今日多くのデベロッパーがマンションを新築している中、
アパートを個人で所有しているという方も未だ多くいます。
そのような物件を入居者アリの状態で売却することは可能なのでしょうか?
収益不動産は入居者がいるまま売却できるのか?
アパートのような家賃収入を目的としている物件を不動産業界では収益不動産と呼称します。
そして結論から申し上げますと、このような収益不動産は入居者がいる場合でも売却可能です。
このような売却方法を「オーナーチェンジ」といい、収益不動産の所有者のみ変わります。
所有者と賃貸借契約を結んでいる入居者は借地借家法により保護されており、所有者が変わったことによる立ち退きなどに応じる必要はありません。
また所有者側も収益不動産の売却時に、その旨を入居者にわざわざ伝える義務はありません。
オーナーチェンジが完了した際には、入居者に対する敷金の返還義務や賃料の支払先が新しい所有者に移ることになるので、その点は入居者に申し伝えると良いでしょう。
入居者がいる収益不動産を売却する際の注意点
収益不動産のオーナーチェンジを行う際にはいくつかの注意点があります。
主に権利関係や契約関係でトラブルになることが多いですので、
それらは売却前にしっかり確認するようにしましょう。
具体的な注意点は以下の通りです。
- 賃貸借契約の内容等の説明をする
- 敷金の引継ぎ
- 建物状態の確認
以下からそれぞれ解説します!
賃貸借契約の内容等の説明をする
収益不動産の賃貸借契約の内容等は契約前に必ず説明しておきましょう。
買主は収益不動産を買い受けることで賃料収入を得るため、賃料収入を含む、不動産の契約内容に関する情報は、
買主が購入を決断する際の重要な判断材料となります。
裁判例でも以下のような判例(東京地裁平成24年11月26日判決)が出ており、収益不動産購入の判断材料となるものについては漏れなく説明する義務があると考えるべきです。
賃貸に供している不動産を賃借人が入居・使用する状態のままで売買の対象とする場合、その賃貸借契約の内容はもちろんのこと、
賃借人の経済状態、賃料の滞納の有無、過去の賃料改定の経緯は、当該不動産をいかなる価格・条件で購入するかを決定する上で、重要な判断材料となり得るものである
一般的に収益不動産を売却する際には各入居者との間で取り交わした賃貸借契約書に加え、
賃貸借契約の内容を始めとする上記の内容が一覧表となった「レントロール」という書面を交付することが多いです。
このような書面を含め、例えば家賃を数か月以上滞納している入居者がいることなどを説明していなかった場合には、
売主に契約不適合責任又は説明義務違反の責任を問われる場合もあります。
敷金の引継ぎ
収益不動産を売却した場合、賃借人に敷金を返還する義務が売主から買主に引き継がれます。
そのため敷金の正しい金額などを買主に説明する必要があります。
現在売主が預かっている敷金はそのまま買主に引き渡すことになりますので、敷金の引継ぎは適切に行いましょう。
建物状態の確認
入居者が住んでいる収益不動産は建物内部の内覧や確認が非常に難しいです。そのため、
- 建物内の内部設備のどこが破損しているか
- どれだけ老朽化しているか
など、売主が把握できないところが生じる可能性が高いです。
後々にトラブルにならないよう、売主にて把握できる情報、把握できない情報があることを整理し、買主に説明しましょう。
アパートなどの収益不動産をお持ちの方は
アパートなどの収益不動産を売却する際は東京空き家相談協会にご相談ください。
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