親から子へ相続を考えた時。
贈与税(ぞうよぜい)や相続税について気にされる方も多くいらっしゃいます。
いざ支払うことになった時に急いで調べる…前に、今回は贈与税について何に対して支払う税金なのか・相続税との違いや税率について知っていきましょう!
贈与税って何?
贈与税とは、贈与によって個人が無償で財産を受け取る際に課される税金のことです。
財産は現金や預貯金のほか、不動産や株式、車、貴金属類にまで及びます。
例えば、親から子への贈与や友人への贈り物などがこれに当たります。
ただ、親から教育費の振込や生活費の仕送りは、妥当な金額であれば贈与税はかかりません。
では、そもそも贈与税を支払う理由とは何なのでしょうか?
財務省では以下のように言われています。
贈与税って何?①支払う理由
生前に贈与することによって、相続税の課税を逃れようとする行為を防ぐ意味で、相続税を補完する役割を果たしています。
相続税の節税対策として利用されることもあります。
贈与税って何?②支払う人
贈与税を申告して支払うのは「財産をもらった人」です。
財産を贈与する人を「贈与者」
財産を受け取る人を「受贈者」といいます。
贈与税は、贈与の価額に対して課税され、贈与者が贈与を行った際に支払われます。
贈与税って何?③相続税との違い
相続税とは、亡くなった人の財産を承継したときにかかる税金です。
故人の財産を相続や遺贈、死因贈与などで取得した場合にかかります。
一方で贈与税は、生きている人の財産を取得したときにかかる税金となるのが決定的な違いなのです。
各国の税法において、贈与税のルールや税率は異なりますが、一般的には一定の金額を超える贈与に対して課税が行われます。
では、日本の場合は果たしていくらからかかるのでしょうか?
贈与税っていくらからかかるの?
贈与税がいくらからかかるかは、もらった財産が「暦年課税制度」の対象か、あるいは「相続時精算課税制度」の対象かで変わります。
通常は暦年課税制度で贈与税を計算します。
相続時精算課税制度で計算するのは、贈与税を申告した場合、届け出を出した時以降です。
相続時精算課税制度をつかうためには条件があるのです。
財産が年間110万円を超えた場合は暦年課税制度
暦年課税制度で財産をもらった場合、1年間にもらった財産の合計額が年110万円を超えたときに贈与税がかかります。
例えば、1月1日から12月31日までの間に父から100万円、叔母から50万円の財産をもらったとしましょう。この場合「100万円+50万円>110万円」となり、贈与税の申告と納税が必要です。
一方で、父から長男と次男がそれぞれ100万円の財産をもらったとしましょう。この場合は、それぞれが110万円以下なので、長男も次男も贈与税の申告と納税は不要です。あくまで「もらった金額」が基準となります。
暦年課税制度で贈与をされると、基本的に相続税はかかりません。ただし、贈与してから3年以内に亡くなった場合、贈与した財産は相続税の対象となります。「生前贈与加算」と言われます。
2024年1月から「3年」は「7年」に変更されます。
なお、生前贈与加算となった財産で納めた贈与税があれば、その分は相続税額から控除されるので二重課税をされる心配はありません。また、基本的に、孫への贈与は生前贈与加算の対象にはなりません。
累計で2500万円をこえた時は相続時精算課税制度
相続時精算課税制度は、60歳以上の父母や祖父母から18歳以上の子や孫に対して財産を贈与した場合に選択できる制度です。
相続時精算課税制度の適用を受けて財産をもらった場合、もらった財産の累計が2500万円を超えた時に贈与税がかかります。また、累計でもらった財産が2500万円以下でも、申告期限後に申告したら贈与税がかかります。
なお、2024年1月1日以降、この2500円の非課税枠とは別に、年110万円までもらっても贈与税はかからなくなります。
贈与税の税率って?
贈与税の計算は、先述した暦年課税制度か相続時精算課税制度かで変わります。
以下の画像をご参照ください!
贈与税の税率①暦年課税制度での計算方法
暦年課税制度の場合、税率が10%から55%の間で段階的に決められています。ただし、もらった財産が特例贈与財産か一般贈与財産かで、税率の構造が少し変わるのです。
特例贈与財産とは、18歳以上の人が親や祖父母などの直系尊属からもらった財産のことです。一般贈与財産とは、それ以外の年齢や関係性の中でもらった財産を言います。特例贈与財産の方が一般贈与財産よりも贈与税は低くなります。
贈与税の税率②相続時精算課税制度での計算方法
相続時精算課税制度での贈与税は、贈与された財産の累計を元に計算します。贈与された財産の累計が2500万円までは贈与税はかかりません。しかし、2500万円を超えたら一律20%の税率で贈与税がかかります。
贈与税がかからないようにするには?
なるべく、税金が発生するのは避けたいところではありますよね…。
先述したように、暦年課税制度では1年間に受けた財産の合計額が110万円以下なら贈与税がかからず、
相続時精算課税制度の適用を受けている場合は累計で2500万円まで贈与されても贈与税が発生しません。
また、贈与税を避けるために以下方法があります。
①教育費や生活費は都度もらう
②住宅取得等資金の贈与税の非課税措置
③結婚・子育て資金の贈与税の非課税措置
④教育資金の贈与税の非課税措置
⑤贈与税の配偶者控除
ひとつずつご紹介していきます!
贈与税がかからない方法①教育費や生活費は都度もらう
教育費や生活費などは必要な都度に扶養義務者からもらっても贈与税はかかりません。
扶養義務書とは両親だけでなく祖父母や曽祖母なども含まれます。
贈与税がかからない方法②住宅取得等資金の贈与税の非課税措置
子や孫が住宅を購入する場合、その資金を親や祖父母から受け取ると贈与税がかからない措置があります。
省エネ等住宅であれば1000万円まで、それ以外なら500万円まで非課税となりますが、贈与税の申告が必要となります。
贈与税がかからない方法③結婚・子育て資金の贈与税の非課税措置
結婚や子育てのための資金を、金融機関を介して受け取った場合の非課税措置があります。
最大1000万円(結婚のための費用は最大300万円)まで贈与税がかからず、贈与税の申告は不要です。
贈与税がかからない方法④教育資金の贈与税の非課税措置
教育のための資金を金融機関を介して受け取った場合の非課税措置です。
最大1500万円(学校以外に支払う教育費は最大500万円)までで贈与税がかからず、贈与税の申告は不要です。
贈与税がかからない方法⑤贈与税の配偶者控除
婚姻期間が20年以上の夫婦の場合、自宅そのものか自宅を購入するための資金を贈与しても、最大2000万円まで非課税となります。
贈与税の申告は必要です。
以上のように、贈与税の申告が必要な場合があります。
では、申告はどのように進めていくのでしょうか?ご紹介します!
贈与税の申告方法と必要書類
贈与税がかかる場合、贈与された人が贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに贈与税の申告と納付をする必要があります。
納付は、贈与された人の住所を管轄する税務署に行います。
贈与税の申告方法
贈与税の申告は、紙の申告書を作成する方法と、電子申告(e-Tax)で申告する方法があります。
紙の申告書の場合は税務署の窓口で提出する・時間外収受箱への投函・郵便での提出という3通りの方法があります。
E-Taxでの申告は国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で必要書類を入力して送信します。
こちらをクリックすると国税庁「確定申告書等作成コーナー」に進めます!
贈与税の申告で必要な書類
増税の申告では、主に以下の書類が必要になります。
①贈与税の申告書(第一表)
②贈与税の申告書(第二表)
③贈与税の申告書(第一表の二)
こちらをクリックすると国税庁「令和4年分贈与税の申告書等の様式一覧」ページに移ります!
贈与税の納付方法は?
贈与税の納付は、税務署や金融機関の窓口に納付書を持参して納める以外にも、以下のような方法があります。
納付方法によっては手数料がかかります。
・ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)
・クレジットカードでの納付
・インターネットバンキング
・スマートフォンアプリでの納付
・コンビニ納付
贈与税についておさらいしたい時に読みましょう
以上が、贈与税についての解説となります。
贈与税を節税したい場合やいくらからかかるかなど、あらかじめ知りたい時や、おさらいしたい時にぜひお読みください。
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