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マイホームを取り上げられて平気でいられる人などいません。住宅ローンを支払えなくなる人のなかには自分でなんとか解決できたかもしれない理由の人もいますが、予期せぬ出来事で住宅ローンの返済ができなくなり、仕方ない場合も多々あります。
そこで手段のひとつとなり得るのが任意売却。
この記事では任意売却とは何か、競売との違いや押さえておきたいメリット、デメリット、失敗するパターンなどを解説します。
任意売却とは
任意売却とは、住宅ローンなどの借入が返済できなくなったとき、融資先の金融機関との話し合い・合意のもとに不動産を売却して解決することです。
任売ともいわれ、リストラや会社の倒産、病気など何らかの事情で収入が減ってしまい、ローンの返済が難しくなってしまったときの手段となります。
通常、住宅ローンを滞納し続けると、金融機関は抵当権に入っている家を差し押さえ、競売にかけて融資額を回収しようとします。
抵当権とは、金融機関などがお金を貸した場合、その債務の返済ができなかった場合に担保資産を売って債務を回収する権利のことです。
その借金を返してもらう権利を確実にするために、担保となる不動産(住宅ローンであれば、ローンを組んで買った家)に対し、抵当権を設定します。(抵当権を確実にするために登記をする)
競売にかけられた場合のリスクは、以下の4点です。
- 裁判所から立ち退きを命じられる
- 落札価格は市場価格より2~3割低い金額になる
- インターネットや裁判所の掲示板に競売情報が出回る
- 不動産会社の担当者が現況調査で訪ねて来るため、近所に事情が知られる
任意売却はこうした事態を回避する手段のひとつです。
任意売却のしくみ
任意売却とは、住宅ローンの返済が困難になった場合、所有者が金融機関と協議(話し合い)をして物件を売却することです。
市場価格に近い金額で売ることができる分、残債を減らせます。
売却後の残債は、今後の生活を考えながら減額や分割での返済を相談でき、引越しのタイミングも相談できます。
一般売却と似たような販売になるため、周辺近所に事情を知られることもありません。
また、売却に伴う諸費用(仲介手数料など)も売買代金から支払います。
競売との違い
任意売却と競売はどちらも不動産を処分して債権者(貸している側)に代金を配当する手続きですが、債権者の同意の有無や売り方、売却価格などが違います。
任意売却は文字通り任意、つまり債務者(借りている側)の意思で売ることをいいます。
一方、競売(正式には一般競争入札)は債権者が債務者や連帯保証人がもつ不動産を裁判所経由で強制的に売るやり方です。
債権者が不動産の売却を裁判所へ申し立てる→債権者の申し立てが正当だと立証された場合、裁判所が職権(裁判所の権限)により強制的に売却するという流れです。
任意売却は債務者の意思で売るため、明け渡しのタイミングなども自分で決めることができます。
競売の流れ
競売を申し立てられると、手続きが進む流れは以下の通りです。
①競売開始決定
裁判所で競売開始決定がされ、担保不動産競売開始決定通知書が家に届きます。
これが届いたら「マイホームを裁判所に取り上げられる」ことを覚悟しなければなりません。
②現況調査
執行官と評価人が様子を確認するため家にやってきます。
自宅に立ち入られて写真などを撮られます。
③物件情報公開
現況調査結果を踏まえて最低入札価格が決まり、入札日や開札日が決まります。
ネットや裁判所で物件情報が公開されます。
④札開始
最低入札価格以上で入札がされます
⑤開札
開札がされ、最高入札者が落札します。
⑥売却代金の納付と所有者の移転
落札者が代金を支払い、登記名義が変更されて所有権が移転します。
競売開始決定からこの一連の流れを終えるまでの期間は約半年~1年程度です。
競売が始まると裁判所が勝手に手続きを進めていくため、これを自分で食い止めることはできません。
競売のメリット
競売は、追って解説する「任意売却」に比べるとメリットは少ないです。
しかし、敢えていうなら競売には主に2つのメリットがあります。
- 売却の手間が省ける
- 明け渡しに猶予期間がある
ローンを支払えなくなったら遅かれ早かれマイホームを失うことになります。
競売を回避するには自分で家を任意売却し、売却代金をローン返済に充てるしかありません。
ところが、自分で家を売るためにはまずは不動産屋を探して内見に対応し、契約書を作って引き渡しに立ち合ったり登記にも協力したりなど、何かと手間がかかります。
それが競売では、債権者が裁判所に申し立てをし、裁判所が債務者の財産を差し押さえることで競売の手続きが進んでいきます。
家の売却の手続きはすべて債権者と裁判所がしてくれるため、債務者は特段ほとんど何かをやる必要がありません。
債務者は競売開始決定通知が届くことで「競売の申し立てがされたのだ」と知りますが(開札日に新しい所有者が決まります)、普通に家で暮らしていると勝手に家が売れ、売却代金からローンが支払われます。
なお、債務者は新しい所有者と家の明け渡し日などについて交渉することになります。
明け渡しに猶予期間がある
明け渡し猶予制度とは、開札で落札者が決まっても6か月間は建物を買い手に明け渡さなくてもよいとする法的な制度です。
したがって、任意売却に比べ6か月間は長く自宅に住むことができます。
ただし、債務者は建物の所有権がすでに変更されていることから、買い手に対し相当の賃料を支払う義務があります。
競売のデメリット
競売のデメリットは以下の4つです。
- 安くなりがち
- 強制的に立ち退きを迫られる
- 自己破産になる可能性が高い
- 所有物件情報が世間に出回る
安くなりがち
競売の一番大きなデメリットは、家が安くしか売れないことです。
競売は、期間入札という形で不動産を買う取引です。
入札の段取りが複雑な上、入札保証金として売却標準額の10分の2以上の現金を事前に準備しなければなりません。
したがって一般の買い手は参入しづらく、不動産買い取り業者のマーケットになります。
不動産業者は経費と転売利益を考慮して入札価格を決めるため、競売になると売却相場と比べ安くなりがちで、6~8割程度の価格でしか売れないケースが一般的です。
競売は安くなりがちな上、最終的に一体いくらで売れるのか分かりません。
このため、追って解説する任意売却で少しでも高く売った方が、より多くのローン返済ができ、あとに残る借金を大きく減らせます。
強制的に立ち退きを迫られる
競売になると、開札によって不動産の新しい所有者が決まります。
そうなるともはや家は落札者のものとなるため、もう家に住み続けることはできなくなります。
先に明け渡し猶予制度について解説しましたが、この猶予期間を超えて債務者が建物から出ていかない場合、不動産の新しい所有者は建物の明け渡しの「強制執行手続き」を行い、債務者を強引に家から立ち退かせます。
至急家から出ていく必要がある上、債務者の残置物は手持ちで持ち出した物以外はすべて処分されてしまいます。
残酷な話ですが、強制執行の申し立てがされると居住者はいよいよ追い詰められることになります。
もはや抵抗する手段はなく、出ていかざるを得ない状況・・・とはいっても今日明日に突然出ていけ!となるわけではありませんが、それでもいつまでも居座れるわけでもありません。
強制執行の申し立てがされてから断行日の間は、一般的に1か月半くらいはあるため、その間に転居先を見つけ、早めに引越しをする必要があります。
任意売却であれば売却代金から引越し代を出してもらえるケースも多いところ、競売の場合そういうことは期待できず、引越し費用も自腹で何とかするしかありません。
落札者次第ではありますが、立ち退き圧力は強く、しかも今後の生活をどうするかについての悩みを含めると精神的プレッシャーは相当なものとなります。
自己破産になる可能性が高い
競売の売買代金からローンの残額を差し引いてもまだ残債が残る場合、債権者は原則として債務者に対し、残債の一括返済を請求します。
競売になる場合は余剰資金がないことが予測されるため、債務整理のひとつである自己破産手続きを検討しなければなりません。
債権者によっては分割での返済を認めてくれることもありますが、競売後の残債に対して金利が高く設定されるため、月々の支払いは大変キツくなります・・・。
所有物件情報が世間に出回る
競売開始決定の手続きがされると、官報や不動産競売物件情報サイト(BIT)に自宅の情報が公開され、誰でも閲覧ができるようになります。
室内の写真も一部ですが公開されます。
競売はこのように不特定多数の人に室内を見られたり、「あの家は経済状況が芳しくないのだ」ということを知られたりします。
場合によっては嘲笑や嫌がらせを受けることもあります。
また、競売になると手続き中に裁判所の執行官や競売物件の評価人が家の現況調査にやってきます。
評価人とは、民事執行法に基づいて競売物件の売却基準価格を評価する人のことで、不動産鑑定関連の知識をもつ人のなかから執行裁判所が選任します。
ネットでの公開で関心をもった不動産屋などが様子を見に家の周辺に来たり、近隣住民に状況を訊いたりします。
これにより近所で噂になり、プライバシーが侵害されることもよくあります。
競売を回避するには「任意売却」
競売になったとしても、早い時期であれば「任意売却」で競売を回避できます。
住宅ローンを滞納してからの期間が短ければ短いほど交渉も有利にできます。
相場価格ほどではないにしても、任意売却は競売の入札価格よりも高く売ることができます。
また、競売とは違い、周りに知られることもありません。
失敗しないためにも以下のメリットデメリットも押さえ、ご一考ください。
任意売却のメリット・デメリット
▼任意売却のメリット
- 相場に近い金額で売れる
- 引越しのタイミングを相談できる
- 引越し代を交渉次第で残せることも
- 諸費用を売却代金から支払える
- 売却後に残ったローンの返済条件を交渉できる
- 近所に事情を知られない
▼任意売却のデメリット
- 連帯保証人、連帯債務者から同意が得られないと任意売却できない
- 金融機関が必ずしも同意してくれるとは限らない
- 金融機関との交渉や手続きに労力がいる
- 競売まで時間がない場合間に合わないこともある
メリット1.相場に近い金額で売れる
任意売却の大きなメリットは、市場価格に近い金額で売ることができる点です。
競売では落札価格が相場より2~3割程度低くなる傾向があるため、安く売って損をするリスクも減らせます。
メリット2.引越しのタイミングを相談できる
任意売却の場合、引越しのタイミングも相談できます。
競売では裁判所の命令で早急に退去を求められますが、その点、任意売却では買い手と引越しの時期の調整ができるため、引越しを急かされることがありません。
よって、圧力をかけられない分精神的負担も軽減されます。
メリット3.引越し代を交渉次第で残せることも
金融機関の話し合いにより、手元に引越し代を残すことができます。
競売ではこうした交渉が難しいことに対し、今後の暮らしに向けて金銭的な負担も減らせます。
ということで、その分精神的にも少なからず楽になります。
メリット4.諸費用を売却代金から支払える
任意売却の手続きに伴う仲介手数料や登記費用などの諸費用も、売却代金から差し引かれます。
そのため、費用面でも気を揉まずに手続きができるでしょう。
メリット5.売却後に残ったローンの返済条件を交渉できる
任意売却後に残った住宅ローンは、金融機関と相談して今後の収入状況などにより返済金額や期間を決められます。
生活に無理のない返済を続けられる返済計画を立てられます。
メリット6.近所に事情を知られない
周囲に知られずに売却手続きができるのも任意売却のメリットです。
競売の場合、先に解説したような裁判所の掲示板やネットに物件情報が開示され、近所にも家の事情が知られてしまうおそれがあります。
この点、任意売却では通常の不動産売買と同様に売却活動がされるため、プライバシーを保護しながら手続きを進められます。
デメリット1.連帯保証人、連帯債務者から同意が得られないと任意売却できない
住宅ローンを借りる際に連帯保証人や連帯債務者を設定している場合、全員の合意を得る必要があります。
任意売却後に債務が連帯保証人へ移る可能性が高いため、関係者への事前説明が必須です。
デメリット2.金融機関が必ずしも同意してくれるとは限らない
任意売却には金融機関の同意が要るため、必ずしも同意してくれるとは限らず、場合により承認が得られないこともあります。
売却価格が金融機関の期待に沿わない場合や、返済能力が著しく低いと判断された場合などは同意してもらえないおそれがあります。
売却価格を現実的な値段に設定することが重要です。
デメリット3.金融機関との交渉や手続きに労力がいる
通常の売却よりも任意売却は金融機関との交渉が必要であるため、手続きに労力がかかります。
とくに金融機関の承認を得るまでに必要書類を揃えるなどの準備に労力がかかります。
当協会は、弁護士との提携のもと銀行との交渉経験に長けている不動産会社とも連携しておりますので、不安にお感じの方は以下からご相談お待ちしております。
デメリット4.競売まで時間がない場合間に合わないこともある
任意売却は手続きに一定の期間を要するため、競売までのリミットが迫っている場合間に合わないリスクがあります。
競売の申し立てが始まると任意売却で買い手を見つけるまでの時間が限られるため、早い段階で手続きを始めることが求められます。
任意売却の流れ
スケジュール感として任意売却が成立するまでは2か月~6か月程度かかると見ておきましょう。
流れは以下の通りですが、やはり早期開始が賢明です。
①債務者からの督促
まず、金融機関からの支払い督促を受けます。(この時点で任意売却を検討し始めるとよし)
②不動産屋に相談
つづいて不動産会社に相談し、査定を依頼します。
任意売却に強い不動産屋を選びましょう。
この段階で必要な書類も用意し、金融機関へ提出します。
③査定・書類を準備
金融機関が査定内容と条件を確認し、合意が得られたら売却活動を始めます。
④売却活動
買い手が見つかったら想定売却金額を金融機関に伝えましょう。
⑤売買契約
同意を得られたらその価格で売買契約を締結します。
⑥引き渡し
売買代金の決済と引き渡しをします。
⑦残債の返済方法を相談
売却後の残債の返済をどうするか、方法やスケジュールを金融機関と相談し、無理のない返済計画を立てます。
失敗するパターンと対処
任意売却の手続きができない場合や競売に至ってしまう場合など、任意売却に失敗してしまう事例は以下のパターンがあります。
- 金融機関が認めないパターン
- 買い手がつかないパターン
- 連帯保証人、名義人の同意が得られないパターン
- 建築基準法を満たしていないパターン
- 期限超過で競売が始まってしまうパターン
- 所有者本人が手続きできないパターン
- 税金、保険料を滞納しているパターン
金融機関が認めないパターン
債務者・債権者そして不動産会社の三者全員が協力し合ってこそ望める任意売却の成功です。
お金を貸してくれた金融機関が任意売却を認めない場合、任意売却ができなくなります。
任意売却は金融機関にとってはリスクが大きい手段であり、できる限り返済を続けてもらいたいと考えるのが常です。
このため銀行の方針として任意売却を認めていない場合もあり、承認を得るのに苦労する場合もあります。
このほか、住宅ローンを組んでから数年しか経っていなかったり、ローン残高が多すぎる、競売までの期日が残りわずか、過去に金融機関とトラブルを起こした場合なども任意売却を断られる可能性が高まるため留意ください。
買い手がつかないパターン
任意売却の手続きを進めたとしても、買い手が現れず売却に失敗するパターンがあります。
住宅の需要が少ないエリアで任意売却をする場合や、不動産屋が任意売却に長けていない場合、もしくは金融機関から求められる売却価格が高すぎる場合などは、そもそも買い手が見つからない可能性が高くなります。
また、通常の売却とは違い、「瑕疵担保責任免責」があるため、家が老朽化している場合は買い手にとって不利であるため、買い手がつかないことも十分あり得ます。
物理的な欠陥や、何らかの事故があったいわくつき物件など居住者が心理的に嫌だな、避けたいなと思う何らかの欠陥がある物件を瑕疵(かし)物件というのを聞いたことがあるかと思います。
瑕疵担保責任とは、土地や家などの売買物件に欠陥や不具合が見つかった場合、売主がその責任を負うことをいいます。
これが任意売却の場合、原則として売主の瑕疵担保責任は特約により免責されます。
任意売却の場合売却代金を債権者に全額返済するため売主に資金が残らず、瑕疵の賠償が難しいからです。
つまり、引き渡したあとになって瑕疵が発覚しても、売主の責任は原則問われないことになっています。
ただし、任意売却の際、瑕疵を知っていたにもかかわらず告知しない場合、話は変わります。
売主が瑕疵があることを分かっていながら買主に知らせずに売った場合、瑕疵担保責任免責の特約があっても責任を問われることがあります。(この旨は民法の規定にも記載されています)
いずれにしても買い手が現れなければ取引は成立せず、任意売却ができずに競売へ進むこともあり得ます。
ただし通常の売買同様、家の内覧や購入希望者との交渉自体はできるため、
十分に家の掃除をして清潔な状態を保ち、不用品も事前に処分しておくなどのアクションが欠かせません。
連帯保証人、名義人の同意が得られないパターン
任意売却の手続きをするためには、家の名義人と連帯保証人全員の同意を得ることが必須です。
これも関係者と不仲であったり意見割れしている場合厄介ですが・・・
親や夫婦などの共有名義で家を持っている場合、その共有名義者全員の同意が要ることにご注意ください。
連帯保証人は住宅ローンの債務者、共同名義人は家の所有者となるため、自分だけで任意売却を進めることはできず、それぞれの同意がないといけません。
連帯保証人や名義人になっている人が任意売却に反対し、同意を得られない場合任意売却に進めなくなります。
住宅ローンを滞納し、任意売却の手続き開始後に共同名義人・連帯保証人との相談を始めたが意見がまとまらず、そうこうしているうちについには競売の期日を迎えてしまうというリスクもあります。
このため住宅ローンの支払いができなくなった際は、至急共同名義人・連帯保証人と連絡を取ることを推奨します。
建築基準法を満たしていないパターン
「再建築不可物件」をはじめ、増築時に容積率や建ぺい率などを超過してしまったなど、
現行の建築基準法に反している住宅は任意売却に進めない可能性が高まります。
建築基準法をクリアしていない家の場合、買い手が住宅ローンを組みにくくなり、買いたくても買えない状態になることがあります。
ほかにも建物の老朽化が進み、リフォームしないと住つづけることが難しい物件は売却価格が下がるため、任意売却が難しくなります。
資金難のため任意売却は物件のリフォームが難しく、現状のまま引き渡しになることから買い手が見つかりにくい点も留意しなければいけません。
建築基準法に違反している家は、家を取り壊して土地を売ることで返済資金を作ることになります。
期限超過で競売が始まってしまうパターン
任意売却では最大で1年程度買い手がつかなかった場合、強制的に競売にかけられることがあります。
無期限に買い手を募集できるわけではない点には留意してください。
ローンの返済が滞納され続けることにより、自宅が金融機関によって差し押さえられ、裁判所の権限下で競売が始まると任意売却ができなくなります。
よって任意売却を検討する場合は早いうちに不動産会社や金融機関に相談しておくこと、つまり早期相談、早期準備です。
また、限られた期間内に速やかに売却するため、売却価格の値下げも検討しておくことです。
所有者本人が手続きできないパターン
任意売却の手続きを進められるのは、家の所有者本人に限られています。
所有者自身である確認ができない場合や、所有者が不慮のケガや病気などで手続きができないと任意売却が難しくなります。
とくに所有者が認知症になった場合などは成年後見制度にもとづく代理人を決める必要が出てきます。(そうしないと任意売却の手続きができません)
遅かれ早かれ競売での売却を余儀なくされるため、この場合早めに不動産会社などに事情を伝えた方が賢明です。
税金、保険料を滞納しているパターン
滞納していてまずろくなことがないように、国保料や住民税、固定資産税などの滞納が多額になる場合役所に差し押さえられ、
自己判断での任意売却ができなくなります。
まずは預貯金口座から差し押さえられ、滞納額が大きいと住宅ローンが残っていても家が資産と見なされて公売にかけられ、税金や保険料の支払いに充てられます。
自宅が役所に差し押さえられるからには任意売却ができなくなるため、税金や保険料を滞納する前に市町村の窓口へ相談に出向きましょう。
おわりに
ローン返済の見通しが立たず、金融機関から督促状などが届いて困っている場合、任意売却を取り扱っている窓口に相談してみましょう。
当協会は、任意売却物件や相続、ローンでトラブルのある物件の扱いに強い不動産会社とも連携しております。
予期せぬことが起こり得る人生、住宅ローンが支払えなくなることは恥ずかしいことではなく、人生の失敗ではありません。
あとあとで「任意売却を知っていたら違っていたのにな・・・」と悔やむこともあり、また相談ひとつで展開が変わることもあります。
恥ずかしくて誰にもいえないと躊躇することなく、まずはご相談ください。