空き家の増加は社会問題となっており、対策が急がれています。
現在の空き家数は全国で約849万戸あり、今後は更に増加するのではないかと言われています。
空き家の数を増やさない取り組みはできるのでしょうか?
今回は空き家を増やさないための皆さんができる取り組みの一つ、「家族信託」についてお話しします。
空き家が今後も増える原因
空き家が今後も増える原因の一つに挙げられているのが、認知症患者の増加です。
全国の認知症患者数は2020年時点で964万人ですが、2070年までの50年間で患者数はこの数字の3倍ほどになると言われています。
実は、認知症患者と空き家の増加には深い関連性があります。
その理由は認知症患者の判断能力に起因します。
認知症になると記憶の欠如や妄想、幻覚や幻聴が頻発し、認知能力や判断能力が著しく下がります。
日本の法律ではこのような状態になると、法律行為が行えなくなってしまうのです。
法律行為には不動産の売却なども含まれており、たとえ認知症になった本人が介護施設などに入所していても不動産の売却が難しくなります。
このようなことが起こると、認知症患者の自宅が空き家と化してしまうのです。
後見人制度の問題点
認知症患者の不動産を売却できるようにする方法の一つに、後見人制度を利用するという手があります。
裁判所によって本人が後見開始の審判を受けた場合、成年後見人が選任されます。
成年後見人は本人の代わりに不動産などの財産を管理・処分できる権利を得るので、不動産の売却も可能になります。
しかしながら、この後見人制度には問題点があります。
まず成年後見人は裁判所が選任するため、本人と血縁関係にある人が選任されるとは限らず、弁護士などが選ばれた場合は報酬を支払い続ける必要があります。
また成年後見人は財産を管理・処分する際、本人の権利保護を最優先する必要があります。
そのため不動産を必ず売却できるわけではないという問題点があります。
認知症患者の自宅の空き家化を防ぐ、という観点からするとやや都合の悪い制度と言えますね…。
認知症になる前に家族信託をしよう
後見人制度以外の方法で、認知症患者の不動産を売却するための制度が家族信託です。
家族信託とは所有権を、「財産権(財産から利益を受ける権利)」と「財産を管理運用処分できる権利」とに分けて、後者だけを子どもに渡すことができる契約です。
これにより、本人の利益を損なうことなく、財産の管理・処分だけを子供に任せることができます。
この制度を使えば、例えば親が認知症になり、施設に入所した後でも子供が実家の管理・処分を行え、空き家化を防ぐことができます。
家族信託にはひとつ注意点があります。
家族信託も法律行為に該当するため、本人が認知症になった後では家族信託が行えません。
必ず本人が元気なうちに家族信託を行いましょう。
家族信託をする方法
家族信託は弁護士・司法書士などの専門家に手続きを依頼する方法と自分で手続きをする方法があります。
専門家に依頼すると手続きすべてで30万円近くかかる場合もありますが、非常に多くの書類が必要になることを考えると、専門家に依頼するのが一番かもしれません。
自分で手続きを行う場合は以下の書類が必要になります。
・家族信託のための契約書作成
・銀行で専用口座の準備
・賃貸物件の所有がある場合には、移転等の手続きなど
・戸籍謄本
・登記事項証明書
・印鑑証明書
・固定資産税評価証明書
・公正証書など
このように非常に手間がかかることを考えると、自分一人でやるのはあまりおすすめできませんね…。
さいごに
家族信託が無事に完了したとしても、安心はできません。
もし本人が認知症になり、施設に入所した際には不動産の売却等を検討していく必要があります。
不動産を自己使用していくのか、売却・活用するのか、といった決断はなかなかしにくいものではないでしょうか。
その際には東京空き家相談協会にご相談ください。
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