会社が労働条件で提示していた額面金額と手取り金額が違う・・・
というケースは普通の企業勤めなら必ず見られるものなのですが、これには住民税が大きく関連しています。
たいていの場合、住民税は自動的に給料から天引きされるので、具体的な課税額などがわかりにくいものです。
今回は住民税の具体的な納付額や控除の方法を確認していきましょう!
住民税の徴収方法
住民税の徴収方法は会社勤めか個人事業主(業務委託を含む)かによって異なります。
会社勤めなら、会社が特別徴収義務者となって、毎月の給与から住民税を天引きして納めることが一般的です。
そのため会社勤めの方は住民税の納付を気にする必要がありません。
一方で、個人事業主の場合はその年に納めるべき税額を4回(6月、8月、10月、翌年1月)、または一括で、自治体から送付される納付書、webサイトまたはアプリで納めます。
住民税の納付額
住民税は前年の所得に対して課税される「所得割」と、定額で課税される「均等割」で構成されており、合算した額を納付します。
所得割の税率は10%(道府県民税・都民税4%+区市町村民税6%)、
均等割の負担額は4,000円(2014〜2023年は5,000円)となっています。
住民税の計算方法については、
(所得金額-所得控除額)×住民税率-税額控除額+5,000円※
となります。
※均等割
所得金額とは単純な収入ではなく、収入か必要経費を差し引いた金額で、会社員の場合に所得を割り出すには、収入によってあらかじめ定められている給与所得控除額を収入から差し引きます。
ここでも表にまとめますが、給与所得控除額については国税庁にて確認することができます。
給与所得の源泉徴収票の支払金額 | 給与所得控除額 |
1,625,000円まで | 550,000円 |
1,625,001円~1,800,000円まで | 収入金額×30%+80,000円 |
1,800,001円~3,600,000円まで | 収入金額×30%+80,000円 |
3,600,001円~6,600,000円まで | 収入金額×20%+440,000円 |
6,600,001円~8,500,000円まで | 収入金額×10%+1,100,000円 |
8,500,001円以上 | 1,950,000円(上限) |
No.1410 給与所得控除|国税庁 (nta.go.jp)より
また、基礎控除とは扶養親族の有無、ケガや災害などによる出費といった個人的な事情を考慮して、課税対象者に応じた税負担になるように差し引かれる控除を指します。
また、税額控除に関してはふるさと納税などの寄付をした場合や株式などの配当所得がある場合に、発生する一定金額の控除を指します。
住民税を減らすには?
恐ろしいことに、年収が額面金額で300万円ほどの方でも、条件によりますが、住民税の年額が10万円を超えます。
10万円あれば安めのパソコン1台買えますから、なかなかの額ですよね・・・
お財布へのダメージがものすごい住民税ですが、節税方法はあるのでしょうか?
詳しくは以下をご覧ください!
住民税が非課税になる場合あり!
以下の条件に当てはまれば、住民税は非課税になります。
自分が該当しているかどうかを確認してみましょう。
・生活保護を受給している
・未成年者、障がい者、寡婦またはひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は年収204万4,000円未満)の人
前年の合計所得金額が各自治体の定める額以下の人
ふるさと納税を利用する
ふるさと納税は好きな自治体に寄付を行い、寄付金額の2,000円を超える部分において、一定の限度額まで所得税や住民税の控除が受けられます。
控除を受けるには確定申告を期限内に行い、ふるさと納税ワンストップ特例制度を利用する必要があります。
一定以上の寄付をすれば、返礼品として他県の特産品をもらえる可能性もあります!
ふるさと納税を適切に利用し、おいしいものを食べましょう!!
医療費控除を適用する
1月1日から12月31日までの1年間の医療費が10万円(年間所得が200万円までの人は所得額の5%)を超えている場合、上限200万円までの医療費控除を受けられます。
ただし医療費控除を受けるには、翌年に確定申告をする必要があります。また医療費控除は年末調整の対象外となりますので注意しましょう。
他にも、固定資産税の仕組みについてもご紹介しているので併せてご一読ください!
また、令和6年1月1日より、空き家譲渡の特別控除に改正がありましたので、もしこれから実家など空き家を相続したり売却を考えている方は要注目です!