空き家をこのまま所有していると、負動産になってしまう…
空き家の老朽化が激しく、解体したいと考えている。
さまざまな背景から空き家の解体を検討しますが、いったい解体工事にはどのくらいの期間がかかるのでしょうか?
今回は、空き家解体の期間に関して以下を解説します。
- 【坪数別】空き家解体にかかる期間
- 解体工事の流れ
- 解体工事の期間が長くなる要因
- 解体工事の期間を短縮する方法
空き家解体にかかる期間は坪数によって変わる
空き家の解体にかかる期間は、家が広ければ広いほど長くなります。
ほかにも坪数以外の理由で解体期間に変動がありますが坪数がわかれば、おおよその目安が判断できるのです。
ここでは一般的な木造住宅を例に、30坪、40坪、50坪の空き家解体の平均期間をご説明
します。
空き家が30坪の場合
30坪の空き家は2LDK程度の広さが一般的です。
同じ30坪でも平屋なら1週間かからずに解体が終わることもありますが、2階建てなら1週間から10日程度みておくとよいでしょう。
空き家が40坪の場合
40坪の空き家は3~4LDK程度の広めの一軒家であることが多いです。
40坪の場合は外に納屋や蔵がある空き家もありますが、その場合は別途費用が発生するほか、解体にかかる期間も数日延びます。
空き家が50坪の場合
50坪の空き家は5LDK以上の広い家であることが多いです。
木造だけでなく、鉄筋コンクリートを使った頑丈な建物の場合もあり、解体には時間がかかる傾向にあります。
3階建てだったり、離れがあったりすれば、さらに3週間から1ヵ月程度の期間がかかる可能性もあります。
解体前には、解体業者の選定や工事に関する打ち合わせ、行政での手続きがある場合、全体にかかる期間は木造住宅であれば2ヵ月程度とみておきましょう。
では、解体工事の全体のスケジュールはどのように進んでいくのでしょうか?
解体工事の全体のスケジュール
解体工事は解体業者を選定してから、工事が終わるまでに以下の流れで進んでいきます。
- 解体業者を選定する
- 現地調査と事前準備
- 近隣住民への挨拶
- 外構の解体・養生
- 屋根や内装材の撤去
- 建物本体の解体
- 基礎の撤去と整地
次にどのような工程があるのか認識するだけでも、スムーズに進めることができます。
次項にて解説します。
解体業者を選ぶ
解体する業者の選定から契約までの手順は、以下の通りです。
- 解体業者を選定
- 解体工の見積もり依頼
- 見積もり結果をみて検討
- 工事の契約
解体業者を選ぶには、信頼性や実績のある解体業者を選ぶことが重要です。
そのため、1社だけをみて契約するのではなく、2~3社に依頼して、担当者の対応や見積もり金額、内訳の透明性をみて判断することをおすすめします。
- 100社以上の見積もりから厳選、お断りまでお任せください
- 東京空き家相談協会では提携している解体業者はもちろん、それ以外の業者にも100社以上見積もり依頼をとり、厳選して相談者様にご案内します。業者へのお断りもまるごと代行しますので、当協会へご連絡ください。
解体業者の安全対策や技術力をみるときは、「建設業許可」を得ているかや、「解体工事業登録」を行なっているかも確認しましょう。
現地調査と事前準備
現地調査では、建物の構造や状態、近隣住宅との距離や状況を確認します。
解体工事をする前の事前準備として、ライフラインの停止手続きをすることも必要です。
- 電気
- ガス
- 水道
- 電話
- インターネット
電気の場合、電気メーターの撤去が必要です。
停止を希望する日の1~2週間前には手続きをしておきましょう。
また、この時点で工事に関する疑問があれば解体業者に質問して解決しておくことも大切です。
ライフラインの手続きに関する情報は以下のコラムで解説しています。
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近隣住民への挨拶
どんなに万全に対策していても、解体工事には騒音や粉じんが発生してしまいます。
解体工事のスケジュールが決まり次第、以下を近隣住民へお伝えすることをおすすめします。
- 工事の内容や流れ
- 工事にかかる期間
- 工事する時間帯や曜日
- 解体業者名と連絡先
挨拶をするタイミングは工事着手前の1~2週間前がおすすめです。
口頭での説明だけでなく、書面で工事内容や期間などを伝えることをおすすめします。
外構の解体・養生
解体工事では、家屋のみを解体するわけではありません。
まずは住宅周りの門やブロック塀、柵などの外構を解体します。
建物を解体する前に外構を解体しなければ、トラックや重機の立ち入りができません。
解体する外構の近くに隣家のブロック塀や、街灯や電柱などの構造物が近くにある場合は、工事中の損傷を防ぐために防護カバーで保護する必要があります。
また、解体する建物の周囲に足場を組み、がれきや粉じんの飛散を防ぐための養生シートを取り付けます。
屋根や内装材の撤去
建物本体を解体する際に一番先に行なうことは、窓部分などの内装材の撤去です。
解体工事は高いところから低いところへの順番で作業を進めるため、屋根から解体をはじめます。
また、解体作業は高所作業となるため、作業員は足場や安全帯や使用して転落防止に努めながら作業を進めます。
もし転落による災害が発生した場合、工事を中断することになるため工事期間が長引いてしまいます。
また、解体工事で発生した廃材は「産業廃棄物」として処理されます。
解体時の廃材は「産業廃棄物」で処理
解体時に出る廃材は産業廃棄物として処理され、品目ごとに分別されてトラックに積み込まれ、産業廃棄物の処理施設まで運搬されます。
解体工事で排出される主な産業廃棄物は以下の通りです。
- 廃プラスチック類
- 木くず
- ゴムくず
- ガラスくず、コンクリートくず及び陶器くず
- がれき類
屋根と内装材はを手作業で解体し、廃棄物の分別をしながら慎重に行なうため、時間がかかる工程のひとつです。
建物本体の解体
屋根や内装材の撤去が完了次第、むき出しになった柱や梁を撤去する工事は、建物本体の解体工程です。
解体方法は大型の重機を用い、木造住宅であれば木造住宅であれば1-2週間程度で解体が完了します。
- 鉄骨や鉄筋コンクリートといった頑丈な建物の場合は、カッターやブレーカーといった特殊な工具を使うため、より解体日数がかかります。
- <重機を用いた大規模な解体となるため、粉塵や騒音被害も出やすい工程です。
- 近隣住民が生活している時間帯や、休日の作業を避けるといった配慮が必要です。
建物本体の解体は慎重かつ確実な作業が求められるため、解体業者は作業員の安全確認と周囲への配慮に注意しながら作業を行ないます。
基礎の撤去と整地
建物の基礎部分の撤去と、解体後の敷地の整地で解体工事がしめくくられます。
建物には、コンクリートで固められた土台となる基礎があり、新しく住宅を建て替えるときは古い基礎を撤去して新たに作り直します。
建て替えの方法によっては基礎を残す場合もあります。
解体工事にかかる期間が長くなる理由
先述した解体期間の目安よりも、大幅に工期が長くなる理由として以下の5つがあげられます。
- 地中に埋設物があり工事ストップ
- 重機を使用できない
- 悪天候や自然災害による工程遅延
- 工事音の騒音に対して近隣トラブルが発生
- 家以外の庭や蔵の解体
それぞれ解説いたします。
地中に埋設物があり工事ストップ
いざ解体を進めると、見積もり時にはわからなかった埋設物が地中に見つかることもあります。
例えば大きな岩や浄化槽などが見つかった際、工事が一時的にストップし、工事の期間が延びます。
特に、現地調査を行なわない解体業者の場合、見積もり時と工事内容が変更となるケースもあります。
重機を使用できない
以下のような場合には、重機が使用できないため手壊しでの解体になります。
- 家の土地が狭い
- 建物の周辺の道路の幅が狭い
- 隣家との距離が近い
重機を使って壊すよりも時間がかかるため、平均的な工期よりも長くなってしまいます。
手壊しの場合は平均1週間程度延びます。
悪天候や自然災害による工事遅延
解体工事では、以下のように悪天候や自然災害の影響を受けます。
- 豪雨による冠水
- 台風や暴風
- 豪雪による積雪
大雨が降った場合、以下の危険があります。
- 雪が降る季節に工事する際は、積雪量によっては除雪作業が必要になることも考慮しましょう。
- 作業員が体調を崩すほどの猛暑の場合は、安全面の確保のため作業をストップする可能性もあります。
工事音の騒音に対して近隣トラブルが発生
解体中は、重機で建物を壊す工事音が周囲に響きます。
騒音となり、近隣住民とのトラブルへ発展するケースもあります。
日常生活に支障をきたすほどの大きな騒音がするとクレームの原因となるため注意が必要です。
建設工事の騒音に関しては「騒音規制法」にて、1日あたりの作業時間や時間帯が定められています。
クレームを予防するためには、解体前の事前の挨拶や定期的なコミュニケーションを保つことが大切です。
家以外の庭や蔵の解体
建物の解体だけなら1週間程度で完了する広さでも、庭の木や石、塀などの解体のほか、離れや蔵もなくすとなると、その分解体にかかる期間も長くなります。
見積り時に壊してほしい範囲を伝えた上で、どれくらいの工期になるか聞いておくと安心です。
解体工事にかかる期間を短縮する方法

解体工事にかかる期間を短縮するには、以下の3つの方法が効果的です。
- 業者と密に連絡をとり工程を確認
- 屋内の不用品は事前に処分
- 近隣との良好な関係を築く
業者と密に連絡をとり工程を確認
解体業者とこまめに連絡を取り合うことは、解体工事期間を短縮するためのポイントです。
屋内の不用品は事前に処分
屋内の不用品(残置物)撤去の工程を減らすために、自分たちで屋内の不用品を処分しましょう。
近隣との良好な関係を築く
トラブルなく解体工事を進めるために、近隣への挨拶や丁寧な対応でコミュニケーションをとることも重要なポイントです。
以下のようなタイミングで、近隣へ挨拶しましょう。
- 工事をはじめる前
- 工事期間に変更があったとき
- 工事が終わったとき
特に、在宅ワークをしている方や小さなお子さんがいるご家庭は、事前に何も知らない状態で解体工事の騒音が起こると困りますよね。
工事前の挨拶では、重機の解体による騒音がすることや、工事にかかる期間が伝えられると近隣住民は安心でき、クレームやトラブルを防ぐことができます。
また、工事が終了した際に「長い期間ご迷惑をおかけしました」と一言あると関係性を保つことができます。
空き家解体のよくある質問
ここからは、空き家解体に関するよくある質問をご紹介します。
【Q&A】家の解体費用の目安は?
一般的な住宅の解体費用は、以下の表の通りです。
| 住宅の構造 | 解体費用の目安(30坪あたり) |
|---|---|
| 木造 | 90〜150万円 |
| 鉄骨造 | 120〜180万円 |
| 鉄筋コンクリート造 | 180〜240万円 |
【Q&A】解体工事に必要な書類の届け出はありますか?
80平米以上の解体は、官公庁への届け出が必要です。
個人で提出するのではなく解体業者側で提出しますので、相談者様は書類確認・捺印のみで完了します。
空き家解体などの補助金や助成金を申請する場合は、別途書類の提出が必要になります。
まとめ
解体工事のみにかかる期間は平均として1週間程度です。
しかし、今回解説したように、天候や近隣とのトラブルなど様々な要因で期間は延びる可能性があります。
もし実家や空き家の解体をご検討中の方や、見積もりだけ見てみたいという方はご連絡ください。
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