てはまる事案があったか聞くことは、リアルな声を聞くことができる有効な手段です。
どんな近隣トラブルがあったかなど、リアリティのある話を聞くことができます。
以上が、事故物件を避けるためにできる行動です。
事故物件を見分けるチェックリストとともにご参考にしてみてください!
事故物件の空き家を購入してしまった場合の対処法
次に、もし購入前に事故物件と分からず契約してしまった場合はどう対処をしたらいいのでしょうか?
以下の3つの方法があります。
- 売買契約の解約を求める
- 専門の買取業者へ依頼する
- 契約不適合責任が免責される
事故物件を購入した場合は?①売買契約の解約を求める
売主や不動産業者が心理的瑕疵のあった物件であることを知っていたのに説明しなかった場合、「告知義務違反」として民法562条に基づいて契約の解約請求ができます。
しかし、心理的瑕疵の基準が人によっても変わるため、本当に解約請求を行なうのが得策かは難しいところです・・・。
事故物件を購入した場合は?②不動産買取業者へ依頼する
買取業者の場合は、買取目的が「居住用」ではなく「再販事業用」なためです。
再販事業とは、不動産をリフォームするなど付加価値をつけてから再販し、買取金額と再販金額の差額で利益を上げることです。
自分自身の居住用ではないので、事故物件への抵抗感もなく確実に買取ができます。
当協会は不動産買取業者も幅広いネットワークでつながっており、厳選後ご案内することが可能です。
事故物件を購入した場合は?③契約不適合責任が免責される
買主が買取業者(宅建業者)であれば、宅建業法40条により、売主の契約不適合責任が免責されます。
契約不適合責任とは、売却後の不動産に、契約書にない不具合や欠陥が見つかった際に売主に課される責任です。
しかし、買主が個人の場合は、消費者契約法8条により、売主の契約不適合責任は免責できません。
理由としては、一般の個人の場合は不動産の知識がないため、物件の瑕疵をすべて把握することが難しいからです。
告知義務によって見分けやすくなった事故物件ですが・・・
2021年以降ガイドラインより心理的瑕疵物件は物件詳細に告知する基準が作られましたが、先述したように法的な効力があるわけではありません。
そのため、自らリサーチしつつ、確実に回答する義務がある不動産会社に確認をとるのが一番事故物件を避ける方法です。
もし購入してしまった場合は、不動産買取業者にお問合せしましょう。
東京空き家相談協会では実家・空き家・訳アリ物件の売却だけでなく、
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